鉄道会社

鉄道会社の仕事内容は?

鉄道会社の仕事内容は? 社員に必要な学歴は?


鉄道会社は鉄道を運行させて人々の生活や産業を支えている仕事

・鉄道会社の種類


鉄道会社は、鉄道を運行させて人々の生活や産業を支えている会社です。
鉄道会社は大きく分けて「JR」「私鉄」「公共交通」「第三セクター鉄道」の4つの種類があります。
鉄道会社の仕事内容の解説の前に、まずはこの4種類の成り立ちと鉄道の例を紹介します。

JR

JRは、かつて「国鉄」と呼ばれていた日本国有鉄道が、1987年に分割民営化してできた会社です。
北海道旅客鉄道(JR北海道)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東海旅客鉄道(JR東海)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、四国旅客鉄道(JR四国)、州旅客鉄道(JR九州)、日本貨物鉄道(JR貨物)と、エリアに分かれて独立した企業となり、それぞれ事業を展開しています。
なかでもJR東日本とJR東海は、特に高い業績を収めています。

J Rの鉄道の例:JR山手線、JR中央線、J R埼京線

私鉄

私鉄は民間企業が運営している鉄道会社です。
JR各社も1987年から組織形態は民営化していますが、歴史的な経緯から「私鉄」という場合、JR各社は含めないのが一般的です。

私鉄の鉄道の例・東京メトロ、京王電鉄、小田急電鉄、名古屋鉄道、阪急電鉄など

第三セクター鉄道

第三セクター鉄道は、地域開発や新しい都市づくり推進のために、第一セクター(国や地方公共団体)と、第二セクター(民間企業)が共同出資して設立された事業体のことです。もともと「第三セクター」とは地域開発や新しい都市づくり推進のため、国や公共団体と、民間企業が共同出資して設立する事業体のことです。
第三セクター鉄道は、旧国鉄の赤字線の存続を守ろうとする、地方の関係者が第三セクター方式で経営を始めたのがその始まりと言われます。
現在の第三セクター鉄道は、経営が比較的好調な会社と経営難の会社に二分されます。

第三セクター鉄道の例:岩手県三陸地方「三陸鉄道」、茨城県「鹿島臨海鉄道」、石川県「のと鉄道」、神奈川県「横浜シーサイドライン」など。

公営鉄道

公営鉄道は、地元地域の人の生活を便利にするために生まれた「公営の」鉄道で、地方公営団体が運営する鉄道です。

公営鉄道の例:日暮里・舎人ライナー、上野モノレール

・鉄道会社社員の仕事内容とは?


鉄道会社社員の仕事内容は、鉄道を運行させて人々の生活や産業を支えることです。
鉄道会社の主な仕事は鉄道事業ですが、鉄道以外のビジネスも多数手がけています。
例えば不動産事業や広告事業、観光事業、クレジットカード事業、流通事業などです。
鉄道という人々の生活に欠かせないインフラを軸に、駅や路線沿いの街、地域の発展に貢献する事業を展開できるのは、鉄道会社の強みといえます。

鉄道会社社員の仕事は、大きく分けると、
◯駅員や車掌、運転士など、駅の現場で働く「現業職」、
◯車両や踏切、建築物をメンテナンス・開発する「現場の技術職」、
◯運行ダイヤを考えたり、よりよいサービスを考えたり、そのほか営業・人事・財務、新規ビジネスなど様々な仕事を行う「総合職」があります。

(総合職の中にも、文系の事務系総合職、理系の技術系総合職があります)

※このような仕事の分け方は、各鉄道会社によって名称が異なります。
鉄道会社はどんな働き方をするの?

鉄道会社の社員は職種によって働き方が違う

・職種によって勤務先が違う!


鉄道会社社員の職場は、職種によって異なります。

◯運転手や駅員、車掌など「現業職」と呼ばれる人たちは、駅や鉄道が職場です。

◯車両や線路などのメンテナンス、土木工事をしている技術者の人たちは、ターミナル駅などにある整備工場が職場です。

◯総合職の人たちは主に本社や支社が職場ですが、入社半年〜数年間は研修期間として、駅や鉄道などで鉄道の仕事を覚えていくことが多いようです。

◯また総合職の場合、駅ビルや百貨店、不動産会社で働くなど、鉄道事業以外の場所で働くこともあります。

・鉄道会社社員の働く時間帯は?


◯駅で働く「現業職」の人たちは、鉄道は朝早く夜遅くまで運行しているため、シフト制で働きます。

◯総合職の人たちは、朝9時から18時勤務というように一般的な会社員と同じ時間帯で働きます。

◯車両整備や設備関連の技術職の人たちは、車両や線路のメンテナンス、補修工事などは運行中にできない部分も多いため、夜のうちに作業を行うケースもあります。

鉄道会社はどんな人に向いているの?

鉄道会社には時間にルーズな人は向かない

鉄道会社の仕事は幅広いので、担当職種によって向き不向きは異なります。しかし多くの鉄道会社の人たちに求められる適性を紹介します。

・時間管理・自己管理ができる


日本の鉄道は、秒単位で運行のスケジュールが組まれており、「時間の正確さ」がとても重視されます。それが仕事全般でも求められるため、時間にルーズな人は鉄道会社には向いていません。決められた時刻通りにきちんと仕事を行い、自己管理の得意な人が鉄道業界に向いていると言えます。

・チームワークが得意


鉄道会社は列車を運行するために、多くの部門、多くの人が関係するシステムです。その中の自分の役割を正確に確実に行い、次の役割の人に受け渡す。そのようなチームの一員として、自分の持ち場の責任を果たすことにやりがいを感じられる人が向いています。

・責任感の強い人


鉄道の運行では乗客の安全が第一です。人の命を預かる仕事なので、規律を守ることや仕事に対する責任感の強い人が多いのも鉄道会社の特徴です。
鉄道会社の将来展望は?

鉄道会社将来展望 鉄道以外の事業でビジネスチャンスをねらう

今、鉄道各社は人口減少により業界の大幅な成長が期待しにくいため、鉄道以外の事業を幅広く手がけて、ビジネスチャンスをねらっています。
そのマネジメントを担う「総合職」には、「安定志向」を捨てて次世代の鉄道業のビジョンを描くチャレンジ精神や行動力が求められています。
鉄道会社にはこうすればなれる!

鉄道会社社員になるには採用試験を受けて合格するのが一般的

・鉄道会社に必要な学歴は?


鉄道会社の社員になるには、鉄道会社の採用試験を受けて合格するのが一般的です。 新卒の場合、応募資格に学歴が設けられており、主に本社で働く「総合職」は大学や大学院、もしくは高等専門学校の卒業見込みの人が対象です。

しかし運転士や整備など現場で活躍する職種の採用では、大学や高等専門学校に加えて、短大や専修学校卒、会社によっては高卒でも応募ができます。

このように鉄道会社では、学歴によって応募できる職種が異なるので、自分のなりたい職種の応募条件を調べておくことが大切です。

・総合職の学歴・学部条件とは?


鉄道会社では総合職の人気が高く、新卒の就活では激戦を勝ち抜く必要があります。総合職の採用は、職種系統によって求められる学部学科が変わります。

◯事務系の総合職(経営企画・総務・人事・財務・広報・営業・関連事業など)の採用では、主に文系の学生を対象としています。

◯技術系の総合職(運輸系、車両・機械系統、電気システム、施設系)の採用では、機械工学、物理・材料工学、電気・電子工学、土木工学、環境工学、建築・建設工学など、理系の学生を対象に採用を行っています。

・運転士になるには?


運転士に憧れて鉄道会社をめざす人もいるでしょう。
運転士の希望者は、車掌になることが必要です。まずは入社後に駅員として「窓口での切符販売」「改札業務」「ホームでの業務」などを1〜2年経験した後、「車掌」になるための「社内試験」を受けます。
その試験に合格すると車掌になることでき、車掌として数年間経験を積み、運転士として適性が認められた人は、国土交通省が指定する養成所で8〜9か月の学科講習と技能講習を受けられます。それを終えて「動力車操縦者試験」に合格すると、晴れて電車運転士になれる仕組みです。
現在の電車運転士のほとんどは、高校もしくは専門学校の卒業者で、大学卒業者は多くありません。