こんなときは?保護者のかたへのアドバイス

家庭 生活 「かんしゃく・パニック」についての家族ルールを

発達障害のある子どもは、自分の思い通りにならない時や、予想外の事態に戸惑ったり、驚いたりしたときなどに、他の子どもに比べて激しくかんしゃく・パニックを起こすことがあります。家庭内でルールを定めて対応していくことで、次第に子どもが徐々にかんしゃく・パニックを我慢したり、コントロールしたりできるようになります。

榊原洋一先生
教える人
お茶の水女子大学副学長、ベネッセ教育総合研究所顧問、CRN所長 榊原洋一先生
医学博士。東京大学医学部卒 小児科医。お茶の水女子大学副学長。ベネッセ教育総合研究所顧問。「子ども学」の研究のため(株)ベネッセコーポレーションの支援のもと設立されたCRN(チャイルド・リサーチ・ネット)所長。日本子ども学会副理事長。専門は小児神経学、発達神経学、特に注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群などの発達障害の臨床と脳科学。主な著書:「多動性障害児」(講談社+α新書)、「アスペルガー症候群と学習障害」(講談社+α新書)、「ADHDの医学」(学研)など。
「かんしゃく・パニックで要求は通らない」を理解させる

発達障害の有無にかかわらず、子どもは自分の願いを聞いてほしい時などに、わがままを言うものです。ただ、発達障害のある子どもの場合は、自分の要求が通らずに不満や怒りの気持ちが抑えられない時に、親しくない相手に対してもひどいかんしゃく・パニックを起こしたり、一度かんしゃく・パニックを起こすとなかなか気持ちを落ち着かせられなかったりすることがあります。

かんしゃく・パニックへの対応としては、まず「かんしゃく・パニックを起こさない」ということを家族のルールとして決めておくことが大切です。「かんしゃく・パニックを起こしても親は言うことをきかない」ということを子どもにもあらかじめ伝えておき、かんしゃく・パニックを起こした際にもそのルールに基づいて冷静に対応することで、次第に子どもがかんしゃく・パニックを抑えられるようになっていきます。

「かんしゃく・パニック」への対応のポイント

「かんしゃく・パニック」への対応のポイント 1:兄弟も含めて同じルールを共有する 日ごろから、「自分の思い通りにならない時でも、かんしゃく・パニックを起こさない。かんしゃく・パニックを起こしても親は要求には応じない」ということを家族のルールとして決めておきます。かんしゃく・パニックを起こした際に、友だちなど周囲の人を非難したり叩いたりする傾向のある子どもには、「自分が気に入らないからといって周りの人を叩かない」など、より具体的にルール化して子どもにも理解、納得させておくこともよいでしょう。兄弟がいる場合は、兄弟にも同じルールを適用して、「家族のルール」として全員で共有します。

2:かんしゃく・パニックが起こったら、ルールに従い無視する 平常時にはルールとして納得している子どもも、不満や怒りが抑えられなくなってしまうと、ルールを忘れたりルールに従えなかったりして、かんしゃく・パニックを起こしてしまうことがあります。かんしゃく・パニックを起こした際には、周囲の人に迷惑をかけないように子どもをひとりにさせて興奮がおさまるのを待ちながら、ルールに従って一切要求には従わないという姿勢を貫きます。床にひっくり返って泣きわめくなどの保護者の関心を引こうとする行動が見えた時には、叱るよりも無視することが有効です。

「かんしゃく・パニック」への対応のポイント 3:子どもの努力を大いにほめる かんしゃく・パニックを起こした後に、子どもが自らかんしゃく・パニックを鎮められた時や、かんしゃく・パニックを起こす前に我慢できた場合には、「約束を守って我慢できたね。えらいね」としっかりとほめてあげてください。ルールを設定しても、初めはかんしゃく・パニックを起こしてしまうことが何度もあるかもしれません。しかし、その都度、ルールについて再度確認し、「次は頑張ろう」と伝えたり、少しずつ改善されている点をほめたりしていれば、子どもは次第にかんしゃく・パニックを自制できるようになっていきます。