パニックを引き起こす原因は子どもによって異なりますが、感覚過敏にかかわる原因(例:触られることが嫌いなのに触られる)、特有のこだわりにかかわる原因(例:続けたい活動の中断を求められる)、興奮した気持ちのコントロールが出来ないことにかかわる原因、体調不良にかかわる原因、などがあります。パニックの現れ方もさまざまで、大声で泣き叫ぶ、その場から走り去るなどのほか、自分の頭を壁に打ちつける、腕をかむなどの自傷行為をすることもあります。思春期になると、自分を理解してくれない他者に攻撃的になることもあります。
パニックは子どもが故意に起こすものではなく、耐えきれない苦しみを感じて自身をコントロールできなくなって引き起こされてしまうものであり、子ども自身が一番つらい思いをするものです。パニックを繰り返していると子どもの精神状態は不安定になり、パニックを起こしやすい悪循環となります。パニックへの対応は、「パニックが起きたら対処をする」のではなく、「パニックが起こる状況を見極め、そのような状況を前もって避ける(回避する)という意識で考えることが大切です。