こんなときは?保護者のかたへのアドバイス

生活 取り組みやすい工夫で片付けを習慣に

ADHDのある子どもは、部屋の片付けが苦手です。しかし落ち着いて活動に集中するためにも、整理整頓された空間を保つことは大切です。子どもが片づけをしやすくなる工夫を取り入れて、整理整頓の習慣化にチャレンジしてみてください。

榊原洋一先生
教える人
お茶の水女子大学副学長、ベネッセ教育総合研究所顧問、CRN所長 榊原洋一先生
医学博士。東京大学医学部卒 小児科医。お茶の水女子大学副学長。ベネッセ教育総合研究所顧問。「子ども学」の研究のため(株)ベネッセコーポレーションの支援のもと設立されたCRN(チャイルド・リサーチ・ネット)所長。日本子ども学会副理事長。専門は小児神経学、発達神経学、特に注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群などの発達障害の臨床と脳科学。主な著書:「多動性障害児」(講談社+α新書)、「アスペルガー症候群と学習障害」(講談社+α新書)、「ADHDの医学」(学研)など。
整理整頓された部屋はこころの安定にもつながる

ADHDのある子どもの部屋は散らかりやすい傾向があります。忘れっぽい特性があるために、物を出した後の活動に意識が向いて出したものを片づけることを忘れてしまったり、出したものをどこから持ち出したのかを思い出せなかったりすることがあるからです。

しかし、散らかっている子ども部屋では物がなくなりやすく、必要な物も見つけにくくなります。また、情報の取捨選択がうまくできない特性を持つ子どもにとっては、部屋に散乱している多くの視覚情報にさらされることにもなり、精神的な不安定さや活動に集中できないという弊害ももたらします。「部屋がきれいだと気分がいいね」と話をして、整理整頓をした方が過ごしやすい状態になることを子どもと一緒に確認した上で、子どもが苦手な部分を補えるような片づけしやすい工夫をするとより効果的です。

片づけの習慣化につながる工夫

片づけの習慣化につながる工夫 1:絵やマークで物の置き場所を決める 発達障害のある子は、出したものをどこに片付けたらよいのか分からず、片づけられないという場合もあります。物の置き場所を決めておくことに加え、その場所を忘れてしまっても探せるように、棚や引き出しに絵や文字などでマークをつけておくことは有効です。自分にとって分かりやすかったり、愛着がわいたりするように、子どもと一緒に片づけ場所を決めたり、子どもがマークを描いたりすることもよいでしょう。

片づけの習慣化につながる工夫 2:仕切りや箱を活用して収納しやすくする 収納場所が大きすぎると、その中で物が雑然としてしまうことがあります。タンスや引き出しの中に仕切りをつけたり、小箱を利用したりすると、小物なども整然と収納できるようになります。ただし、あまりに細かい指定をすると負担が大きくなりすぎるので、タオルであれば種類が違っても同じ場所に入れるなど、ある程度の分類として片づけやすい整理の仕方にします。

3:最初は保護者が手伝い、片づけられたらほめる 最初は、散らかった部屋を子どもがひとりで片付けるのは難しいので、保護者の方が手伝うとよいでしょう。散らかりすぎた部屋は、片づけるのに時間がかかり子どもの意欲が低下することにもつながるので、簡単な片づけを定期的に一緒にするようにして子どもが慣れるようにしていきます。片づけの仕方が分かってきたら、徐々に手伝う度合いを減らしていき、最終的には自分だけでできることを目指します。片づけが上手にできた時や、自主性が見て取れた時には存分にほめてださい。