ファンドマネジャー

ファンドマネジャーの仕事内容は?

ファンドマネージャーとは?ファンドマネージャーになるには?


ファンドマネージャーとは投資信託の運用を行う専門家

・投資信託=ファンドって何?


ファンドマネージャーとは、投資信託(=ファンド)の運用を行う専門家です。投資信託というのは、たくさんのお客さま(=投資家)から集めたお金を資金として、プロが投資や運用を行い、そこで得た成果を投資家に分配する金融商品のことです。
銀行に預貯金しても金利がほとんどつかない現在では、投資商品に興味を持つ人がとても増えています。なかでも「投資信託」は、月々「500円から」とか「1000円から」など少額で投資を始められたり、損失のリスクも低く抑えられたり、どの銘柄の株や債券を売買するかを自分で調べなくてもプロが代わりに判断してくれるので、投資の初心者でも始めやすい商品として人気があります。

・ファンドマネージャーの仕事


この投資信託(ファンド)の運用を行うプロこそ、ファンドマネージャーと呼ばれる人たちです。ファンドマネージャーは運用のプロとして、投資家(お客さま)に代わって市場の動きや企業の業績などを分析し、どの銘柄をどのくらい買うか、そしてどのタイミングで売るかを判断しています。
ファンドマネージャーが資金を運用して出た利益は、その投資額に応じて投資家に分配されます。利益が大きいほど投資家に喜ばれます。また運用成績のいいファンドマネージャーとして会社でも評価されます。しかし運用がうまくいかず損益が出た場合、投資家に損をさせてしまいます。また運用成績が下がれば投資信託を買ってもらえず、資金も集まりにくくなります。社内の自分の評価も下がります。
ファンドマネージャーは、投資家や会社から常によい運用成績を上げて利益を出すことが期待されており、大きなやりがいがある反面、責任とプレッシャーも大きな仕事と言えます。

ただしファンドマネージャーは「投資信託」の運用を1人で行っているわけではありません。経済、市場、企業の業績などを分析するエコノミストやアナリスト、トレーダーなどの専門家たちとチームで運用を行っています。トレーダーは、ファンドマネージャーの判断に従って実際に株や債券などの売買を行う職種の人です。
(「アナリスト」の詳しい仕事内容は「アナリスト」の記事を参考にしてください)

ファンドマネジャーはどんな働き方をするの?

ファンドマネージャーは投資信託会社などの運用会社に就職

ファンドマネージャーの就職先は、投資信託会社などの運用会社です。
投資信託会社は外資系企業も多くあります。
ファンドマネージャーは正社員として採用されることが多いです。

ファンドマネージャーの給与水準は一般的に高いことで知られていますが、運用の実績に応じて給与は大きく変動します。特に実力主義の強い外資系企業ならなおさらです。外資系企業の場合は、運用成績が高く実力のあるファンドマネージャーは、かなり高い年収を得ることができますし、運用成績が悪くなるとポストがなくなることもあります。

ファンドマネージャーの勤務体系は、就職先の運用会社によります。通常平日の日中に8時間ほど働き土日祝日は休日という会社が多いようです。

しかし早朝から市場の動きや、投資にかかわるニュースを分析したり情報収集したりしており、勤務時間外にも仕事はあります。
ファンドマネジャーはどんな人に向いているの?

ファンドマネージャーには情報感度の高い人が向く

◯ 情報収集力
ファンドマネージャーは、担当している金融商品関連のニュースだけでなく、世界の市場や国内外の経済や産業の動きなど、さまざまな分野に興味を持ち、常に情報を集めることが必要です。

◯ 分析力
ファンドマネージャーは、自ら取材をした経営者から得た情報や、アナリストなどから得た膨大なマーケット情報などを、自分なりに分析して運用を論理的に考える必要があります。

◯ 冷静な判断力
ファンドマネージャーは、自分の運用結果によってお客さまに大きな損失をもたらすこともあります。相場が大きく動いた時にも動揺せず、正確な判断を下せなければなりません。いつでも冷静に最善策を選ぶ力が必要です。

◯ 強い精神力と責任感
ファンドマネージャーの仕事は結果で評価される仕事です。巨額のお金を動かすことのプレッシャーに耐え、たとえ大きな損失を負うことがあっても、また巻き返すことができると自分を信じられる強い精神力が必要です。そして強い責任感をもって能力を高めていける人がファンドマネージャーに向いています。

ファンドマネジャーの将来展望は?

ファンドマネージャーの将来展望 一般の人たちの関心が高まっている

アメリカなどに比べて投資に消極的と言われてきた日本でも、近年は一般の人たちの投資への関心が高まっています。投資初心者でも比較的始めやすい投資信託は種類も増えており、それにつれてファンドマネージャーの仕事も増えています。
すでに投資文化の進んでいるアメリカでは、ファンドマネージャーの地位は日本以上に高いことで知られています。独立してファンドを立ち上げたり、株価予想の解説でテレビに出演したり、セミナーを開いて資産運用の相談を受けたりなど、個人名で幅広く活躍する人も多いです。
日本でも今後、独立して個人名で活躍する実力のあるファンドマネージャーがもっと増えてくるのではないかと予想されます。

ファンドマネジャーにはこうすればなれる!

ファンドマネージャーになるには 経験を積み、適性があると認められることが必要

・ファンドマネージャーへの一般ルート


ファンドマネージャーは、投資信託会社や投資顧問会社など、運用会社に就職しています。
ただしファンドマネージャーを志望していても、誰でも希望すればなれる職種ではりません。また新卒ですぐファンドマネージャーになれる部署に配属されることはほとんどありません。ほかの部署で経験を積み、社内で適性があると認められることが必要です。
ファンドマネージャーになる人の多くは、入社してほかの部署での経験を積んだあと、調査部門に配属され、「アナリスト」として実績を積んだ後でファンドマネージャーに昇格するのが一般ルートです。

・ファンドマネージャーをめざせる学校とは?


ファンドマネージャーは、人気職種かつ高い金融知識が必要になるので、志望者の学歴は非常に高い傾向です。特に外資系の運用会社のファンドマネージャーは、超難関大学卒の人や、米国大学のMBA取得者も珍しくありません。

ファンドマネージャーは、経済学部出身者が多い傾向ですが、理系で「金融工学」を学んだ人も有利と言われています。

※「金融工学」は、値動きのある金融商品のリスクやリターン(利益率)、理論的な価格などを、数学やコンピューターを駆使して数値化して分析し、投資や資産運用の意思決定に役立たせることを研究する学問です。理系の工学部に、金融工学を扱っている大学があります。

・ファンドマネージャーをめざす人に役立つ資格は?


ファンドマネージャーになるために必須の資格はありません。しかし「証券アナリスト」「日商簿記」「TOEIC」のハイスコアなどはファンドマネージャーの仕事に役立ちます。

◯ 証券アナリスト
日本証券アナリスト協会の実施している民間資格で、この資格を学ぶことで企業の投資価値を正しく分析する力が身につきます。企業財務に関する知識、マクロ・ミクロ経済学、資本市場や金融商品の仕組み、投資理論に至るまで、幅広い知識が求められます。証券アナリストの資格を取得するためには、「日本証券アナリスト協会」の通信講座を受講する必要があります。また「証券アナリスト」の資格登録には3年間の実務経験が必要です。

◯ 日商簿記検定
日本商工会議所の行う簿記の資格です。「1級」「2級」「3級」があり、就活で評価されやすくなるのは2級以上で、金融業界全般に役立ちます。ファンドマネージャーがファンドの運用を行う際に、様々な企業の財務分析を行います。その時に必要なのが簿記の知識です。

◯ TOEIC®︎Listening&Reading Test
ファンドマネージャーは海外のレポートやニュースから海外のマーケットの動きを探ります。そのため高い英語力を身につけておくことが必要です。TOEIC®︎のリーディングとリスニングの試験で高スコアを取ることは、外資系の投資ファンドへの就職には必須条件です。