公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

【助成先訪問】学びの場を通して、外国籍の子ども達の不登校・不就学を減らしたい ~茨城NPOセンター・コモンズの取り組み~

茨城NPOセンター・コモンズ

代表理事 横田能洋様

経済的困難を抱える子どもの学び支援

茨城県常総市。2015年の関東・東北豪雨では鬼怒川の氾濫で大きな被害を受けました。外国籍の住民が人口の約7パーセントを占める「多文化」の街でもあります。

今回訪問した認定特定非営利活動法人茨城NPOセンター・コモンズは、この常総市内で、洪水の後に住み手のいなくなった空き家屋を活用し、多文化対応の学習支援活動と保育園運営に取り組んでいます。(ベネッセこども基金では、学習支援の部分に2017 年度「経済的な困難を抱える子どもたちの学び支援活動助成」を行っています)

代表理事の横田能洋さんにお話をうかがいました。

現在、市内の公立小中学校には約300名の外国籍の子どもがおり、学校によっては7~8ケ国もの国々にまたがっている場合もあるそうです。 そして、それらの家庭の経済基盤は不安定な場合も多く、加えて転入出が激しいこともあって、子どもたち個々の状況に応じて継続的に学ぶための環境作りが難しく、授業についていけなかったり、時には通学が続かない事例も見られるとのこと。

今回事務局メンバーは学習支援と保育園の現場を見学しました。 地域に根差した多文化保育・教育を念頭に、日本人・外国人スタッフが協力しあって、さまざまな国をルーツに持つ地域の子ども達の育ちをサポートするプログラムが運営されていました。 さらに、子どもの支援を接点としてつながった保護者の方々に対しては、多言語対応を活かして日常生活を支援する場面もありました。行政とのやり取りや通院の付き添いなども大事な取り組みなのだそうです。

当財団で助成する学習支援活動の模様

保育園の模様

このような多文化対応の学習支援・保育園運営の試みについては、地域のお住いの皆さんや、行政や学校からの理解・共感も広がっています。 <

横田さんは、この日、学習支援・保育園の拠点に隣接した改装中の建物(元病院)も案内してくださいました。 「地域の人が集まり、交流するカフェを作りたい」とのこと。

改装中の元病院の建物のなか

来年度には、学習支援教室・保育園とつながる形で、地域のさまざまな大人たちが集まり、交流できる場ができます。相互に支え合う関係性がさらに深まるのではないでしょうか。   今回の当財団の助成が、地域の子ども誰もの「学びたい」を実現できる地域づくりの、ひとつのステップとして役立ってほしいと考えています。

認定特定非営利活動法人茨城NPOセンター・コモンズ

http://www.npocommons.org/

 

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