雑貨デザイナー

雑貨デザイナーの仕事内容は?

雑貨デザイナーとはどんな仕事?どうすればなれる?


雑貨デザイナーにはデザインだけを行う人と、商品企画からデザインまでをトータルで手がける人がいる

・雑貨デザイナーの仕事内容とは?


雑貨デザイナーは、日用雑貨専門のデザイナーです。
デザインだけを行う人と、商品企画からデザインまでをトータルで手がける人がいます。

日用雑貨とは、ペンケースなどの文房具、お皿やスポンジなどのキッチン用品、メイク用ポーチやミラー、バス用品、花瓶、ゴミ箱、トートバッグなど様々なものがあります。

雑貨デザイナーは、日用雑貨を素材の質感、機能性、安全性、コスト面なども考えてデザインします。
そのため、デザインや色彩の知識だけでなく、さまざまな素材や安全性、人間の身体の動きなどの幅広い知識を持っています。
またさまざまなユーザーに配慮してユニバーサルデザインの採用も行います。

ユニバーサルデザインというのは、文化、言語、国籍や年齢、性別、能力などの違いにかかわらず、できるだけ多くの人が利用できることをめざしたデザインのことです。

・雑貨デザイナーの仕事の流れ


社内の商品企画部門の人からデザインを頼まれた場合を想定して、雑貨デザイナーの具体的な仕事の流れを紹介します。

◯ 企画の打ち合わせ

商品の企画書を見ながら打ち合わせします。
その商品は「どんなターゲット層」を想定しているのか、「どんな場面で使用するものなのか」「どこで売られるのか」「ライバル商品と変えたいのはどこか」「デザインカラーやイメージの希望」…などの説明を受けます。デザイナーの方からも、「こういうデザインはどうか?」「こうした方が使いやすいのでは?」など提案を行うこともあります。

◯ リサーチ

同じ用途やカテゴリーの商品で、既に市場にあるものをリサーチします。
リサーチは雑貨店に実際に行ったり、ネットでターゲット層に人気のショップの商品を検索したり、雑誌などで取り上げられているものを見たりして行います。
そして今回のターゲット層には、どんなデザインやカラーのものが選ばれるか、違いを出せそうか?などニーズを探ります。

◯ デザイン画作成

打ち合わせとリサーチで得たことを元に、大まかなデザインのスケッチを何パターンか描いていきます。
そしてデザインのスケッチを企画担当者などに見せます。

ここで企画担当者からの修正やリクエストがあったらスケッチを修正します。
そして企画担当者からO Kが出たら、本格的にデザイン画を作成します。
本格的なデザイン画は、「Illustrator®」や「Photoshop®」などのグラフィックデザインソフトを使って描かれることが多いです。

◯ プレゼンテーション

グラフィックデザインソフトで表現したデザイン画を、社内の決裁権のある上司にプレゼンテーションします。
ここでデザインにO Kが出たら、デザインの詳細をさらに詰めて立体化させていきます。
発泡スチロールなどを使って模型をつくる人もいれば、3次元CADのソフトなどを使ってコンピューター上で3Dのデザインを詰めていくデザイナーもいます。

◯ 工場に発注する

仕様書とデザイン設計図を完成させて工場に発注します。
(何件かの工場に見積もりを出してもらうこともあります。)工場から仮の見本が上がってきたら、仕様書通りに仕上がっているかをチェックします。
ここで何も問題がなければ引き続き工場に生産してもらいます。

・プロダクトデザイナーとの違いは?


プロダクトデザイナーは、ありとあらゆる立体の製品をデザインします。
キッチン用品や文房具などのほか、家電、家具、インテリア、さらには自動車や飛行機などの大きなもののデザインまで含まれます。

雑貨デザイナーもプロダクトデザイナーの1つで、雑貨を専門としているデザイナーと言えます。
雑貨デザイナーはどんな働き方をするの?

雑貨デザイナーは日用雑貨メーカーや、プロダクトデザイン事務所に所属

雑貨デザイナーの活躍の場は、日用雑貨メーカーや、プロダクトデザイン事務所などです。
雑貨デザイナーは基本的に正社員での採用が多い職種ですが、契約社員やアルバイトで働く人もいます。
また、実務経験を積んだあと会社から独立して、フリーランスで活躍している人もいます。

雑貨メーカーやプロダクトデザイン事務所の勤務時間は、1日8時間、土日祝日が休みというところがほとんどのようです。
しかし雑貨デザイナーは、勤務時間中だけデザインのことを考えるのではなく、プライベートでも常に新しい雑貨のデザインのことを考えたり、雑貨売り場でリサーチしたりしている人が多いようです。
雑貨デザイナーはどんな人に向いているの?

雑貨デザイナーには「アイディア」「センス」がある人に向く

雑貨デザイナーに求められるスキルの代表的な者は「アイディア力」「センス」「リサーチ力」「絵を描く力」「コミュニケーション力」です。それぞれについて補足します。

◯ デザインのアイディア力

日用雑貨は、次々と新しいデザインが求められます。こんなデザインはどうだろう?この方が便利な形なのでは?など次々とアイディアを出せる力が求められます。

◯ センス

デザイナーはセンスが命。ほかのメーカーの商品が並ぶ中で思わず手にとってしまう魅力のあるデザインをするには、常にセンスを磨くことが必要とされます。

◯ リサーチ力

今のトレンドを押さえながらさらに新しいヒット商品をつくり出していくには、他社の商品のリサーチや、ターゲットがどのようなシーンでどう使うのか?といったリサーチが欠かせません。
日頃から雑貨屋巡りが大好きな人など向いています。

◯ 絵を描く力

デザインはまずラフスケッチから始まります。
イメージをサラサラと絵で表現できるとデザインの仕事は非常にスムーズになります。イラストを描く能力もデザイナーにはとても大事な要素です。

◯ コミュニケーション力

雑貨デザイナーは、商品企画部門や、工場の営業職の人などと、打ち合わせや連絡、交渉ごとが多くあります。机に向かってデザインに集中する力も必要ですが、コミュニケーション力も重要です。コミュニケーション能力が高いほど、デザインのイメージをしっかり共有しながら、スムーズに仕事を進められます。
雑貨デザイナーの将来展望は?

雑貨デザイナーの将来の展望は?

雑貨デザイナーは、プロダクトデザイナーの中でも、特に雑貨だけを専門的にデザインします。
身の回りにある生活雑貨は常に新しいデザインや機能性が求められています。またデザイナーが考えたオリジナルのキャラクターグッズが大ヒットする場合もあります。
雑貨のデザイナーの求人は、雑貨の商品企画や営業職に比べると少ない傾向ですが、センスと技術があり、ほかにはないものを生み出せる雑貨デザイナーは、これからも活躍していくと思われます。
雑貨デザイナーにはこうすればなれる!

雑貨デザイナーになるには美術系大学などでプロダクトデザインを学ぶ

・雑貨デザイナーの就職先は? 雑貨デザイナーをめざせる学校は?


雑貨デザイナーになるには、美術系の大学や専門学校でプロダクトデザインや雑貨デザインを学び、雑貨メーカーやプロダクトデザインの事務所に就職するのが一般的です。
美術系大学や専門学校の入学試験には、実技試験があることがほとんどなので、志望する学校の試験のレベルによっては、高校時代から美術系予備校などでデッサンなど実技を習う必要があります。
また雑貨デザイナー職の就職試験では、デザインした作品をファイリングしたもの(ポートフォリオと呼ばれます)の提出を求められることがほとんどなので、学生時代からデザインの作品をファイリングして就活の準備をしておくとよいでしょう。

・雑貨デザイナーの就職に役立つ資格とは?


雑貨デザイナーには特に必須の資格は必要ありません。
しかし「Photoshop®」や「Illustrator®」などのグラフィックデザインソフトや、3Dのイメージ図を起こすCADのスキルを身につけておくと仕事に役立ち、将来的に仕事の幅も広がるでしょう。

◯ Photoshop®クリエイター能力認定試験

グラフィックデザインソフト「Photoshop®」を使いこなす技能を認定する試験です。
この資格の勉強をすることで、限られた時間内に指示されたコンテンツをつくる「操作スキル」と、与えられた指示を正確に読み取る「問題解決力」が身につきます。
「スタンダード」と「エキスパート」の2つの級があります。エキスパート級では、実技試験だけでなく知識試験も出題されています。

◯ Illustrator®クリエイター能力認定試験

こちらは「Illustrator®」を使いこなす力を測る試験です。
DTPファイルやWebデザインパーツをつくる力や表現力など、コンテンツ制作に関するスキルを認定します。
「スタンダード」と「エキスパート」の2つの級があり、エキスパート級では、実技試験だけでなく知識試験も出題されています。

◯ 3次元CAD利用技術者

3次元「CAD利用技術者試験」は、3次元CAD を利用するエンジニアや学生が身につけておくべき知識と技能が証明できる試験です。
2級、準1級、1級があります。3次元CADにはたくさんのソフトがありますが、雑貨デザインやおもちゃをつくる場合に「Fusion360」を使う人が多いようです。(2021年2月現在)。