公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

ネット 新型コロナウイルスによる学校休業中におうちの方ができること

子どもの安心・安全を守る活動

専門家コラム:ネット編VOL.1 担当:石川 千明

新型コロナウイルスにより未曾有の社会情勢に

年明けより世界中を襲った新型コロナウイルスにより、政府の方針で突然学校が休業になり、子どもも大人も大変な状況になっています。

日々変わる情報、飛び交うデマ、TVはコロナウイルスの話ばかり、子どもたちには不要不急の外出禁止令。エネルギーが有り余る子どもたちを前に、保護者の皆さまは疲弊されているのではないでしょうか。そして突然長期休みになってしまった子どもたちは準備が行き届かないまま、ずっと家で勉強ができるわけもなく、ついついゲームやスマホの利用時間が増えているのではないかと思います。

子どもたちの現状は...「7時半にフォートナイトで集合ね! 」

オンラインゲームは各家庭から接続し、一緒にプレイできることからこのような約束をしている子どもがとても多いです。外で遊ぶことが難しいので、せめてゲームくらい...と思ってしまいがちですが、昨年より子どもたちに大人気の任天堂スイッチ版※の FORTNITE(フォートナイト)はバトルロワイヤル系のゲームで、みんなでオンラインボイスチャットをしながら戦って遊ぶエキサイティングな要素が多いゲームです。

ダウンロードは無料でできますが、ダウンロード画面の下部に表記してある ゲームのレーティング(年齢制限)はご覧になったことがありますか? その表記は CERO(特定非営利活動法人コンピューターエンターテインメントレーティング機構
の年齢区分マーク C(15歳以上)になっています。  「暴力的なゲームである」ことを示すマークもついています。これに法律的な罰則規定はありませんが、日常的に遊び続けることで、子どもの心にどのような影響があるかはわかりません。

※スイッチ版のほかに各種ゲーム機、スマホ版、パソコン版もあります。

暴力マーク

おうちの方が気にしておくこと

ゲームの約束でよくあるのは『課金はダメ、無料のゲームならOK』というものです。ゲームをダウンロードする際に無料かそうでないかのルールだとフォートナイトはOKになってしまいますが、課金要素の高いゲームなので、プレイ時間が多くなれば当然課金したくなりますし、コンビニで購入できるプリペイドカードなどは子どもでも簡単に手に入ること、保護者のクレジットカードの不正利用などから課金トラブルが多く聞かれるのも事実です。またみんなで遊べるチーム戦の要素から、仲間外しなどのトラブルも起こっています。

年齢制限の代表的な例

ゲームだけでなく、すべてのアプリやサービスには年齢制限があることはご存知でしょうか?
12歳以上:TikTok、LINE、Twitter、YouTube、Instagram等 
15歳以上:フォートナイト(スイッチ版)、モンスターハンターシリーズ、バイオハザードシリーズ等
17歳以上:荒野行動等 

子どもが利用するアプリやサービスが子どもにとって安全かどうかを確認、見守ることは保護者の大切な役割で、トラブルが起こった後に知らなかったでは済まされません。

ルール作りと設定の確認を

使いすぎ、トラブル防止のために、ルール作りをしましょう。
ルール作りは保護者が一方的に作って渡すのではなく、まずは子どもに作らせて、最終的にはペナルティ(時間やデバイスの制限)も考え一緒にルールを決定します。決定したルールは子どもに手書きさせリビング、子ども部屋など目に付くところに貼っておきましょう。どうせ作っても守らないから・・・ではなく、ルール作りをする過程での話し合いが大きな意味を持ちます。

ルールだけでは守りきれない場合もありますので、その対策として、①フィルタリング ②時間制限設定 ③レーティング設定 ④課金設定 を各種デバイス、ゲーム機にしましょう。

その機器を主に使う人の年齢を設定することで年齢に合っていないゲームはプレイできなくなります。

またiPhone、iPadはスクリーンタイム、 Androidはファミリーリンク、 任天堂ではみまもり設定、またプレイステーションでは保護者のみなさまへのお知らせとお願い などを利用し、保護者のスマホから利用時間の確認、制限ができるようにしておくと安心です。

機械の設定で守れることは機械に任せましょう。そして時間延長を求められても解除しないことが大事です。今日許せば明日も...となります。 時間が終わったら何をするのか、あらかじめ計画しておくといいでしょう。

初めてのスマホ安心ガイドブックの全ページは、こちらからご確認いただけます。P33に書き込み式「わが家のスマホルール表」がついていますので、ぜひご活用ください。

暇な時間は何をしたらいいの?

暇になったら何をしていいかわからないのでゲームや動画、SNSを観ている子どもが多いです。 
毎日の計画を時間単位で決める(短期目標の設定)、春休み期間中の目標を決める(長期目標の設定)など、計画表を親子で楽しんで作ってみませんか?
明けない夜はありません。楽しく知恵を持ち寄ってピンチをチャンスに変えていきましょう。

NPO法人 奈良地域の学び推進機構・理事、京都府警察 ネット安心アドバイザー

石川 千明さん

(株)カプコンでゲーム企画を担当。 退職後web企画制作、コンサルタントとして活動。'01年~子育て支援グループいこま育児ネット設立、'08年~自治体、学校等でICT支援活動を開始。それらの経験また母親目線から、わかりやすくネットトラブルの現状と対策を解説する。

SNSでこの記事をシェアする

一覧に戻る