【中学生のココロとカラダ相談室】子ども同士での遠出や男女交際、どうしていますか?

心身ともに成長が著しい一方で、思春期・反抗期でもある中学生。複雑で繊細なこの時期の保護者の方の気がかりに対して専門家がアドバイス。今回は子ども同士での外出や男女交際についてアドバイスをいただきました。ぜひ、気がかり解消のヒントにしてください。

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Q.夏休みの思い出づくりに子どもたちだけで遊園地に行きたいなどと言いだしています。子どもだけで行かせてよいものでしょうか?

良いチャンスですので、ぜひ、子どもと対話をしてください。どんな結論に達するとしても対話そのものに意味があります

親離れし、何でも自分でできるような気持ちも育ってきた頃、子どもだけで〇〇に行きたい、したいと言い出すことはあるものです。それ自体は成長の証ですし、そう言い合えるお友達ができたことも嬉しいことではありますね。しかし、基本的には商業施設ですし、一日でたくさんのお金を使うことになります。だからといって「遊園地はダメ」と瞬時に決めつけたら、たちまち子どもの機嫌は悪くなり気持ちの親離れが進んでしまいます。

頭ごなしの押しつけはNG
大切なのは心を傾けて「聴く」こと

ここで大切なのは、頭ごなしに結論を押しつけるのではなく、まずは穏やかに子どもの希望を聴くことです。「聞く」ではなく、「聴く」のです。心を傾けて聴くことです。
・なぜ遊園地に行きたいのか
・そのメンバーで行きたいのはどういうわけなのか
・なぜこの時期なのか
などを聴きましょう。

しっかり聴いた上で、遊園地ではなく公園ではダメなのか、子どもだけではなく大人が付いていくのはどうなのかなど、対話ができるとよいですね。対話を通して、親は「しっかり話を聴いてくれる存在」になれます。もちろん、心配なことは心配だと伝えて、子どもの希望との折り合い点が見つかるとよいですね。「遊園地じゃなくて公園にしなさいよ」と決めつけられるのは、子どもにとっては押しつけられた感があり、納得がいかないものです。例えば、「夏の思い出作りにみんなで行きたかった」という気持ちを聴いた上で、「遊園地はお金がかかるから、お金のかからないところに行く計画に変えられない?」などと心配なことを伝えていきます。これが対話です。

親の意向を受けて、子どもは仲間と相談し、場所の変更などの代替案を考えたり、そこに行くメリットを親に訴えたりするのは、子どもにとってちょっとしたディベートや企画のプレゼンテーションのような経験になっていきます。

子どもたちの提案を許すか許さないかの二択ではなく、譲歩したり、条件付きにしたりしながら、改めて何のためにこの企画があるのかを問い直してもらうこと、良い意味で自己主張してもらうことに意味があります。

子どもが、仲間同士でやり取りしている期間に、親も親同士でやり取りして、どういうことなら許せるのかというラインを確認しておけるとよいですね。家庭によって何を良しとするかは微妙に違うものです。大きなルールとして、「OKのラインが家庭によって異なる時には一番慎重な家庭に合わせる」ということを共通理解にしておきたいところです。まだ中学生ですし、冒険は子どもたちだけの時にさせないことが大切です。

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Q.どうやら、うちの子に付き合っている相手がいるみたいです。成長を感じながらも心配になってしまいます。親としてどう、子どもに釘を刺したり、話を聴いたりすればよいのでしょうか?

嬉しい気持ちを共有し、見守る姿勢でいましょう。一度は恋愛について親子でオープンに話をしてみることをお勧めします

それは嬉しくも気になることですね。中学生で男女交際なんてと思う保護者の方もいらっしゃるでしょうが、現代では、中学生の5人に1人がデートをしたことがあるという統計もあるほどで、さほど特別なことではないのです。まだまだ子どもだと思っていたわが子に男女交際なんてと気になって、どんな相手なのか、どんなお付き合いをしているのかとあれこれ聞きだしたくなることと思います。

実は、それまでの親子関係や、「付き合う」ということについての考えの共有ができているかということによっても、どの程度子どもが親に話してくれるかが変わってきます。その意味では、「あら、うちは全然だわ」と思いながらこれを読んでくださっている方、今のうちに親子の語らいを大事にしておいてください。

いずれにしても情報をキャッチしたらまず、「あら、よかったね」「嬉しいことだね」と喜んであげましょう。「え?」と眉をしかめたりしたら、もう二度と話してくれなくなるものと思ってください。それから、付き合っていることを材料にした声かけもいけません。「そんなことじゃ、〇〇くん/さんががっかりするよ」のような言い方や、「幸せボケだね」のような言い方はしないように気を付けましょう。

大切に思う人がいて、その人が嬉しいと思うことをしてあげたいと思うことや、その相手に見合う自分になるように頑張ることができるような、そんな気持ちを育んでいけるように見守ってあげたいですね。
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肯定的に受けとめたうえで
相手を大切にするという観点から話をする

また、性的なことも保護者としては心配になってくるでしょう。カップルになっていることを肯定的に受けとめた上で、中学生らしいお付き合いについて、相手を大切にするという観点から話をしたり、一度「そういう関係」になると後戻りができなくなることなどについて話をしたりできるのがよいです。

口うるさく禁止事項を告げるような言い方ではなく、「もう子どもじゃないから」「あなたを信頼しているから」この話ができるのだというスタンスで話してみてください。そして、一度、親も一緒に食事に行くとか、買い物に行くなどの機会を作ってオープンに付き合えるようにもっていけるとよいですね。



【アドバイス】
公認心理師・臨床心理士
高木紀子先生

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フォーレカウンセリングセンター所属。中央大学・清泉女子大学非常勤講師。青山学院高等部、都立立川高校といった高校や小学校のスクールカウンセラーも勤め、中学校の巡回相談、園児から高校生までの保護者の相談も請け負う。共著に『親だからできる5つの家庭教育』(ほんの木出版)など。

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