音楽プロデューサー

音楽プロデューサーの仕事内容は?

音楽プロデューサーになるには時代のニーズをつかむ力と音楽センスが必要


音楽プロデューサーとはアーティストや楽曲のコンセプトを決める責任者

・音楽プロデューサーにも種類がある


音楽プロデューサーは、アーティストの売り出し方や楽曲のコンセプトなどを決めて音楽制作全般の責任者として指揮を執る人、といわれています。
しかし「音楽プロデューサー」とひと口にいってもさまざまな種類があります。「音楽プロデューサー」にどのような種類があるのか、4つの呼び名と役割を紹介します。

・サウンドプロデューサー


サウンドプロデューサーとは、実際に音源制作を行い、「音」に関して指揮を執る最終的な責任者です。
アメリカなどで音楽プロデューサーというと、このサウンドプロデューサーを指します。

サウンドプロデューサーはアーティストの楽曲の方向性を決めて、録音やミキシング(編集)、マスタリング(マスターテープをつくること)などの制作の指揮を執り、アーティストやレコーディングエンジニアとともに楽曲をつくり上げていきます。
プロデューサー自身がミュージシャン、作曲家、アレンジャーで、作曲や編曲も行う場合があります。

・A&Rプロデューサー


A&Rプロデューサーは、アーティストの発掘や育成、楽曲選び、企画制作、宣伝戦略に至るまで、トータルでプロデュースします。A&Rは「アーティスト・アンド・レパートリー」の略で、簡単に言うと、アーティストの魅力を最大限に引き出すためにどんな楽曲を歌ってもらうか、どんなアレンジで世に送り出すかを決める責任者を指します。
具体的にはCDなどの企画制作の指揮を執り、アーティストに合う楽曲選びや、制作スタッフのコーディネート、CDジャケットの制作、宣伝活動などをトータルでプロデュースする人です。A&Rプロデューサーは商品開発やマーケティングのアイデア力やセンス、コミュニケーション能力が必要な仕事です。

・アーティストプロデューサー


アーティストが所属するプロダクション側の責任者を指して「アーティストプロデューサー」といいます。
楽曲の制作はレコード会社の音楽プロデューサー(A&Rプロデューサーやサウンドプロデューサー)に任せ、それ以外のマネージメントの部分で、アーティストの育成や戦略を決定する責任者です。

・エグゼクティブプロデューサー


エグゼクティブプロデューサーとは、アーティストのイメージつくりから予算の管理まで、アーティストの音楽活動全体を総合的にプロデュースする責任者のことです。
企画の立案、スタッフの選定、出資会社の選定、制作費や宣伝費などの予算の決定、著作権管理者、楽曲の最終チェックなどをトータルで行います。
実際にはレコード会社や音楽出版社、芸能プロダクションなどの代表者のことを「エグゼクティブプロデューサー」と呼ぶ場合も多いです。

以上、音楽プロデューサーにはさまざまな種類があることを紹介しましたが、小さな組織ではそれらすべての役割と仕事を一人のプロデューサーが行っていることもあります。
音楽プロデューサーはどんな働き方をするの?

音楽プロデューサーの働き方 毎日が臨機応変

・音楽プロデューサーは会社に所属して働く人と独立している人がいる


音楽プロデューサーの就職先は、レコード会社や音楽出版社、芸能プロダクションです。
アシスタントディレクターやディレクターなどを経て、音楽プロデューサーになった人がほとんどです。
この場合、会社員として音楽プロデューサーをしています。

なかには独立して自分の会社を興して音楽プロデューサーになる人もいます。
またミュージシャンや作曲家兼プロデューサーの場合は、基本的にフリーランスの場合が多いです。

・音楽プロデューサーの勤務時間は不規則


音楽プロデューサーは、アーティストや仕事内容によって一日のスケジュールが変わります。
そのため勤務時間は不規則です。毎日を臨機応変に過ごしています。
音楽プロデューサーはどんな人に向いているの?

音楽プロデューサーはニーズをつかむ力、表現するセンスがある人に向く

・音楽への情熱


何よりも音楽が大好きで、多くの人の心にヒットするすばらしい音楽を生み出したい、という音楽への情熱があることが最も大事な適性といえます。

・世の中ニーズをつかむ力とそれを表現する音楽センス


音楽がヒットして売れるためのプロデュースを行う必要があるので、時代のニーズを的確につかむ力と、ニーズを表現する音楽的なセンスが必要です。

・ファンを喜ばせるサービス精神とひらめき


とくにアーティストのC Dの企画やプロモーション活動の分野では、ファンを喜ばせるアイデアやひらめき、サービス精神が必要です。

・音楽制作や業界の深い知識と経験


アーティストをプロデュースするには、アーティストにプロデュースできるだけの音楽知識と技術、経験がなければなりません。
楽曲を制作する過程や知識、音楽業界の仕組みなど、熟知していることが必要です。サウンドプロデューサーの場合は、とくに音楽的な技術とセンスが重要です。

・アーティストの魅力を見いだす力


アーティストが持っている価値や魅力を見つけ出す力と、それを磨き育てる力が必要です。

・コミュニケーション能力


プロデューサーはアーティストやスタジオミュージシャン、制作ディレクター、プロモーターなど、たくさんの人とかかわる仕事です。アーティストの楽曲をどのような方向性でプロデュースするのかを明確に示し、さまざまな人の意見を現場でうまくまとめていかねばなりません。
そのため非常に高いコミュニケーション能力やリーダーシップが必要です。

・マネジメント能力


納期や採算性なども考えながら、スタッフの進み具合や予算管理をしていく必要があるので、マネジメント力が必要です。
音楽プロデューサーの将来展望は?

音楽プロデューサーの将来性 ストリーミングサービスで需要続く

今、音楽業界は、世界的にサブスクリプション(定額課金)型の音楽配信サービスが伸びており、日本でも大物アーティストの楽曲が次々と解禁になりました。
このようなストリーミングサービスではこれまで以上に次々と新たな楽曲を求める消費者が増えたといわれます。
また動画配信サービスの急成長で動画コンテンツに採用される楽曲へのニーズも増加中です。今後も音楽プロデューサーの需要は続くことが予想されます。
音楽プロデューサーにはこうすればなれる!

音楽プロデューサーになるにはふたつのルート

音楽プロデューサーになるルートは一般的にふたつに分けられます。

・音楽業界の会社に就職してキャリアを積む


音楽プロデューサーになるためのひとつめの方法は、音楽系の大学や専門学校を卒業後、レコード会社や、音楽出版社、アーティストの所属するプロダクションなど、音楽業界の会社へ就職し、実務経験を積みながらステップアップしていく方法です。

音楽プロデューサーは新卒でいきなりなれる職種ではないので、就職先がレコード会社なら、まずはアシスタントディレクターなどからスタート。
就職先が音楽出版社なら、編集や編集アシスタントからスタートします。アーティスト所属のプロダクションなら営業やマネージャーなどからキャリアを始めることになりそうです。
その後、社内で昇格して、ディレクターやレコーディングエンジニア、アシスタントプロデューサーとなってさらに経験を積み、ようやく音楽プロデューサーに挑戦できるようになります。

・アーティストからの転身


音楽プロデューサーになるふたつめの方法は、アーティストからの転身です。
最近はアーティストの個性や音楽性が尊重されるようになり、有名アーティストやミュージシャンが、自らプロデューサーを兼ねて活躍することも増えています。

・音楽プロデューサーをめざすための学校は?


音楽プロデューサーをめざす場合、音楽大学や音楽系専門学校で学ぶのが一般的です。
近年は大手のレコード会社でも学歴不問の会社が増えましたが、音楽の専門教育を受けておいた方が実務で役立つでしょう。