公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

人吉・八代豪雨災害文化支援事業~子どもたちに舞台を届けたい!

特定非営利活動法人熊本県子ども劇場連絡会

中島 久美子

被災した子どもの学びや育ちの支援活動助成

「令和2年7月豪雨」で被災した子どもの学びや育ちの支援活動助成 活動報告

団体名
特定非営利活動法人熊本県子ども劇場連絡会 
事業名
人吉・八代豪雨災害文化支援事業~子どもたちに舞台を届けたい!~

支援地域/活動期間 災害時の状況や支援対象者の様子 支援の内容・方法・成果 今後の課題および展望

支援地域/活動期間

直接被害に遭われた人吉市および八代市の子どもたち。受け入れ先となっている保育園の子どもたち。

災害時の状況や支援対象者の様子

人吉市中心部の浸水被害がひどく、災害直後は球磨村への道路が寸断され学校も通える状況にありませんでした。また、八代市坂本町は全浸食した保育園など、車で50分かかる八代市鏡町の廃校跡の施設を利用して保育を始めているとのことでした。
熊本県全体の避難の方も2,000人と言われていました。

子どもたちの様子は、大人の努力もあり学びの場を確保したりして不安が少しでも和らぐようになっているようでしたが、小さな子の中には不安症を患っている子もいたようです。

熊本地震の時もそうでしたが、大人の精神状態に左右され、子どもの心の不安が長引くこともあります。そういう意味では、まだ日常が取り戻すには時間がかかりました。

支援の内容・方法

避難生活を余儀なくされた子どもたちの心のケアとして、お芝居や遊びをお届けしました。普段一緒に生活する仲間と一緒に楽しいお芝居や遊びを通して、安心して笑ったり、声を出したりして表現できる環境をつくりました。

8月17日に15名が参加した本事業についての会議を行ってから3月まで、計3回の遊び活動を実施しました。

11月14日 人吉市犬童球渓記念館にて
表現あそび「もっとひとよしあそび隊」
出演:アフタフ・バーバン 親子10組参加

唱歌『旅愁』を作詞をされた人吉の名士「犬童球渓」さんの記念館で『秋』をあそび合いました。

アフタフバーバンの佐藤りつこさんと平川きょうこさんのお二人に進行役をお願いし、2歳から70代の幅広い参加者のみなさんとお腹が痛くなるほど笑い合い、からだを動かして心を解放しました。
隠されたボード(山)を見つけ、そこにもみじを貼ってもみじ山を完成させます。しかも、103才に扮したりつ婆ちゃんに見つからないように...
みんなで作戦を練り、いざ!出陣!
その気になって子どもも大人も必死にもみじ山を作りました!

参加者の大人のみなさんから、「久しぶりにみんなと笑える時間になって良かったです。」「小5の娘のあそぶ姿を見て、子育ては間違ってないなと思いました。」などなど嬉しい感想を聞かせていただき、嬉しい時間になりました。



11月27日 八代市宮地さくら保育園・文政保育園にて
お芝居「なにができるかな?」
出演:劇団道化 1回目100人、2回目85人参加

劇団道化のジュンコちゃんとケンちゃんに、にんじん・きゅうり・とうもろこしで出来たアヒルや洗濯バサミで出来た魚など、日常にあるものを見立ててあそぶお芝居を全力でやっていただきました。ドキドキワクワクなドラマも展開され、子どもたちが大きな声で笑い、舞台に食い付いて観る姿を見ることができました。

 


2021年3月18日 八代市文政第2保育園・桜十字ホール練習室にて
パントマイム「チカパンといっしょにパントマイム」
出演:パントマイムプラネット  1回目80人、2回目40人参加

パントマイマーのチカパンの言葉のない動きに目を凝らし、つい口からでちゃう子どもたちの言葉に耳を傾けながら、月の世界に入り込んで行くファンタジックな雰囲気を楽しみました。「クラゲ〜」「わかめ〜」と会場が海の中に変わっていきます。

物語を会場みんなで作られていく心地よさ、心にほんわかするものを感じました。
生の舞台でなければ伝わらない雰囲気と、子どもの息遣い(大人も)と舞台のコラボレーションが感じられた公演でした。

 

今後の課題および展望

今回はコロナ禍で、支援したくてもできない環境もあり、本当に大変でしたので、活動期間を延長していただき助かりました。
届けたい気持ちを押し付けず、受け取る側の環境や精神的受け皿も事前にしっかり把握して、信頼関係を構築していく事も大切だと思います。

展望としては今回の公演場所である保育園の職員の方や地域の自治会の方と繋がることが出来たので、熊本地震でも学んだことではあるが、こうした文化支援はこまめに、何年も続けられるようにしたいと思います。

特定非営利活動法人熊本県子ども劇場連絡会

子ども劇場では、定期的に子どものための舞台鑑賞を行います。
子ども劇場で観る作品は、次のような点が特徴です。

1.年齢に応じた作品選び
2.児童劇として評価の高い作品選び
3.演劇・音楽・人形劇・伝統芸能など幅広いジャンル

子どもたちの感性の発達は、思考力、判断力、実践力につながっていきます。 舞台鑑賞は、感性を伸ばし、子どもの内面の活動を活発にします。

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