【中学生のココロとカラダ相談室】いつもと違う夏休みの後、生活リズムや気持ちが整っていない様子で・・・

心身ともに成長が著しい一方で、思春期・反抗期でもある中学生。複雑で繊細なこの時期の保護者の方の気がかりに対して専門家がアドバイス。今回は今年度ならではの「いつもと違う夏休み」明けの生活リズムや気持ちの整え方についてアドバイスをいただきました。ぜひ、気がかり解消のヒントにしてください。
スライド_vol4.jpg

Q.夏休みが明けるのに学校モードになれず、生活リズムや気持ちが整っていないようです。効果的な声かけや対応のポイントなどがあれば知りたいです・・・


叱ったり、正論で責めたりせずに、共感的態度で子どもを支えていきましょう。保護者の方自身のこととして「調子が出ないね~」などとボヤキながら、お子さまの様子をみていってください。

例年、9月というのは、長い休み明けで子どもたちにとって少なからず気持ちの重い日々となるものですが、今年はちょっと違う重さがあるようです。
地域によっては、昨年度末が締めくくりのないまま終わり、今年度はきっちり始まらないままスタートし、自宅学習期間を経ての学校再開、そして、短い夏休み。「なんだか気分が乗らない、やる気が出ない」、今、こういった子どもたちがたくさんいます。

頑張ってやっても結局なし崩しになってしまうのではないか、また自宅学習期間が来ちゃうのではないかなどと見通しが立ちにくく、気持ちが定まらないことがひとつの原因かもしれません。さらに言えば、夏休みが短くて何だか休んだ気がしないことや、部活動の縮小、行事の縮小などにより、メリハリが無くなってしまったことも原因として挙げられるでしょう。

この状態の中で、子どもたちの心から、クラスの盛り上がりや友人との会話等々、日々のちょっとした楽しさの彩りの部分がほとんどなくなってしまい、勉強や課題がクローズアップされた世界だけが広がっているかに見える9月がやってきてしまったわけです。

FYI04259103.jpg

正論は禁物
子どもの気持ちを代弁する姿勢で

このようなしんどい時に正論は禁物です。
「しっかりしなさい」、「出遅れるわよ」、「やるしかないでしょっ!」と叱咤激励されても、気持ちが重くなるだけで元気にはなれないものです。相談室の私のところにくる子たちも、皆、すべきことはわかっています。やらなくちゃいけないけれど、やる気が出なくて困っていると言います。どんな風におうちの人に接してもらいたいのかを子どもたちに尋ねてみると、「そっとしておいてほしい」と皆、異口同音に言います。そうなのです。何か言われたくらいで元気が出るようなことではないと、わかっているのです。ましてや正論で叱られたら、しんどさはピークになってしまいます。

そうかと言って、調子が出ないのを見てわかっているのに、何も声をかけないのはモヤモヤしますよね。私のお勧めは、「〇〇だね」と子どものしんどさを親の側の状態として共感的な言葉にし、声をかけることです。
例えば、「調子が出ないわ~」とか、「なんだかだるいね~」などと保護者自身の感想を言うようにして声をかけていくのです。そうすることによって子どもは、自分だけじゃない、みんなそうだったんだという気持ちになれて、取り残され感が減っていきますし、自分は変じゃない、親から批判的に見られていないという感覚は安心感にもつながっていきます。言わば、子どもの気持ちを代弁してあげるような感じです。そして、子どもがのってくるようなら、「〇〇はどう?」とやり取りを広げていってください。そんな風にしながら、2週間くらい様子をみていってください。

特に気にかけるのは朝
朝の様子を見守りましょう

学校への不適応は、朝起きられないということから、目に見えてくることが多いので、朝の様子は注意深く見ていってください。たいていは2週間もすれば、徐々に軌道に乗っていくものです。それでも、朝起きられない等、不適応な様子が変わらないようであれば、学校ではどのように過ごしているのかと、まず担任の先生に相談してみましょう。万が一、聞きにくいような場合は、部活動の顧問の先生にうかがったり、スクールカウンセラーの先生に保護者が相談にいくこともおすすめです。子どもを見守り、サポートする気持ちや姿勢をもつ大人同士がつながっていけるとよいですね。


【アドバイス】
公認心理師・臨床心理士
高木紀子先生

2020紀子.jpg
フォーレカウンセリングセンター所属。中央大学・清泉女子大学非常勤講師。青山学院高等部、都立立川高校といった高校や小学校のスクールカウンセラーも勤め、中学校の巡回相談、園児から高校生までの保護者の相談も請け負う。共著に『親だからできる5つの家庭教育』(ほんの木出版)など。

お知らせ