公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 危険から「逃げる」ために、備えておくこと

子どもの安心・安全を守る活動

 

安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第20回)

 

 「たたかう!」「やっつける!!」...。子どもたち対象の安全セミナーで、「コワいことがあったら、どうする?」と尋ねたときのワンシーンです。「ヒーローに変身する...」といった意見もありました。冗談かと思いきや、意外とまじめに答えている子どももいるので、ヒヤヒヤすることがあります。ちなみに、危険なことからは、逃げることが一番です。逃げるとは、危険な状況からすぐに離れて、助けてくれる人がいるところまで走りきること。そのためには、日ごろから備えておく必要があります。

 

 基本的なこととして、危険を素早く察知する予防力や、人との距離感などを実践することは不可欠です(コラム10コラム18参照)。さらに重要なことは、普段生活する地域の中で、「助けてくれそうな人が、どこにいるのか」を知っておくことです。

 
 万が一の時は、その場から一番近いポイントまで、ダッシュで逃げ切ります。同じ学校に通っていても、子どもによって環境が異なることがあるため、それぞれの生活エリアの中で、助けてくれる人がいる所のリストを把握する必要があります。図書館などの公共施設、病院や福祉関係の施設、卒業した幼稚園、普段通っている学童クラブや塾、お店、友だちや親せきの家、子ども110番の家...。保護者とのお出かけ、安全マップづくりの時間などに確認することがおすすめです。

 

 (参考)子ども110番の家を巡る安全プログラムは⇒こちらから

うさぎママのパトロール教室

うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター

武田 信彦さん

 

犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。

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