公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

【助成先訪問】認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト運営の「横浜こどもホスピス~うみとそらのおうち」を訪問しました!

認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト

病気・障がいを抱える子どもの学び支援

2022年度「重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成」の助成団体である、認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトが運営する、「横浜こどもホスピス~うみとそらのおうち」を訪問しました。

横浜こどもホスピス~うみとそらのおうちとは こどもホスピスとは 「地域」とのつながり うみとそらのおうちが目指すもの 開設からの利用状況 本事業の取り組みについて

横浜こどもホスピス~うみとそらのおうちとは

重い病気の治療や療養生活を送るLTC※1の子どもと家族が安心して過ごすことのできる「第2のわが家」として、横浜市金沢区に2021年11月に民間のこどもホスピスとしては国内2カ所目としてオープンしました。
※1LTC (Life-threatening condition)とは、早期の死を免れることが困難な病気の総称。医療の進歩に伴い、日本には現在約2万人のLTCの子どもたちがいると推計されています。

認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクトサイト

こどもホスピスとは

ホスピスと聞くと終末期ケアをイメージされる方も多いと思いますが、「こどもホスピス」は、生きることを諦めて死を看取るための場所ではありません。
入院や治療により、遊ぶ・学ぶ・家族と過ごすなどを諦めてきた子どもたちの希望を叶え、家族とともに楽しい思い出をつくることができる生きるための場所です。

見学者に配布されるパンフレット

「地域」とのつながり

訪問時、入り江にかかる橋を渡っていると、大型のブランコに揺られて楽しそうに笑っている数人の子どもたちの声が、横浜こどもホスピス~うみとそらのおうちのお庭から聞こえてきました。地域にオープンなお庭で、近くに住む子どもや保護者、小学生がよく遊びにくるのだそうです。色とりどりのお花が咲いており園芸ボランティア さんがお世話をしているそうです。地元のお年寄りのお散歩コースにもなっているなど、地域の方が自然に集まってくる居場所となっています。

入り江にかかる橋から見える「うみとそらのおうち」
お庭にあるブランコ「フレディ」

うみとそらのおうちが目指すもの

「おうち」は2階建てです。1階は、広々としたホールを中心に、子どもや車いすの方の使い勝手がよい低めの流し台があるキッチンや車いすのまま利用できる広々とした南向きのトイレなどがあります。

1階みんなのホール(よしえホール)寄附者石川好枝さんのお名前がついたホール

2階は家族みんなで横になれる大きなベッドがある部屋や家族みんなで入れる大きなお風呂があります。室内と浴室を移動できるリフトレールがあり、部屋からそのまま浴槽に入ることが可能です。きょうだいも一緒に水遊びができたり、壁一面に海の生き物の映像を流すことで海に来た雰囲気を味わえたり、家族と一緒にお風呂の枠を超えた体験をすることができます。

お風呂 壁にはスマホからの映像が投影できる

開設からの利用状況

現在、約10家族が登録し、ご利用されています。要望をヒアリングし、一人ひとりの子どもやご家族に寄り添った支援方法を検討されています。
一人ひとりの子どもの「やりたい」を叶えるために、ご家族と共にスタッフの皆さんが全力で支援されている様子が伝わりました。

本事業の取り組みについて

LTCの子どもや家族の心理的、社会的孤立の軽減に向けて、
① 乳幼児期のLTCの子どもの教育・保育における地域の現状と課題の共有
② 乳幼児期のLTCの子どものインクルーシブ教育・保育の推進と橋渡し支援モデルづくりを、本助成を活用して実行いただきます。

まずは、同じ市内で活動されている団体様とのネットワークづくりなどに取り組まれるとのことです。
ベネッセこども基金としても他の助成団体様との交流会などを企画して、情報交換の機会を提供するなど、事業が加速できる応援をしていきたいと思います。

認定NPO法人横浜こどもホスピスプロジェクト

代表理事

田川 尚登 さん

6歳の次女を亡くしたことがきっかけとなり、小児医療現場の環境改善に役立つ活動を始める。2005年より建設費用の寄付を募り神奈川県立こども医療センター近くに患者家族滞在施設リラのいえを開設。活動中に英国から世界に広がっているこどもホスピスの存在を知る。2013年に看護師からの遺贈をきっかけに建設資金を集め、2021年11月に「横浜こどもホスピス~うみとそらのおうち」が完成し運営が始まる。

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