公益財団法人ベネッセこども基金

プログラム活用事例

防犯 【中野区立若宮児童館、中野区立若宮小学校PTA共催】安全教育と季節イベントの楽しみが一緒になった"セイフティ・ハロウィン"行進!

中野区立若宮児童館、中野区立若宮小学校

子どもの安心・安全を守る活動

 10月21日水曜日。子どもの安全教育とハロウィンを合体させたイベント「セイフティ・ハロウィン」が、中野区立若宮児童館と中野区立若宮小学校PTA共催、安全指導を行う武田信彦さん(安全インストラクター・「うさぎママのパトロール教室」主宰)と劇団「青年団」の協力のもと、開催されました。同イベントは2008年にスタート。7回目となる今年は、若宮小学校区の子ども約70人が参加しました。

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■最初に寸劇形式で子どもを惹きつけながら安全セミナーを開催

 放課後の体育館に集まった児童たちが魔女やピーターパン、海賊やお姫様などに着替えたら、中世の王国の王族や大臣に装した大人たちによる演劇がスタート。
 王女が「この近くに普通の大人の格好をした妖精が子どもを誘惑して困っている」と不安げに話すと、安全に詳しい隣国の大臣が現れ、子どもたちに自分で自分の安全を守る方法について教えます。

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 「街の中で人と 話す時には、急に触られないぐらい離れる」、「誘われてもついていかない」、「食べ物などを貰わない 」など具体的にレクチャー。新聞紙を丸めて作った人の手が届かない長さの「魔法の棒」を授けたら、いよいよ子どもたちは6つの班にわかれ、街に出かけます。

■街なかに仕掛けられた声がけに「断る」練習

 子どもたちが歩くルートには 劇団による仕掛けがあります。待機した俳優のみなさんが普通の大人のふりをして子どもたちに近寄り、
 「ねぇねぇ、すごく可愛い髪飾りしているね。今日ハロウィンだもんね。見せて見せて」
 「若宮小学校って場所知っている?おばさんこれから行かないといけないから、連れていってくれないかな」
 「今日クッキー焼いたんだけど作りすぎちゃったから、うちに来て食べない?」などと、
言葉巧みに近づこう としたり、誘い出そうとします。

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 突然の出来事に子ども達が戸惑っていると、引率のPTAの保護者が魔法の棒を差し出して「どうするんだっけ」と小声で言い、体育館で教わったことを思い出させます。我に返った子どもたちは、触られない距離を取り、小学校までの道のりを簡単に告げて 、クッキーの誘いは「これから行く所があるので」ときっぱり 断って先に進みます。

 セイフティ・ハロウィンの監修・安全指導を行う「うさぎママのパトロール教室」主宰の武田信彦さんは、
 「地域の安全力を高めるためには、子どもたち自身も「自分を守る」意識をもつことが必要です。写真を撮られる、触られそうになるなどちょっと不安なことってどこの地域でも起こり得ることです。その一方で、見守ってくれる地域のみなさんもいて、その方たちとの繋がりも大切。ですからいわゆる"不審者訓練"のような人を拒絶することだけに偏らず、人との適度な接し方や、SOSを伝えるコミュニケーション能力を身に着けないといけない。そのコツを体験をとおしてみつけてもらうためのプログラムです」 と説明します。

■ハロウィンを楽しみながら「子ども110番の家」への駆け込み訓練

 次に向かうのは町内に点在する「子ども110番の家」。子どもが不安を感じたときなど、緊急時に駆け込める家です。呼び鈴を押し、家の人に何があったのかを聞かれ、ちゃんと報告ができたら、お菓子を貰います。

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 「110番の家はこの地域に以前からありましたが、110番の家の存在を知らなかったり、場所を知らない児童が多く、知っていても 呼び鈴を押せなかったり、ほとんど利用されていなかったんですね。セイフティ・ハロウィンでは、子どもにとっては呼び鈴を押して駆け込むという練習になり、110番の家の人にとっても訪ねてきた子どもを受け入れる練習になります。さらに、このイベントを通じて地域の子どもと大人が顔見知りになることがとても大事。地域の防犯に繋がります」と、若宮児童館の篠原館長は言います。

 110番の家を6軒回り、袋いっぱいのお菓子を貰ったら、体育館に戻ってふりかえりを行います 。先ほど街なかで声をかけてきた俳優のみなさんが待っていて子どもの前でしっかり種明かしをし、 子どもたちの対応の良かったところを褒め、子どもたちはその日の感想を模造紙に書き込みました。

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 最後はハロウィンパーティーらしく、歌に合わせてみんなでダンス。大合唱で終わりました。

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 子どもたちの安全力向上、子どもたちと地域の安全をとおした絆づくり、そしてハロウィンの楽しみが合体したセイフティ・ハロウィン。今後、多くの地域に広がっていくことが期待されます。

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