こんなときは?保護者のかたへのアドバイス

家庭 生活 「できた!」達成感を味わいながらステップアップさせる

発達障害をもつ子どもは、勉強や身の回りのことをひとりでやるのが苦手な場合があります。保護者がタイミング良く手伝うことで、「できた!」「もっとやりたい!」というやる気を抱かせることが重要です。

榊原洋一先生
教える人
お茶の水女子大学大学院教授、ベネッセ教育総合研究所顧問、CRN所長 榊原洋一先生
医学博士。東京大学医学部卒 小児科医。お茶の水女子大学大学院教授。ベネッセ教育総合研究所顧問。「子ども学」の研究のため(株)ベネッセコーポレーションの支援のもと設立されたCRN(チャイルド・リサーチ・ネット)所長。日本子ども学会副理事長。専門は小児神経学、発達神経学、特に注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群などの発達障害の臨床と脳科学。主な著書:「多動性障害児」(講談社+α新書)、「アスペルガー症候群と学習障害」(講談社+α新書)、「ADHDの医学」(学研)など。
保護者の手助けは不可欠!でも手伝い過ぎにも気を付けて

宿題などの学習面、そして着替えや片付けなどの生活面で、保護者のサポートが必要な場面は少なくありません。そのときに大切なのは、自分の力でできるところまで子どもだけでやらせることです。

発達障害の有無にかかわらず、子どもは「自分でできた!」という達成感を味わうことで「もっとやってみよう!」という意欲を持ちます。常に保護者が手伝っていると、そうした意欲が生まれにくくなってしまいます。子どもから「どうすればいいの?」「うまくできない!」などサポートを求めるサインが出されたときに、タイミングよく支援することが大切です。

子どもの自立を促すサポートのポイント

子どもの自立を促すサポートのポイント 1:子どもの負担を減らす手伝いはOK すべてを保護者がやってしまうのは避けたいですが、かといって子どもが自力だけでやることにこだわる必要はありません。宿題に時間がかかる場合は、保護者が一緒に問題を読んであげるなど、子どもの負担感が軽減するように手伝ってあげるとよいでしょう。そして、子どもができた部分はしっかりとほめてあげてください。

子どもの自立を促すサポートのポイント 2:スモールステップを心がける 子どもが苦手なことに取り組むときには、いきなり最終目標を達成しようとせずに、段階的に小さな到達目標を設定する「スモールステップ」の考え方が有効です。全部食べられないときは1口だけ、30分座っていられないときは5分だけ…といった考え方です。全部できなくても、少しでもできたらOKとし、次はさらにもう少しできるようになることをめざします。次のステップになかなか進めないときは、間にさらに小さなステップを設定するようにします。もちろん子どもが手伝いを必要とするときは、保護者がサポートして構いません。

子どもの自立を促すサポートのポイント 3:小さなステップができなくても焦らない 小さなステップを設定しても、それでもなかなかできなかったり、できていたはずのことができなくなったりすることもあります。こうしたことは、発達障害の有無にかかわらず、子どもの成長過程において珍しいことではありません。そんなとき、保護者が焦ってしかったり責めたりすれば、子どもはかえって萎縮し、次のステップに進めなくなり、保護者はさらに焦る…ということになりかねません。子どもの成長を願う保護者の気持ちは十分に理解できますが、どうか「いつかできるようになる」と焦らずに子どもの成長を待っていただきたいと思います。そのうえで、よりよいスモールステップの設定のしかたがないかどうか、教育や福祉の専門家にもアドバイスを求めてみてはいかがでしょうか。