サポートに取り組む方々のインタビュー

団体・企業から 発達障がいがある子どもとその保護者を支えるカウンセリングオフィス 第1回

横浜市を中心に「児童発達支援」「放課後等デイサービス」「保育所等訪問支援」などに取り組むNPO法人アントワープカウンセリングオフィス。幼児から18歳までの発達障がいのある子どもたちとその保護者への支援を行っています。代表理事である野中友美さんに、活動内容についてお話を伺いました。

  

野中友美さん
特定非営利活動法人 アントワープカウンセリングオフィス 代表理事 のなか ともみ 野中友美さん →プロフィール
アントワープカウンセリングオフィス(以下、ACO)は、どのような施設ですか。
アントワープカウンセリングオフィス(以下、ACO)は、どのような施設ですか。" 主に発達障がい児とその保護者を支援する活動をしています。中心となる事業は、児童福祉法を根拠とする児童発達支援、放課後等デイサービスの障害児通所支援事業と保育所等訪問支援の訪問巡回、カウンセリング事業の4つです。

私たちの施設の特徴は大きく3つあります。1つ目は、幼児から社会人までさまざまな年齢に応じたプログラムを用意し、継続的な支援をしていることです。具体的には、未就学児の療育、小学生から中学校、高校生のソーシャルスキルトレーニングやコグトレ(認知作業トレーニング(COGOT) 認知機能強化トレーニング(COGET) 認知ソーシャルトレーニング(COGST)、学習支援、カウンセリングや心理療法を用いて個別面接や就学相談や就労移行指導などを行っています。子どもたちが社会のなかで居場所を見つけ、就労して自立するまでをゴールに設定し、本人やご家族が「支援がなくてももう大丈夫」と思える時がくるまで、サポートしていきます。

2つ目は、臨床心理士のほか、児童発達支援管理責任者、保育士、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士などの資格をもった専門家が在籍しており、臨床心理士は中級コグトレ・トレーナーも取得し、子どもに合った支援を包括的に提供することができることです。例えば、未就学児の療育では、TEACCH(Treatment and Education of Autistic and Communication handicapped CHildren:自閉症等コミュニケーションに障がいのある子供たちやその家族への包括的対策プログラム)やABA(Applied Behavior Analysis:応用行動分析学)などを学んだスタッフが、子どもの細かな行動を把握し、一人ひとりに適した療育を行います。療育に使用する教材は手作りのものが中心で、その子の状況に合わせて部屋のセッティングも変えています。

3つ目は、一軒家を使った施設だということです。住宅にある一軒家の教室なので、相談にいらした子どもや保護者がリラックスして時間を過ごせるようにレイアウトやインテリアも工夫しています。放課後教室では、「ただいま」「おかえりなさい」の挨拶が交わされ、家に帰る雰囲気や知り合いを訪ねるような気持ちでいらしてくださることを期待しています。
保護者支援に力を入れているのはなぜですか。また、そこで大切にしていることはどのようなことですか?
保護者支援に力を入れているのはなぜですか。また、そこで大切にしていることはどのようなことですか?" 発達障がいの子どもを持つ保護者は、一人で悩みを抱えやすい傾向にあり、うつ病を発症するリスクが高いというデータがあります。また、大学病院や子ども家庭支援センター、療育センターなど様々な専門機関で働いてきましたが、子どもを一番近くで支える保護者の抱える不安や悩みを解決しなければ、いくら専門家が子どもに働きかけても十分な支援ができないと感じたからです。我が子の育てにくさを感じているものの、障がいという事実を受け止めることはそう簡単なことではありません。また、自らSOSを出すのが苦手だったりする方も多いと感じています。

そこでACOでは、カウンセリング経験の豊富なスタッフが、保護者のお話をじっくり伺うことからスタートしています。まず、どんな瞬間に育てにくさを感じるのか、具体的なエピソードを伺います。そうしたエピソードの背景にある子どもの特性を把握し、適切な対応策を保護者の方と話し合いながら方向性を見出させていただきます。必要時は、保護者の方にペアレントトレーニングを実施することもあります。例えば、子どもの困った行動が出たときに、保護者が接し方や声かけを少し工夫することで行動が収まり、保護者は怒りをヒートアップせずに済み、子どもは何度も怒られないため自信を失わずに済むことがあります。ただ、自分の行動を一人で見直すのはなかなか難しいものです。ぜひ、専門家の力を借りてほしいと思います。
横浜市の認可を受け保育所等訪問支援もスタートしたそうですが、具体的にはどのような支援をしていますか?
横浜市の認可を受け保育所等訪問支援もスタートしたそうですが、具体的にはどのような支援をしていますか?" 保育所等訪問支援は児童福祉法に基づく障がい児通所支援事業の一つです。具体的には、「落ち着きがなくお友だちとうまく遊べない」「コミュニケーションがとりにくい」などの困りごとがある子どもの通う保育園や幼稚園、小学校等を障がい児支援に関する専門的な知識・技術を有するスタッフが訪問して、子どもが落ち着いて集団生活を送れるように支援を行い、訪問先の先生に子どもの発達特性に合わせた配慮についてアドバイスをさせていただきます。

例えば、衝動性が強く友だちに手を出してしまう小学校1年生の保護者から相談を受けたケースを紹介します。その子の通う小学校を専門スタッフが訪問し、学校での様子を拝見させていただき、担任の先生も含めて話し合いを進め、支援策を提案させていただきました。

このように家庭・学校、専門スタッフが協力し合うことで、子どもにとってよりよいサポートができるはずです。この保育所等訪問支援は、訪問先施設からではなく保護者からの依頼に基づく事業です。保育所、幼稚園や各学校で問題行動があり解決困難な場合は、お住まい自治体の子ども家庭支援課など、障害児通所支援受給者証を取得できる行政機関にご相談下さい。
保護者向けの支援プログラムの様子についてご紹介します。