公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

ネット パスワードについて子どもに教えるべきこと

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:ネット編VOL.22 担当:高橋 大洋


子どものパスワードあるある

自分用のゲーム機やスマートフォンを持つ前から、パスワードとの付き合いが始まるのが最近の子どもです。バッグから親のスマホを勝手に取り出し、パスワード入力を試す姿はそれほど珍しいものではありません。

「画面ロックのパスワードを子どもに覚えられちゃって...」という悩みもよく聞きます。さらに2021年度からは、一人一台のタブレットが小学校1年生から配られています。パスワードについて、保護者は子どもに何をどう教えれば良いのでしょうか。



パスワードは軽んじられている

パスワードの大切さは繰り返し説かれます。しかし、たとえば全体の4割近くの人はスマホの画面ロックを利用していません(※モバイル社会研究所「モバイル社会白書2020年版」)。
「盗まれて困るような大切なデータは入ってないから」という言い訳?を聞くこともあります。確かに情報機器の中身のデータを守ることは大切です。しかし20年前の家庭のパソコンであればともかく、現在では、パスワードの役割はそれだけではありません。



ずさんなパスワード管理が横行すると

参加している誰もが、アカウントIDとパスワードを正しく取り扱っていることが、インターネットが成り立つ前提です。もしそうでなければ、誰かからメッセージやメールを受け取るたびに、「これを書いているのは本当にあなたですか?」と疑わなくてはいけなくなります。
商品やサービスの売り買いでも、ニュースや動画サイト、SNSの利用でも同様です。パスワードは、自分以外の利用者のためにこそ存在している、「インターネットの信用の礎」とも言えるのです。



パスワードは忘れても大丈夫

「パスワードの使い回しはダメ」との警告をよく聞きます。万一、あるサービスからパスワードが漏れると、他サービスでも芋づる式に被害に遭うからです。その結果「サービスごとに異なる、強いパスワードなど考えつかない、覚えられない」という新たな悩みが生まれます。

でも、サービスごとのパスワードは忘れてしまってもいいのです。

連絡先として登録したメールアドレスさえしっかり管理できていれば、サービスごとのパスワードは再設定ができます。ただし「マスターキー」の役目を果たすメールアドレス自体のパスワードだけはくれぐれもお忘れなく。可能な場合は、スマホのSMSなどを使う「2要素認証」の仕組みもぜひ利用しましょう。



誰かがパスワードを入れ始めたら

子どもたちがパスワードについて学ぶ絶好の機会は、子ども自身ではなく、周囲の大人がパスワードを入力する場面です。スマホ、パソコンの画面ロック解除はもちろん、クレジットカード決済端末や銀行のATMなど、操作する人の手元をジッと見つめてしまうのが、子どもの自然な行動です。
しかし、これからの時代では「家族を含め、誰かがパスワード(らしきもの)を入れ始めたら、目をそらして横を向くのが社会のマナーだ」と、保護者が口に出して伝えることが必要です。 子どもが小さいほど、すぐに習慣化できます。あわせて、パスワードがなぜ大切なのかについて、子どもの年齢や理解度に合わせた説明をしてあげてください。



ホームページ

株式会社ミヤノモリ・ラボラトリー 代表取締役

高橋 大洋さん

テックコーチ。フィルタリングやセキュリティなどIT企業勤務をきっかけに、「ネットとのつきあいかたをオトナにも分かりやすく」に取り組む。子どもとネットの問題についての調査・研究や教材開発、指導者養成の他、保護者・教員向け研修講師としても活動。著書(共著)『学生のためのSNS活用の技術』(講談社)。子どもたちのインターネット利用について考える研究会 事務局、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA) ネットセーフティ教育プログラム事務局、ポールトゥウィン株式会社 契約パートナー、国立大学法人小樽商科大学 非常勤講師。札幌市在住、子どもは15歳と12歳。

SNSでこの記事をシェアする

一覧に戻る