画家

画家の仕事内容は?

画家は芸術作品としての絵画を創作する芸術家


画家にとって大切なのは創作意欲とテーマの追求

芸術作品は、人々に豊かな気持ちを与(あた)えてくれます。画家は、そうした芸術作品としての絵画を創作しています。
絵画はふつう、日本画と洋画に分けられます。日本画は日本の伝統的な絵画で、顔料をにかわでといて、紙や絹布(けんぷ)に描(えが)きます。一方、洋画は、顔料と油を混ぜた絵の具などを使って、キャンバスに描きます。
画家にとって大切なのは、自然とわき上がってくる創造への意欲、そして創作テーマの追究です。何度も構想を練り直し、描き直して追究を重ねる、そうした姿勢の中から作品が生みだされてくるのです。
画家はどんな働き方をするの?

画家の働き方は?作品制作だけで生活できる?

画家として作品を売るだけで生活できる人はごくわずかで、多くの場合、絵画教室や学校の美術の先生やデザイナーなど、絵画の才能を生かした副業で収入を得て、創作活動を続けています。
そのため、画家をめざす人は、ほかの仕事をもつことを考える必要があります。
画家の作品は、一般(いっぱん)に、芸術性が認められてくると作品が画商によって売り買いされるようになり、画商から入る画料が画家にとっての主な収入となります。
画料は、たとえば洋画の場合は号数(キャンバスの大きさの単位)が基準になります。
1号1万円の画家なら、50号の絵が50万円といったように値がつきます。超(ちょう)一流の画家になると、1号が数百万円にも達することもあります。
画家はどんな人に向いているの?

画家に向くのは画力、独創性がある人 そのやりがいは?

画家には画力が必要ですが、画力だけでなれる職業ではありません。
最も必要なのは、芸術を作り上げる才能です。その上で、絵ひと筋に、ひたむきに努力する姿勢が大切です。また、絵が認められるまでには長い時間がかかるので、その間の苦労にたえられるだけの強い精神力が必要です。
そして何よりも絵をえがくことが好きでなければ長続きしません。
ひとつの絵画を描くには、コンセプト作りから構成、試行錯誤(しこうさくご)、仕上げと大きな苦労があります。
仕上がった絵画が人々に評価され、鑑賞(かんしょう)してもらい、絵画に込めたメッセージを受け取ってもらえたり、感動してもらえたりすることは画家として大きな喜びとなります。
画家の将来展望は?

画家の将来展望は?若い人にもチャンスがくる

・若い人にもチャンスがめぐってくる可能性


不況(ふきょう)などの影響(えいきょう)で、大規模な美術展や企業(きぎょう)の文化支援(しえん)活動は減りましたが、多くの人々の美術品への関心は失われていません。
それだけに、才能と努力によっては、画家をめざす若い力がチャンスをつかむ機会は十分にあると言えるでしょう。

・デジタルの進歩で、新たな表現方法や発表のしかたも


デジタル技術の普及(ふきゅう)や進歩により、これまでの表現方法だけでなく、コンピュータを使ったCGなどで作成した絵画が生まれるなど、新たな表現方法が出てきています。
これからますます表現方法は多彩(たさい)になっていくでしょう。
また、SNSなどを活用することで公募(こうぼ)展やコンクール以外にも作品を発表することも可能です。
多くの人に自分の絵を知ってもらう手段はさまざまに増えてきており、自分がどのような形で創作活動をしていきたいのか、選択肢(せんたくし)が増えているといえるでしょう。
画家にはこうすればなれる!

画家になるには?美術の学校に行くのは必須(ひっす)?

・公募展の入選が、画家としてのデビューの出発点


独学で一流の画家になった人もいますし、有名な画家に弟子(でし)入りして絵画を学ぶ人も少なくありません。
しかし、一般的には、基礎(きそ)をきちんと学べる4年制大学や短大の芸術系学部・学科や、美術専門学校で勉強する人が多いようです。
さまざまな形で絵を学んだ後は、作品を公募展に応募して入選することが、画家としての出発点となります。

・美術系の学校の選び方は?


初めから画家で生計を立てるのが難しいことを考えると、美術系の学校を出て、副業として美術関連の仕事につくことから始めるのが現実的です。
美術系の学校には大学や専門学校があります。大学では基礎的な教養から実践(じっせん)的な技術まで学ぶことができます。
専門学校では、実践的な技術を学ぶことに重点が置かれています。また、学部にも油絵や彫刻(ちょうこく)、日本画などのファイン系と、商業デザインなどのデザイン系があります。
自分がどこでどのように学びたいかよく考え、しっかりと学校選びをするのがよいでしょう。美術系大学合格を見すえた予備校や絵画教室などもあります。