バーテンダー

バーテンダーの仕事内容は?

バーテンダーとはどんな仕事?資格は?どうすればなれる?


バーテンダーはお客さまのリクエストに合わせてカクテルを作る

・世界各国のお酒の知識を持っています


バーテンダーの仕事はバーのカウンターでカクテルなどのお酒を作って提供することです。一口にカクテルを作るといっても、バーテンダーの仕事は専門性が高く、世界各国の多種多様なお酒の知識を持ち、何千種類といわれるカクテルのレシピを覚えている必要があります。

バーテンダーは、お客さまのリクエストに合わせてカクテルを用意します。「マティーニ」「モスコミュール」「ジンフィズ」など定番のカクテルであっても、バーテンダーによって、こだわりやアレンジが微妙に違い、味や美味しさに差が出ます。

またその場でお客さまの好みや気分に合わせて特別なカクテルを作ったり、お店のオリジナルカクテルを作ったりすることもあります。

・バーテンダーのテクニックとは?


カクテルを作るにはシェーカーを振る「シェーク」、グラスに入れた材料をバースプーンでかき混ぜる「ステア」、グラスに直接材料を入る「ビルド」など、たくさんの奥深いテクニックがあります。
またグラスやシェイカーなどを飛ばして曲芸的なパフォーマンスをしながらカクテルを作るバーテンダーもいます。
そのようなテクニックを「フレアテクニック」と呼びます。YouTubeなどでプロフェッショナルのバーテンダーがカクテルを作るテクニックを教える動画やフレアテクニックを見れば、その華麗で美しい所作に驚かされるでしょう。

・バーでお酒を楽しんでもらうための接客も大事な仕事


バーテンダーの仕事は、カクテルを作ることだけでなく、お客さまにバーでお酒を楽しんでもらうための接客も重要です。
バーでの接客では、お客さまが楽しめる話題を提供したり、お客さまの話に耳を傾けたりします。また会話をせずに一人で静かにお酒を楽しみたいお客さまには、話しかけずに沈黙を守ります。

・グラス磨き、材料の仕込み、清掃なども大切な仕事


バーテンダーの仕事はほかにも、グラスをピカピカに磨くこと、フルーツや氷などカクテルに使う材料の仕込み、お酒や材料の仕入れ、店内の清掃などたくさんあります。

開店時間中にグラスを拭いて磨き上げる動作や、氷を丸くカッティングする所作でさえ、バーテンダーはお客さまが見ているカウンターで行うので、スマートでかっこいい所作で行うことが求められる職業です。

またカクテル作りのテクニックやお酒には、伝統だけでなくトレンドもあります。常にお酒に関する知識や技術をアップデートするために、研究や勉強も欠かせません。
バーテンダーはどんな働き方をするの?

バーテンダーは技術があれば世界中のバーで働ける

・就職先は高級ホテルから個人店までさまざま


バーテンダーの就職先は、高級ホテルのバー・ラウンジから、地域の老舗バー、チェーン店のバーまでさまざまです。
就職先によってお客さまが求めているサービスやお酒の種類、技も変わってきます。
就職して技術を身につけた後、独立開業して自分の店で働くバーテンダーも多くいます。

バーテンダーは技術さえあれば世界中のバーで働ける職業でもあります。
手先が器用で勤勉な日本人バーテンダーの技術力は海外でも高く評価されており、日本で身につけた技術は世界で通用します。

・バーテンダーの給与水準は?


バーテンダーの給与は就職先によりますが、一般的に高級なホテルのバーで働くバーテンダーは、給与水準が高めで、安定していると言われます。

・バーテンダーのライフスタイル・勤務時間


多くのバーは夜に開店して夜中まで営業しているので、バーテンダーの働き方は、昼夜が逆転する生活スタイルになることはどうしても避けられません。
バーテンダーはどんな人に向いているの?

バーテンダーは研究熱心で創造的なことが好きな人に向く

バーテンダーには世界中の何千種類といわれるお酒の知識を学んだり、テクニックをコツコツと磨いたり、新しいレシピを考案することが欠かせません。
研究熱心で地道に練習を続けられる人、そして創造的なことが好きな人に向いています。
またお客さまの気分や状況などを察して、臨機応変に居心地の良い接客ができることも求められます。

バーテンダーは練習や研究のためにさまざまなお酒を口にしたり、お客さまとの付き合いで一緒にお酒を飲んだりすることもあります。
お酒が好きで、体質的にアルコールに強い人の方が向いている、と言えるでしょう。
バーテンダーの将来展望は?

バーテンダーの将来展望 バー文化の発展にかかっている

・老舗(しにせ)バーなど本物が残っていく


2021年の現在はコロナ禍の外出自粛の影響で、飲食店業界全体の売り上げは低迷しており、バーも例外ではありません。
しかし長い目で見れば、景気に影響されず長年愛されている老舗バーもたくさんあり、将来的にバー文化が急になくなることは考えにくいといえます。
世界中で通用する高い技術と接客力のある一流のバーテンダーをめざすことで、仕事を長く続けていけるでしょう。
日本では高齢化や健康志向の影響などで、飲酒を控える人が増えていますが、40代〜50代を中心に一人でバーに通う女性も増えており、細やかな接客のできる女性バーテンダーへのニーズは今後高まると予想されています。実際女性バーテンダーの人口も増えてきています。

また中国や東南アジアでもバーテンダーのニーズは増加傾向です。今後アジアの経済発展がさらに進んでいけば、日本人のバーテンダーが海外で活躍するチャンスは増えていく見込みです。

・バー文化の新しいトレンド、ノンアルコール派の「モクテル」


一方、日本では若者の「アルコール離れ」が言われて久しいですが、イギリスやアメリカの若者を中心に「飲めるけどあえて飲まない」ノンアルコール派のライフスタイルが注目されています。
イギリスやアメリカでは、健康のためにお酒を飲まない若者たちを「Sober(しらふ)」と「Curios(ふりをする)」を組み合わせた造語、「ソーバーキュリアス」と呼んでいます。またイギリスでは、「Mock(偽もの)」と「Cocktai(カクテル)」を組み合わせた造語「モクテル」という、新しいノンアルコールカクテル文化も生まれ、モクテル専門のバーも登場しています。
モクテルとは例えばジュースや紅茶などのドリンクに、フルーツを添えて、炭酸やジンジャーエールなど割って楽しむカクテルです。近年日本でもノンアルコール飲料の拡大は若者以外にもトレンドであり、お茶を炭酸で割ったおしゃれなカクテル風ドリンクを提供するカフェやレストランが登場してきています。
今後は、伝統的な大人のバー文化が継承されていく一方で、このような新しい健康志向のバー文化も発展し、さまざまなノンアルコールやローアルコールカクテルレシピが増えていくかもしれません。
バーテンダーにはこうすればなれる!

バーテンダーなるには? 学校や資格は必要?

・バーテンダーになる3つの方法


バーテンダーになる方法の1つ目は、バーにアルバイトとして雇われて修行を積む方法です。
バーテンダーには、未経験からのアルバイトの求人の募集もあります。
2つ目は、お酒の知識やカクテルの作り方など、基本的な技術を身につけられるバーテンダースクールに通う方法です。
費用や時間はかかりますが、経営や独立・開業に向けての講座が用意されていたり、就職時のサポートが受けられたりするところもあります。

3つ目は、資格をとったり、関連の通信講座を受けたりして知識や技術を学んだ後、バーやホテルなどに就職するルートです。

・バーテンダーに役立つ有名な資格・コンクールとは?


「一般社団法人日本バーテンダー協会」(N.B.A.)の検定試験


バーテンダーの仕事につくために、必須の資格はありません。
しかし実際の仕事に、役立つ資格として有名なところでは、まず「一般社団法人日本バーテンダー協会」(N.B.A.)が行う検定試験制度があります。
N.B.A.の行う検定試験には、アルコール飲料を扱う飲食業で働く20歳以上なら学科試験のみで受験できる「バーテンダー呼称技能認定試験」や、N.B.A.会員限定で実技試験を伴う「インターナショナル・バーテンダー呼称技能認定試験」などがあります。

「プロフェッショナル・バーテンダー資格認定試験」


またもう1つ知名度のある資格といえば、「プロフェッショナル・バーテンダーズ機構」(P.B.O.)が認定する「プロフェッショナル・バーテンダー資格認定試験」です。これは学科試験と技術試験が行われ、「プロフェッショナル・バーテンダーズ機構」メンバーのほか、これからバーテンダーをめざす人も受験できる試験です。

バーテンダー憧れのコンクール「全国バーテンダー技能競技大会」


日本バーテンダー協会が毎年開催する「全国バーテンダー技能競技大会」は、世界中に知られる格式のあるバーテンダーコンテストで、優勝者は厚生労働大臣賞などが授与されます。
学科試験のほかに実技では、フルーツの部、課題の部、創作の部などに分かれて、プロフェッショナルなバーテンダーたちが腕の順位を競い合います。
創作の部では、毎年独創的な美しいカクテルが並び、見る人たちを楽しませてくれます。
こうしたコンテストに優勝することで、店の看板に掲げて実力をアピールすることができるほか、講師としてお酒の楽しみ方やバーテンダーテクニックを広める際にも大いに役立てることができます。

ソムリエの資格をとって幅広く活躍する道も


ワインの種類や知識を豊富に持ち、お客さまの好みや料理にぴったりのワインを選んで提供するソムリエ。
バーテンダーの中には、ソムリエの資格も取得して、ワインを扱うバーやレストランでワインの案内もでき、カクテルも作れるエキスパートとして活躍する人もいます。

一般社団法人日本ソムリエ協会(J.S.A.)が認定する「ソムリエ」資格は、日本で最もポピュラーなワインに関する職業資格です。
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