こんなときは?保護者のかたへのアドバイス

その他 生活 地域や親せきの人の理解・支援を得るために

地域や親戚の人には、必ずしも子どもの障害名などを伝える必要はありません。ただし、子どもの行動特性や性質、接し方などを伝えて協力を求めることができれば、子育ての支援の輪を広げていくことが出来ます。

榊原洋一先生
教える人
お茶の水女子大学副学長、ベネッセ教育総合研究所顧問、CRN所長 榊原洋一先生
医学博士。東京大学医学部卒 小児科医。お茶の水女子大学副学長。ベネッセ教育総合研究所顧問。「子ども学」の研究のため(株)ベネッセコーポレーションの支援のもと設立されたCRN(チャイルド・リサーチ・ネット)所長。日本子ども学会副理事長。専門は小児神経学、発達神経学、特に注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群などの発達障害の臨床と脳科学。主な著書:「多動性障害児」(講談社+α新書)、「アスペルガー症候群と学習障害」(講談社+α新書)、「ADHDの医学」(学研)など。
必要に応じて、子どもの特性を周囲に伝える

子どもの発達障害について、地域や親戚の人たちに対しては、必ずしもあらかじめ全員に伝える必要はありません。ただし、子どもの行動によって迷惑をかけてしまいそうな時や、トラブルが生じてしまいそうな時には、それが発達障害による特性によるものであることを説明することで不要な誤解などを防げる場合もあります。加えて、子どもの特性について周囲の大人に理解してもらうことは、より多くの大人に見守り、支援をしてもらうことにもつながります。地域の人が子どもの特性について理解をしてくれていれば、街中で子どもが困っている時などに助けてもらえることもあるでしょう。子どもの特性や気を付けてほしいことを伝えておけば、周囲の人も安心して子どもに接することができますし、保護者が子どもと一緒にいない時でも、誰かが様子を保護者に知らせてくれるかもしれません。発達障害のことを知らない人にも理解を広げていくことは、多くの人にかかわり支援をしてもらえる環境づくりでもあるのです。

障害についての伝え方のポイント

1:障害名ではなく「性質」として伝える 障害について伝える際には、「発達障害」や「ADHD」などの障害名を出す必要はありません。障害に関する正しい知識を持っていない人に「障害がある」と安易に伝えてしまうと、偏見や差別が生じてしまう恐れもあるからです。「落ち着いていることができない」「何かに夢中になると他のことを忘れてしまう」など、性格や性質の特徴を伝えて理解をしてもらうのがよいでしょう。

障害についての伝え方のポイント 2:子どもと接する時の留意点を具体的に伝える 日常生活において、保護者以外にも子どもを指導、支援してくれる大人がいることは大きな助けになります。ただし、どのように子どもに接すればよいかが分からず、支援をしたくても躊躇(ちゅうちょ)をしてしまう人も多いでしょう。「間接的な言い方では理解できないので、具体的にどうすればよいかを伝えてください」「触られるのは嫌がるので、手などを引っ張らないようにお願いします」などという留意点とともに、「高いところに登りたがる傾向があるので、見つけたら注意をしてもらえると助かります」などとお願いをしておけば、周囲の大人も安心して子どもにかかわり、社会的なルールやマナーについても指導をしてもらえる機会が増えるかもしれません。周囲の大人とともに子どもを育てていく環境は、子どもが社会に適応していく上でも大きなプラスになるはずです。