大道具

大道具の仕事内容は?

大道具とはどんな仕事内容?大道具になるには?


大道具とはどんな仕事内容?

・大道具とは?


テレビ番組やCM、映画や舞台などの背景や、本物そっくりの部屋、華やかなステージのセットなど、大がかりな装飾を「大道具」と言います。テレビや映画では「セット」、舞台では「舞台装置」と言われます。
この大道具をつくる職業を「大道具」と言います。
場面が変わるときにセットや背景を回転させたり、俳優やタレントが登場するときにカーテンを開いたり、色とりどりの風船を飛ばしたりするのも、大道具の仕事です。

大道具の活躍場所は、テレビ、映画、歌舞伎や能、音楽のコンサート、ダンスの舞台、演劇、企業のイベントなど様々です。仕事はチームで行われ、みんなで役割分担して1のものをつくり上げます。例えば、大きな家屋や建具などの大工仕事をする人、大きな造形物をつくる人、背景の板に和紙を張る人、塗る人、絵を描く人、会場に装置を運ぶ人、当日にセットを組み立て、終わったら解体する人などです。

・大道具とデザイナーの違い


大道具は大道具を実際につくる人ですが、どんなセットにするかどんな装置が必要かをイメージしてデザイン画に起こすのは別の職種である「デザイナー」が行います。実際に手を動かして大道具をつくるのが「大道具」、背景やセットのイメージを企画するのが「デザイナー」です。

大道具はどんな働き方をするの?

大道具とはどんな働き方か知っておこう!

「大道具」の就職先は、舞台美術制作会社や大道具制作会社などです。
大道具の仕事は本番に間に合わせるために徹夜で作業するなど、昼夜逆転することがあったり、力仕事があったり、体力勝負の仕事と言えます。
また舞台公演が連日で行われ、休みが定期的に取りづらい職場もあります。
その代わり毎日が「文化祭」のように、みんなで力を合わせて毎回違った新しいものをつくる楽しさと充実感、刺激のある仕事です。

大道具はどんな人に向いているの?

大道具とはどんな人が向いている?

◯ 立体造形の得意な人/空間把握能力のある人
デザイナーの描いた設計図を見て、立体的なセットが頭に浮かぶ人が向いています。図工や美術の時間に立体物の造形が得意だった人や、ブロック遊びが得意だった人はその力が生かせます。

◯ ものづくりが大好き
ものをつくるのが好きで、ものをつくった経験がいろいろある人。ものづくりが好きであれば仕事は楽しくできます。また現場でディレクターさんから「こういうものをつくってほしい」という急な相談があって、ものづくりの経験が豊富であれば現場にある資材で臨機応変にこたえられます。材木を切ったり組み立てたりする木工の技術も仕事に役立ちます。

◯ 美的センス
デザインや美的センス、絵画の能力は、大道具の仕事に存分に生かすことができます。

◯ 体力
前述のように体力勝負の仕事なので体力のある人が向いています。この仕事が好き!という気持ちで責任を持って仕事をやり通すことが大事です。

◯ コミュニケーション能力
大道具の仕事はチームのみんなと一緒につくり上げる仕事なので、黙々と作業に集中しているだけではスムーズに仕事をやり終えられません。きちんと周囲と積極的にコミュニケーションを取っていける能力は必須です。

大道具の将来展望は?

大道具の将来の展望は?

大道具の仕事をはじめ、美術セットや舞台セットの仕事は、美術センスやスキル、イマジネーションが生きる仕事。1回1回ごとに新しいものを創り上げていく仕事なので、近い将来A Iやロボットに代わることは考えづらい仕事です。「大道具」スタッフの仕事は、今後も需要があると思われます。
しかし大道具には常に時代に合った新しい驚きや感動が求められます。時代の進化に合わせて新しいスキルの勉強も怠らないことも大切です。

大道具にはこうすればなれる!

大道具になるには?

・大道具になるための一般ルート


大道具はセンスと技術が必要な仕事なので、デザイン系の専門学校や美術大学でデッサンや造形を学んでから舞台美術制作会社や大道具制作会社などに就職する人が大半です。

・大道具に役立つ資格


移動や搬入、組み立てに便利なので「普通運転免許」のほかに「フォークリフト運転技能者」や「クレーン・デリック運転士」の免許、あるいは「高所で作業するための資格」を持っていると就職や転職で有利になるところもあります。