公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

事業紹介|社会的養護施設の子どもたちへ学習支援体制を構築するために

特定非営利活動法人 チャイボラ(東京)

代表 大山 遥さん

経済的困難を抱える子どもの学び支援

社会的養護施設の職員を増やし定着を促進することで、施設間格差のない児童の日常的な学習支援体制を構築する

【重点実行項目】
① 社会的養護総合情報サイトチャボナビの大幅改定
② 養成校への出張授業の拡大
③ オン・オフラインにおける社会的養護施の情報発信とチャボナビ認知の拡大

【助成金額】
初年度 4,786千円
3カ年 9,000千円
【選考にあたっての評価点】
現状分析が的確で、問題解決のための第一歩の工程としては不可欠と思われた。実行力に期待する。



社会的養護施設




団体紹介 助成事業の詳細 助成事業のポイント・抱負

団体紹介

チャイボラは児童養護施設をはじめとした社会的養護施設における人材の確保と定着を促進することで、「子ども達一人ひとりが大切に育てられる世の中」を目指し活動している団体です。社会的養護の施設が職員不足という課題を抱えている一方で、施設で働くことに関心を持った学生が、なかなか施設とつな がれないという現状もあります。そんな学生たちが施設のことを正しく知る前に別の道に進んでいった様子を見て、保育士の専門学生が中心となり2017年に立ち上げました。現在は、社会的養護総合情報サイト【チャボナビ】の運営、施設見学会や学習会の開催、大学短大専門学校への出張授業(施設職員と連携し、社会的養護の実状や働く魅力を発信)等を行うことで、施設の正しい情報を広く発信し関心のある方と施設のつながりを増やしています。

助成事業の詳細

    日本の社会的養護施設の圧倒的な職員不足と離職の高い現状を解消し、子ども達一人ひとりに丁寧なケアを実現。
    自己肯定感の醸成と、学習支援体制を整えることで自立して生きていける環境を作る。

  • ① 社会的養護の実状をオン・オフラインで発信し、理解してもらう機会と施設との接点を拡大することで職員を増やす。
  • ② 各施設の離職における課題を明らかにし、対応策を提案。定着率をあげることで、子どもたちひとり一人が特定の養育者に大切に育てられる環境を作り自己肯定感を醸成する。
  • ③ 各施設の学習支援状況を調査。日常的な施設間格差のない学習サポート体制を構築し、学びへの意欲や挑戦意欲を高め自立して生きていける環境を作る。

助成事業のポイント・抱負

事業を実行していく上で特に注力したいポイントは、情報発信だ。
児童養護施設をはじめとした社会的養護施設は、国と自治体から降りてくる予算の中に広報費という勘定科目が存在しない。そのため、とにかく情報発信が他業界と比較し弱い。よって、施設の存在を知り、働くことに関心を持った人ですら、どこにどんな施設があるのか?どうやって接点を持てばいいのか?就活はどのように進めるのか?等の情報を得にくい。
また、教員免許を取得する大学の教職課程の中に「社会的養護」の項目が存在しないことで、小中高校の先生になる学生は児童養護施設の存在すら知らないことも多い。当然自分達の資格が社会的養護の現場で活かされることも知らない。
「社会的養護」そのものの認知がとても低いだけでなく、「怖そう」「暗そう」「大変そう」と言ったネガティブなイメージを持たれることも多く、上記のような課題も山積し、この業界の職員不足は深刻化している。
この状況を打破するためには、正しい情報をとにかく発信し理解と興味を広げる必要がある。 そのための施策として主に下記3つの実行項目に注力したい。


  • ① チャボナビの大幅改定:施設、求職者両者にとっての利便性を高め、互いの接点を増やす
  • ② 大学・短大・専門学校への出張授業数を増やす:社会的養護そのものについての認知だけでなく、仕事の魅力や取得する資格がどのように活きるかを伝える
  • ③ オン・オフラインにおける社会的養護施設の情報発信とチャボナビ認知の拡大:学生が使うSNSでの情報発信の徹底に加え、施設見学会や社会的養護についての理解を深める学習会を高い頻度で開催することで、施設への理解と興味を広げる。
    • 子どもたちは施設を選べない。また、大半の子どもが虐待を経験している。どの施設に入ったとしても、自分を大事に育ててくれる一貫した養育者に出会える環境が必要だ。 大切に育てられることで、自分を大事に思えるようになりそれがやがて学習意欲や挑戦意欲の醸成へとつながる。つまずいたって、うまくいかなくたって、ときにはくじけたっていい。でも、自分を大事に、そして何か一つでも「こんなことやってみたいんだ!」「頑張ってみたいんだ!」と思えるように、私たちは施設職員と連携し事業を展開していきたい。



特定非営利活動法人 チャイボラ

代表

大山 遥 さん

2009年4月ベネッセコーポレーション入社。破棄される教材を児童養護施設に寄付しようと思い施設に問い合わせをした際に深刻な職員不足の現状を知り退職。夜間の保育士専門学校に入学し日中は非常勤職員として働き始める。学生の動きと施設内部の現状を両面から見ることで課題が明確になり、クラスメイトとともにチャイボラを立ち上げる。



2021年度<経済的困難を抱える子どもの学び支援活動助成>採択団体一覧

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