【中学生のココロとカラダ相談室】勉強へのやる気が低い・・・その1

心身ともに成長が著しい一方で、思春期・反抗期でもある中学生。複雑で繊細なこの時期の保護者の方の気がかりに対して専門家がアドバイス。今回は「勉強してもいいかな?」とその気にさせるコツについてアドバイスをいただきました。

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Q.うちの子は勉強へのやる気がなくモチベーションが低いです。勉強してもいいかな?とその気にさせるコツがあれば教えてください。

先を見据えて「選択肢を広げる」という方向へ導くのが有効なタイプ、お得感に訴えて「今のうちに作戦」が有効なタイプなどがあります。お子さまの考え方や行動のタイプと志望校が決定か未決定かの状況によって、声かけを工夫しましょう。


どうにもやる気の起きない勉強。そのモチベーションの上げ方はお子さまのタイプや状況により、少し異なります。

お子さまの物事の考え方や行動は、じっくり考え納得してから行動する「じっくりタイプ」でしょうか。それとも、パッとひらめいて行動する「ひらめきタイプ」でしょうか。この2つはどちらが良い悪いということではありません。どちらに分類すればよいのか迷う場合には、「どちらかというと」と大別して考えてみてください。

お子さまの状況として志望校が決定済み、それとも未定でしょうか。漠然と決定、あるいは2つの学校を迷っているような場合は、「未定」のほうの助言があてはまるかと思います。

はっきりした目標をもてると、その目的意識によって粘り強く試行錯誤でき、負荷がかかることにも挑戦できます。逆に、目的意識が明確にもてていないのに、あれやこれやと助言をされても気後れして、「そこまでやりたくない」「苦手だから仕方ないもん!」と気持ちが引いてしまい、逆効果になってしまうこともあるので、お子さまの状況に合わせた声かけが大切になってきます。

今回は志望校未定のお子さまについて考えてみます。

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志望校未定の「じっくりタイプ」のお子さま

物事をじっくり考えて慎重に進めるタイプのお子さまは、志望校についてもじっくり考え、決めかねる傾向です。偏差値でも制服でも、通いやすさでも何でもよいので、お子さまの価値観に寄り添って「こんな学校がいいなあ」という気持ちを引き出す話し合いをもってください。具体的な高校の名前を出すことに子どもの側はドキドキするものですので、親の大らかな雰囲気は必須です。すぐに志望校を決めなくて構いません。具体的な学校名について、「どれもいいね」というスタンスで、「選択肢を広げておけるとあとが楽だね」というような話をしてください。内申点と入試本番の得点力を上げることは「選択肢を広げること(=いざという時に行きたい高校を諦めずにすむ)」になると確認しておきましょう。じっくりタイプのお子さまですので、「そうか、選択肢か」と納得するはずです。選択肢を広げるべく対策の大切さを納得できると、勉強、そして苦手教科にも取り組んでいくモチベーションは自ずと高まっていきます。

志望校未定の「ひらめきタイプ」のお子さま

パッとひらめいて行動に移すタイプのお子さまもいますね。どちらかというとアクティブなお子さまに多い印象です。志望校が未定であるならば、ゆくゆくは志望校決定といった進路に向けた話をする機会が必要ですが、このタイプであれば「とりあえず」のアプローチである「今のうちに作戦」も有効です。
他の子たちがまだ本気を出していない「今のうちに」勉強しておくとすごくいいらしいよということを伝えるのが「今のうちに作戦」です。例えば、ある範囲の勉強を「明日テストします」と急に言われたら、「えー!?急にそんな!」となりますよね。でも、事前にそのことを予測して一週間前からその勉強をしている子がいたら、その子はかなり有利ですね。入試も同じで、皆が慌てて本気を出す前に早めに落ち着いて取り組んだら、それは有利なこと間違いなしなのです。予測してもしなくても必ず入試はやってきますので、「今のうちに」やっておくのはかなり「お得」というわけです。そして、一夜漬けでは苦手教科にじっくり取り組むのは大変ですが、時間さえあれば苦手教科をやってみることも可能です。

志望校が決まってそこに向かって、受験勉強なり、定期テスト対策などを頑張れば強固なものになりますが、とりあえずのお得感でも走れるのがひらめきタイプ。シンプルに「一夜漬けよりも一週間準備したほうが有利でしょ?」とキャッチーに投げかけて、そりゃそうだと思わせられるとよいですね。

次回は志望校決定済のお子さんについて、タイプ別に勉強や苦手教科に取り組む方法を考えていきます。
【中学生のココロとカラダ相談室】勉強へのやる気が低い・・・その2はこちらから!


【アドバイス】
公認心理師・臨床心理士
高木紀子先生

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フォーレカウンセリングセンター所属。中央大学・清泉女子大学非常勤講師。青山学院高等部、都立立川高校といった高校のスクールカウンセラーも務め、小・中学校の巡回相談、園児から高校生までの保護者の相談も請けおう。共著に『親だからできる5つの家庭教育』(ほんの木出版)など。

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