公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 いま、PTAができること

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:防犯編VOL.47
担当:安全インストラクター武田信彦

今年度のPTA活動がようやく本格始動 気になる、子どもたちの防犯と取り組み方

今年度のPTA活動がようやく本格始動

 早いもので、今年もあと2か月となりました。
 いまだコロナ禍の終息は見えませんが、感染防止対策を行ったうえでの研修会や講演会の開催が少しずつ増えてきました。その中でPTA活動の研修も再開されてきています。本来は春や初夏に行うはずだった企画が今ようやく実施されるなど、例年よりも大幅に遅れている状況です。また、PTA活動そのものが長期間休止となり、10月に入ってようやく活動再開となった地域もあります。もともと予定されていたイベントや研修などが軒並み中止となり、残された期間で何ができるのか、役員のみなさまも悩んでいるようです。
 なお、活動が再開したとはいえ、現状では感染防止対策が第一であるため、参加人数を減らす、消毒やマスクを徹底するなどの制約も多く、今年度内は積極的な活動がしにくい状況が続きそうです。

気になる、子どもたちの防犯と取り組み方

 私が担当するPTA研修会は、おもに校外委員や地域委員のみなさまを対象としています。イベント企画や地域との連携などさまざまな活動をする中で、「子どもたちの防犯対策」も大きなテーマとなっています。なお、子どもの防犯におけるPTAの役割や可能性については、コラム31(※1)をご覧いただければと思います。
 児童、保護者、学校、地域などが見守り・助け合うための連携を育むうえでも力を発揮するPTAのみなさまですが、例年のような活動が実施しにくい状況が続いています。当方へも相談をいただいておりますが、現状では、以下のような取り組みが重要であると思います。

●付き添いや見守りの大切さを広める
●子どもたち自身の防犯力を高める啓発をする

 みんなでできること、一人ひとりができることをわかりやすく伝えることで、防犯や安全への意識が下がらないように啓発を行うことがもとめられます。また、当方が提供している「見守りパトロールデザイン」(※2)への依頼も増えています。A4サイズのデザインで、自転車の前かごやバッジなど見守り時のアイテムとして利用することができるものです。見守り・助け合いの輪を広げ、犯罪が起きにくい環境をつくることをめざしたデザインにしています。デザインは14種類ありますが、子どもたちや親子目線のソフトなデザインであることが特徴です。



▲「見守りパトロールデザイン」の一例。学校名や団体名を入れたデータを作成することができます。


 現在、多くの人たちがマスクを着用しており、以前のようなコミュニケーションがとりにくい状況が続いています。明るくわかりやすいデザインを活用することで、適切な距離感をとりつつも、あいさつや見守りが少しでも行いやすくなることを期待しています。





うさぎママのパトロール教室

うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター

武田 信彦 さん

犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。

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