キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントの仕事内容は?

キャリアコンサルタントとは何か? どんな資格が必要?


キャリアコンサルタントとは職業選択やキャリア開発をサポートするプロフェッショナル

キャリアコンサルタントは、その人にとって望ましい職業選択やキャリア開発をサポートする国家資格を持ったプロフェッショナルです。

キャリアコンサルタントの仕事は、単に相談者と職業のマッチングを行うだけでなく、その人の仕事上の悩みや相談に乗り、その人がより幸せな人生を描くための支援をすることです。
相談者はプロのキャリアコンサルティングを受けることによって、自分の持つ適性や能力に気づきやすくなり、主体的に自分に適した仕事を選ぶ可能性が広がります。
キャリアコンサルタントの具体的な仕事内容は、カウンセリングが中心です。相談者の「今後どのような方向に進めば能力を生かせるのか? 本当はどのような仕事に進めば幸せなのか?」といった悩みや希望をじっくり聞きながら、相談者の興味、能力、価値観、特性を把握して、その人に適した職業を紹介したり、能力開発をサポートしたりします。時には使われていないスキルの活用アドバイスをしたりもします。
キャリアコンサルタントはどんな働き方をするの?

キャリアコンサルタントは働く場所で役割が違う

キャリアコンサルタントの公的な機関から民間企業まで活躍の場はさまざまです。

◯企業・組織の中で活躍するキャリアコンサルタント

企業や組織の人材開発部門で、人材の採用や、働く人のモチベーションや能力開発に関する施策に携わったり、自社の企業内でキャリアカウンセリングを行ったりしています。

◯人材派遣会社や人材紹介会社で活躍するキャリアコンサルタント

人材派遣会社や人材紹介会社のコーディネーター職や営業職となり、登録している派遣スタッフや転職希望者と、求人企業の間に立って、適切なマッチングをコーディネートします。この時、キャリアコンサルタントとしての専門スキルを使い、求職者のもっているスキルや能力を最大限に見出し、意欲を引き出すことが求められます。

◯ハローワークなど公的就業支援機関で活躍するキャリアコンサルタント

ハローワークなどで求職者と面談を行って、求職者の持っている能力を活かせる方向や、要望を叶えられる方向を考え、職業選択や求職活動のサポートを行います。

◯大学などの教育機関で活躍するキャリアコンサルタント

大学のキャリアセンターなどで活躍するキャリアコンサルタントは、就活を始める学生に向けて、自己分析や進路選択、企業研究などのサポートをします。

◯独立して活躍

組織に所属せず、独立して活躍しているキャリアコンサルタントは、企業や学校などの依頼を受けてキャリアカウンセリングや講演活動などを行っています。
キャリアコンサルタントはどんな人に向いているの?

キャリアコンサルタントには人の悩みに共感できることが大切な適性

キャリアコンサルタントは、人の仕事の悩みに共感できることが大切な適性です。そのためには自分自身も仕事について、自分の適性について悩んだり考えたりした経験を持っている人が向いているといえます。
また人のサポートが好きであることや、人に信頼感を与えるコミュニケーショ力のある人が向いています。

またキャリアコンサルティングを行ううえで必要なのは、幅広い職業についての知識です。国家資格をとった後も、カウンセリングスキルを磨き、キャリアアドバイスに必要な知識をアップデートしていける勉強熱心な人に向いています。
キャリアコンサルタントの将来展望は?

キャリアコンサルタントは厚生労働省が2025年までに10万人の養成を目標としている

求められる社会的な役割が大きいこの資格は、厚生労働省が2025年までに10万人の養成を目標としており、将来性の高い職業です。
キャリアコンサルタントが注目される理由は、日本特有の終身雇用制度や年功序列などの崩壊、「自分時間」を大事にする人たちの増加、多様化する雇用形態、働き方など、日本人の働く環境が大きく変わったことがあります。
転職や起業が当たり前になったからこそ、個人が自分で自分のキャリアを主体的に考え、選んでいくことが必要な時代になったのです。

とはいえ自分で自分に適したキャリアを考えるのは案外難しい面もあります。そんな時、自分自身の能力や経験の市場での生かし方をプロの視点から一緒に考えて相談に乗ってくれるキャリアコンサルタントの役割は、今後も重要度を増していくでしょう。
キャリアコンサルタントにはこうすればなれる!

キャリアコンサルタントの資格は?キャリアコンサルタントになるには?

・キャリアコンサルタントをめざすルートは?


キャリアコンサルタントをめざす決まったルートはありません。
キャリアコンサルタントが活躍しているのは、企業の人事・教育などを行う人事開発部門、あるいは人材派遣会社や人材紹介会社のコーディネーター職、営業職、ハローワークなど公的就業支援機関、大学などの教育機関などです。

そのうち、企業の人事開発部門や、人材派遣会社や人材紹介会社のコーディネーター職には、新卒でもつくことができます。
そのような職について実務経験を積みながら、キャリアコンサルタントの講習を受け、国家資格を取得してそのままキャリアコンサルタントとなる方法が一つのルートとして考えられます。

また別のルートとしては、業種・職種は問わず、企業などに就職して実務経験を積みながらキャリアコンサルタントの講習を受け、キャリアコンサルタント試験に合格したのち、キャリアカウンセラーとしての活動をスタートする方法です。

・キャリアコンサルタントの国家資格を受験するには?


キャリアコンサルタントになるには、2016年から国家資格になった「キャリアコンサルタント試験」に合格して、キャリアコンサルタント名簿に登録する必要があります。
名簿に登録することではじめて「キャリアコンサルタント」の肩書きを名乗れます。
これを名称独占資格といい、守秘義務、信用失墜行為の禁止義務が課されます。
名称独占資格に違反した場合は、30万円以下の罰金に処せられるので注意が必要です。

キャリアコンサルタント試験の受験資格は、次のうちどれかを満たすことが必要です。

1 厚生労働大臣が認定する講習を修了した人

2 労働者の職業選択、職業生活設計、または職業能力開発および向上のいずれかに関する相談に対して、3年以上経験を積んだ人

3 「キャリアコンサルティング技能検定」の学科試験または実技試験に合格した人

4 2016年3月までに実施された「キャリア・コンサルタント能力評価試験」の受験資格である養成講座を修了した人

となっています。

新卒でめざすなら、1の「厚生労働大臣が認定する講習」を受けることで受験資格を得るのが一般的でしょう。

1の厚生労働大臣が認定する講習は、多数の団体が行っており、 一例を挙げると
●CMCAキャリアコンサルタント養成講習
●GCDF-Japanキャリアカウンセラートレーニングプログラム
●ICDSキャリアコンサルタント養成講座
●一般社団法人日本産業カウンセラー協会キャリアコンサルタント養成講習
などです。