公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

ネット 情報モラル講師として、今、感じていること

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:ネット編VOL.16 担当:三井 俊和


コロナ禍で減った情報モラル教室の機会

新型コロナウイルスの感染拡大で、子どもたちを取り巻く環境が一気に変化したのが昨今です。
たくさんの行事や修学旅行なども減りましたが、集合型研修(体育館などで学ぶ)の情報モラル教室も2020年は激減しました。
2021年は少しずつ戻っては来ていますが、緊急事態宣言が出ていた地域ではどうしても集合型の機会は減っています。
情報モラル教育を子どもたちが受ける機会が減っていますが、一方では子どもたちがインターネットを使う機会はコロナ禍以前と比べて比較にならないぐらいに増えてきています。
その中で重要になるのが、学校で学ぶ機会が減った中、どのように子どもたちにルールや使い方について教えていくかだと感じています。



保護者の『知る機会』も減りました

子どもたちへの情報モラル教室を実施する機会が減ったのと同時に、学校でPAT主催などの情報モラル教室なども激減しました。と言うことは、端末を渡している保護者がトラブルや仕組みについて知る機会が減ったと言うことでもあります。
子どもたちは日々、子どもたち同士で情報交換をしながらインターネットを使用・活用しています。
保護者向け講座が減った今、ご家庭で今一度、保護者の方から「どんなことに使ってるの?」「何が流行ってるの?」と言った声かけをしてみてください。 そして、子どもとインターネットについてお話をする機会を作って欲しいと思います。



学校で学ぶ機会が減った今だからこそ!

子どもたちは集合研修の機会が減り・保護者はPTA研修などの機会が減りました。両者共に機会が減った今こそ、ご家庭での声かけが大事だと感じています。

「使ってるものを聞いてもよく分からない」
「フィルタリングがあるから大丈夫」
「学校から推奨されているし...」

と言った考えではなく、声かけをして積極的に話をしてみてください。その中で保護者として感じた「危険な点」「やって欲しくないこと」をしっかりとご家庭で話をしてみてください。
この話に専門的な知識は不要で、しっかりとコミュニケーションを取って、大人として「これはして欲しくないな」ということを伝えて頂ければと思います。



大人の使い方も同時に見直して欲しい

お出かけをしにくくなった今、どうしてもインターネットに頼りがちになってしまいます。それは子どもだけでなく、大人も同じだと思います。
子どもと会話をする中で、大人も使い方を一度一緒に考えるきっかけにして、子どもと一緒にルールを作ってみてください。

どんなルールを決めたらいいか迷う場合は、私も制作に携わった 『初めてのスマホ安心ガイドブック』 の巻末にを掲載している「わが家のスマホルール」を参考にしてください。子どもと一緒に話し合いながらお互いが納得した約束をすることが大切です。

わが家のスマホルール


最後に...

しっかりとコミュニケーションを取って、インターネットで困ったときに話が出る、この関係をコロナ禍を通じて親子で作っていって頂ければと思います。



一般社団法人関西ICT協会・理事、京都府警察ネット安心アドバイザー、近畿総合通信局e-ネットキャラバンplus認定講師

三井 俊和さん

2010年よりインターネットの危険性などの情報モラル啓発活動に関わり、現在では企業のSNS活用などの企業向け活用講演なども実施。1児の父として父親視点から、わかりやすく現状と対策を解説している。

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