公益財団法人ベネッセこども基金

コラム

防犯 一般市民による防犯、その効果とは?

子どもの安心・安全を守る活動

 

安全インストラクター武田信彦のコラム
「一般市民による防犯とは?」(第4回)

 

 私が防犯活動にデビューしたのは、大学生だった1997年です。当時、「防犯ボランティア」という分野は存在していませんでした。「防犯は警察の仕事。一般市民は特権がないからできない」と多くの人たちに言われたことを覚えています。
 そして、その後2002年に刑法犯の認知件数が戦後最悪を記録する中、地域住民参加型の防犯対策が全国的に展開され、現在では277万人(2015年4月、警察庁発表)もの防犯ボランティアが活躍するまでなりました

 

 では、一般市民による防犯とは、どのような効果が期待できるものなのでしょうか。具体的な数値化が難しい分野ですが、私は以下のようなものがあると考えています。予防をする効果、意識を広げる効果、連携が育まれる効果、安心を広める効果。予防、意識、連携の3つについては、地域の「安全」に関わるものです。
 なお、特効薬のような効き目はなかなか難しいですが、安全の「免疫力」を上げていくようなものだと思います。また、コミュニケーションをとおして「安心」の効果も期待できます。お互いに名前などは知らなくても、「気をつけてくださいね!」「なにかあったら声をかけてくださいね!」などの声かけを行うことで、ゆるやかなつながりが生まれ、不安感の解消に大きな力を発揮していきます

うさぎママのパトロール教室

うさぎママのパトロール教室主宰
安全インストラクター

武田 信彦さん

 

犯罪防止NPOでの活動を経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。「市民防犯」のパイオニアとして全国で講演やセミナーなど多数実施中。 子どもたちを対象とした「安全ワークショップ」も好評を得ている。
著書には「SELF DEFENSE 「逃げるが勝ち」が身を守る」(講談社)ほかがある。

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