【中学生の心とカラダ相談室】授業の本格再開、生活リズムや友達づくり、受験も心配・・・

心身ともに成長が著しい一方で、思春期・反抗期でもある中学生。複雑で繊細なこの時期の保護者の方の気がかりに対して専門家がアドバイス。今回は授業の本格的な再開にともない生じる気がかりを取り上げます。ぜひ、気がかり解消のヒントにしてください。

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Q.学校再開となりましたが、長期に及んだ家庭生活の影響が色々不安です。朝早く起きられるか、体力が落ちていて午後まで体力や集中力がもつか、同年代の子と会うのが久しぶりでお友達ができるのか。どう考えたらよいのでしょう? 授業の本格再開に向けて家庭でできることはありますか?


生活リズムは、「起きる時間の設定」で回復します

生活リズムが整わなくなったご家庭も少なからずあるでしょう。学校再開後は、とにかく、起きねばならない時間にぐいっと起きて、準備して登校するしかないですね。リズムが安定するまでは、身体的にきつく感じられたり、思わぬ時間に眠くなったりするかもしれません。でも、数週間程度で慣れていきますよ。ちょうど、海外に行って時差に苦しむようなものだと思ってください。時差ボケが何カ月も何年も続くことはないですよね。身体が慣れていくまでの数週間のうちは、とにかく起きる時間を固定して、「起きる」ことを頑張らせましょう。「眠くないのに早く寝る」というのは難しいですが、「眠いけど早く起きる」のは、つらいながらなんとかできるものです。そして、早く起きることを繰り返していると、自然としかるべき時間に眠くなって、リズムが前倒しに整ってきます。

体力、集中力は毎日の登校で自然と回復します

長期の自粛生活で、身体を動かす機会が極端に減ってしまったので、確かに大人も子どもも体力が落ちているのは否めないですね。でも、毎日学校まで登校することや、ちょっぴり緊張感をもって教室で座って授業を受けることで、徐々に体力は回復していきます。体力と連動して集中力も上がります。地域にもよりますが、学校も分散登校から始まり、半日ずつくらいから段階的に元のカリキュラムへと戻していくようです。その意味では、心配に思われる体力、集中力には、ウォーミングアップ期間があることになります。極端にしんどそうでない限り、そっと見守っていけば大丈夫でしょう。

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時期は違っても新学期として友達づくりが始まります

 学校の再開がちょうど年度をまたぐ形となってしまったので、学校再開は、子どもたちには友達づくりの意味ももちますね。新一年生であれば、新生活への戸惑いとコロナ明けの戸惑いで友達作りはより不安に感じられるかもしれません。新2、3年生であっても、また友達作りに困ったことのないタイプであっても、久々の学校生活再開でドキドキしながらの登校になっているはずと理解しておいてあげたいですね。因みに、社会心理学によると、「不安は親密性を高める」そうです。つまり、みんなが不安なこの時期は、人と人は繋がりやすい状況にあります。その意味では、意外にも、今は友達づくりには追い風が吹いているということになります。

受験も同様で、みんな同じ条件なので大丈夫!

 新中3生は、受験勉強できる日々が目減りしてしまい、焦ってしまうこともあるかもしれません。でも、思い出してください。自分一人だけ、数カ月を失くしてしまったわけではないですよね。学年や地域、皆同じ条件なのです。仮に、毎日登校していても、もう7月!とか、もう期末試験!等々、受験生は焦っていることと思います。焦るのは向上心があるから。焦りを、頑張るエネルギーに変えて、「今を頑張る」ように応援していきたいですね。

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共感しながら悠然と見守る親でいましょう

 実は親も不安なので、不安がっている子を見ると、「やるしかないでしょ!」とか、「ごちゃごちゃ言っても何もならないでしょう!?」と正論を言って不安をかき消したくなるかもしれません。実はこれは、親が自分自身に言い聞かせているのですね。不安がる子どもを叱っても正論を言っても、子どもの不安は払拭されませんし、状況はよくなりません。「そうだよね、不安だよね」と共感しながら、「大丈夫だよ、みんな同じだよ」と悠然としていてください。親の悠然とした様子は子どもに安心感をもたらします。親が落ち着いていると、子どもの不安も小さくなっていくのです。来年の今ごろは「大変な時に受験生だったけど、よく頑張ったねえ」と言っていることをイメージしながら、今を乗り切っていきましょう。


【アドバイス】
公認心理師・臨床心理士
高木紀子先生
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フォーレカウンセリングセンター所属。中央大学・清泉女子大学非常勤講師。青山学院高等部、都立立川高校といった高校や小学校のスクールカウンセラーも勤め、中学校の巡回相談、園児から高校生までの保護者の相談も請け負う。共著に『親だからできる5つの家庭教育』(ほんの木出版)など。

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