公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

ネット コロナ禍は続く・・・私たち大人できること

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:ネット編VOL.11 担当:石川 千明


コロナ禍から1年が過ぎました

コロナ禍から1年が過ぎ、感染は収まるどころか変異株が現れての第4波、医療崩壊を起こしている地域もあり、首都圏では3度目の非常事態宣言まで発出されました。
変異株は子どもへの感染がより起こる可能性もあり、学校でのクラスターの発生などが心配されています。
私の子どもも昨年の秋から再開していた大学の対面授業が再びオンライン授業にかわりました。
この1年で生活様式の変化、子どもたちの遊ぶ時間、学習機会の損失を考えると未曽有の大災害だと言えるでしょう。唯一の解決策の一つと言われている肝心のワクチンが国民の多くに届くまであとどれくらいかかるのでしょうか。



「子どもの権利条約」は、子どもの「遊ぶ権利」「教育の権利」を約束

コロナ禍で大人だけでなく子どもたちも行動制限が続いています。
感染拡大防止のためには大勢の人との会食、行楽地への外出自粛など致し方ないこともありますが、子どもの健康を守るためにできることを長期的な展望をもって考えなければならないと考えています。

「子どもの権利条約」※1は、世界中の子どもに「遊ぶ権利」「教育の権利」などの子どもの生存、発達などの権利を約束しています。
大人は子どもたちの権利を守るためにできることをしなければなりません。コロナ禍を言い訳にしてはいけないということです。まずは子どもの健康を守ること。そして学習機会の損失を減らすことです。子どもたちが健やかに成長できるよう、大人があらゆる場面で本気で取り組んでいきましょう。

※1「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」は、子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約です。



内省の時間をつくろう

テレビをつけたら1日中コロナの話題をやっていて気持ちが落ち込みがちです。 また、お仕事がままならない方も多くいらっしゃると思います。 親子で過ごす時間が増えていることは楽しい反面、家庭での雑事、家事の負担も大きく、保護者の皆さまも気持ちが休まる間がないのではないでしょうか。

そんな時、ほんの少しの時間で良いです。
テレビ、スマホ、ゲーム・・・あらゆる音がでるものの電源を落として、自然に耳を傾けたり、温かい飲み物をいれて家族で今日あったことを話す等、ゆっくり1日を振り返る時間をとってみましょう。
混雑を避けた時間にご近所を散歩もいいでしょう。

自分の中の情報を整理し、考えをまとめる時間を「内省の時間」といっています。 寝る前ギリギリまでスマホやゲームや動画を見ていたら頭の中が情報でいっぱいになり休まる時間がありません。寝る前のひと時を家族で語り合ったり、ひとりで心を静めて今日あったことを思い出し、明日のがんばりポイントを考えるのもいいでしょう。

コロナは急ぎ過ぎて情報まみれの私たちにそういう振り返りの時間をくれたのかもしれないと、私は感じています。



石川千明公式サイト

NPO法人 奈良地域の学び推進機構・理事、京都府警察 ネット安心アドバイザー

石川 千明さん

(株)カプコンでゲーム企画を担当。 退職後web企画制作、コンサルタントとして活動。'01年~子育て支援グループいこま育児ネット設立、'08年~自治体、学校等でICT支援活動を開始。それらの経験また母親目線から、わかりやすくネットトラブルの現状と対策を解説する。生駒市人権審議委員、森のムッレ教室リーダー、防災士など多方面で活動中。

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