税関職員

税関職員の仕事内容は?

税関職員になるには 英語は必要? 仕事内容は?


税関職員は違法なものの持ち込みを防ぎ、日本社会を守る仕事

税関職職員は、空港や港にある税関で、日本に戻ってきた人や訪日する外国人の荷物検査を行い、違法なものを持ち込んでいないか取り締まり、日本社会を守る役目を果たしています。その一方で、お土産品など持ち込む物品の金額が一定以上の場合、関税や消費税などの徴収をするのも税関職員の仕事です。 税関での手荷物検査の場では、専門的に調教された麻薬探知犬も活躍しています。
麻薬探知犬の訓練をする人を「麻薬探知犬ハンドラー」と呼びますが、そのハンドラーも税関職員です。
さらに物品を輸出入する時に必要な「通関」も税関職員の仕事です。
通関というのは貿易の際に必要な、行政に対する手続きや申請のことです。
税関職員は、輸出入をしようとする人が提出した通関の申告書に目を通し、法律上の問題がないかを審査しています。
最近はインターネットの普及で個人による輸出入が増加していますが、違法なものを取り寄せる危険があるので、これらのチェックも税関職員が行っています。
他にも税関職員は、航空機の検査や船舶の検査なども担当しており、どんどん巧妙な手口になっていくと予想されるテロの水際防止の役割も果たしています。
このように税関職員は、日本社会の治安を守り、日本の貿易の円滑化や、正しい税金の徴収に貢献しています。
税関職員はどんな働き方をするの?

税関職員は全国を2、3年に一度のペースで異動

・税関職員に転勤はあるの?休みは?


税関職員は基本的に2、3年に一度のペースで異動をしますが、総合職の職員は、財務省関税局など全国各地の地方税関への転勤があります。
一方、空港や港などの税関の現場で働く一般職の職員は、管轄エリア内でしか異動がありません。
税関職員の労働時間は、他の国家公務員と同様に1日8時間程度の勤務と定められています。
しかし24時間税関の開いている空港や港で働いている場合、部署によっては不規則な勤務時間となり、早朝や深夜、土日祝日にもシフト制で働くことがあります。
このような場合は時期をずらして長期休暇をとるのが一般的です。

・税関職員のキャリアパス


キャリアパス、というのはキャリアを築く道筋のことです。
税関職員は国家公務員で、総合職の場合、いわゆる「キャリア組」と言われて、関税局や各地の税関での勤務経験をして4年目以降には、政策の企画・立案の仕事をしたり、ほかの省庁への出向をしたりしながら、税関長などの管理職ポストを目指すことになるのが一般コースです。
また総合職の税関職員は、海外留学や、各国大使館など、グローバルに活躍できるチャンスも広がるので、さまざまなキャリアパスを描くことができます。
一般職の場合は、税関の現場のスペシャリストとしてのキャリアが期待されており、多くの人が各地の税関の中堅幹部を目指してステップアップしていきます。
税関職員はどんな人に向いているの?

税関職員になるにはどんな人が向いている?

税関職員は空港や港というさまざまな国籍の人が行き交う場所で、警察とは違う角度から、日本の社会の安全を守っています。
そのため正義感が強く、コミュニケーション力や語学力のある人に向いています。
また、膨大な輸出入申告書をテキパキと処理したり、短時間で海外渡航者の入国や出国の審査をしたりするには、高い事務処理能力も必要です。
さらに犯罪を未然に防ぐために、わずかな不審な点にも気づく緊張感をキープできる人、観察力のある人が向いています。
税関職員の将来展望は?

税関職員になるには将来展望 グローバル化の進行で今後もますます重要に

世界経済のグローバル化が進み、密輸入や脱税、テロを食い止めるため、税関職員の活躍は今後もますます重要になってくると思われます。
しかし国家公務員職の人気は非常に高く、税関職員の志望者数に比べ求人数のほうは決して多いとは言えません。
今後も志望者の競争が続くことが予想されています。
税関職員にはこうすればなれる!

税関職員になるには国家公務員試験に合格する必要がある

・高い学力、語学力を磨いておく


税関職員は、税制や貿易に関する専門知識と、高い語学力の必要なスペシャリストです。国家公務員試験は、受験資格は高校卒業以上(一般職の場合)の人に開かれていますが、いわゆる日本の最難関大生が多数挑戦する試験なので、中学や高校生のうちから高い学力をつけて難関大以上に進学しておくと採用試験に有利と言われます。また国際性の高い仕事でもあるので実践で使える高い英語力を身につけておくことも重要です。

・総合職か一般職のどちらかを受ける


税関職員は国家公務員なので、税関職員になるには「国家公務員採用総合職試験」か「国家公務員採用一般職試験」のどちらかを受験して合格することが必要です。
国家公務員試験の難易度は高いことで知られていますが、「総合職試験」には大学卒以上の学歴が必要で、東京大学など日本でも最難関の大学の学生も多く受験するため、合格は非常に狭き門です。
「総合職試験」に合格して内定を得た人は「キャリア組」と呼ばれ税関長を目指すなどの道があります。
一方の「一般職試験」は大学卒レベルの問題が出ますが高校卒業以上の学歴があれば受験できます。
しかし試験のレベルは高めと言われているので相当の準備が必要です。
「一般職試験」に合格した人は、その後、全国各地の税関職員採用選考にパスすると、税関の現場で働くことができ、通関業務などのスペシャリストとなる道を進みます。
麻薬探知犬の訓練を行うハンドラーになるには、国家公務員試験に合格後、税関職員となることが必要で、その後、希望を出して認められるとなることができます。