シンガポール・ビエンナーレ2022 「第 13 回ベネッセ賞」 受賞者はヤン・ヘギュ氏に決定
株式会社ベネッセホールディングス(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長CEO:小林 仁、以下:ベネッセ)とシンガポール美術館(以下:SAM)は「第13回ベネッセ賞」の受賞者をヤン・ヘギュ氏(Haegue Yang/梁慧圭/韓国)に決定し、2022年10月15日にSAMにて授賞式を行いました。
受賞者ヤン・ヘギュ氏(左)ベネッセホールディングス 執行役員 広報・IR本部長 増本 勝彦(右)
「第13回ベネッセ賞」は、シンガポール・ビエンナーレ 2022(以下:SB2022)に参加するすべてのアーティストの中から、既成概念にとらわれず、実験・開拓精神に富み、ベネッセグループの企業理念である「Benesse=よく生きる」につながるような作品づくりの可能性が期待されるアーティスト1名に授与されます。国際審査員の審査により、SB2022の開幕日である2022 年 10月15日に受賞者を発表しました。
最終審査ではプラチャヤ・ピントン(Pratchaya Phinthong/タイ)、ワリッド・ラード(Walid Raad/レバノン)、サワンウォン・ヤンフェ(Sawangwongse Yawnghwe/ミャンマー)、アラヤー・ラートチャムルーンスック(Araya Rasdjamreansook/タイ)、ヤン・ヘギュらをファイナリストとし、受賞者としてヤン・ヘギュ氏を「第13回ベネッセ賞」に選出しました。
ヤン・ヘギュ氏には、ベネッセより、ベネッセアートサイト直島への招待、ベネッセアートサイト直島での作品制作の機会またはベネッセアートサイト直島による作品収蔵の機会と賞金 300 万円が授与されます。
「第 13 回ベネッセ賞」国際審査員のコメント
ベネッセとSAMに指名された国際審査員は、ホセリーナ・クルス(Joselina Cruz/キュレーター、マニラ現代美術デザイン美術館ディレクター/フィリピン)、ボース・クリシナマチャリ(Bose Krishnamachari/キュレーター、アーティスト、コチ・ビエンナーレ財団 ディレクター/インド)、アリア・スワスティカ(Alia Swastika/ジョグジャ・ビエンナーレ財団 ディレクター/インドネシア)、ユージン・タン(Eugene Tan/シンガポール美術館およびナショナル・ギャラリー・シンガポール ディレクター/シンガポール)、三木あき子(審査委員長、ベネッセアートサイト直島インターナショナル・アーティスティック・ディレクター/日本)の5名です。
審査員は、ヤン・ヘギュ氏にベネッセ賞を授与することを大変喜ばしく思います。ヤン氏は、遊び心にあふれた視覚的言語を通じて、異文化の知識、物質性、伝統に対する敬意を織り交ぜながら、作品を制作しています。一貫して形態の実験に取り組み、素材に関する既知の方向性や機能に挑戦し、新しい体験と美学を創造してきました。ヤンは、建築、デザイン、サウンド、パフォーマンスといった他分野にまたがるアプローチで、地元の職人たちと共同で様々な彫刻的なインスタレーションを制作しています。私たちはヤン氏の真に特別なものを創り出す能力を感じ、彼女のプロジェクトが、直島に既にある素晴らしい作品群に加わる重要な作品になるものと信じています。
「第 13回ベネッセ賞」受賞者について
ヤン・ヘギュ(Haegue Yang/梁慧圭/韓国)1971年生まれ ベルリンおよびソウルに在住
シンガポール・ビエンナーレ2022「ナターシャ」での作品展示風景 Haegue Yang's The Hybrid Intermediates - Flourishing Electrophorus Duo (Sonic Intermediate - Hairy Carbonous Dweller and The Randing Intermediate - Furless Uncolored Dweller) (2022), 写真提供:SAM(右)
シュテーデル美術大学(フランクフルト、ドイツ)教授。ヤンの作品は紙を使ったコラージュからパフォーマンス彫刻、大規模なインスタレーションまで、幅広いメディアに渡り、手間のかかる織物彫刻に加えて、しばしば日用品も登場します。抽象的な視覚的語彙による彼女の擬人化された彫刻作品「Intermediates」は、しばしば「民俗」という文化的観念に考えを巡らせ、それを特定の文化の単なる伝統から超越させるべく試みています。ベネチアンブラインドで作られた彼女の多感覚的な環境は、時間、場所、人物における制御不能さや儚さ、そして共有できない知覚の場で私たちを結びつける経験を示唆しています。
「ベネッセ賞」について
「ベネッセ賞」は1995年、「福武書店」から「ベネッセコーポレーション」への社名変更を契機に、傑出したアーティストのアート活動を評価し、ベネッセグループの企業理念である「Benesse=よく生きる」を体現するアーティストを支援する目的で、ヴェネチア・ビエンナーレにおいてスタートしました。
「第11 回ベネッセ賞(2016年)」からはその拠点をアジアに移し、SAMと共催でシンガポール・ビエンナーレの公式賞として再始動しました。
Appendix
ベネッセ賞の歩み
第1回 (1995年) 蔡國強(中国)
第2回 (1997年) アレキサンドロス・プシフゥーリス(ギリシャ)
第3回 (1999年) オラファー・エリアソン(デンマーク)
第4回 (2001年) ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラー(カナダ)
第5回 (2003年) リクリット・ティラヴァーニャ(タイ)
第6回 (2005年) タシタ・ディーン(イギリス)
第7回 (2007年) アデル・アブデスメッド(アルジェリア/フランス)
第8回 (2009年) ハンス=ペーター・フェルドマン(ドイツ)
第9回 (2011年) アドリアン・ヴィジャール・ロハス(アルゼンチン)
第10回 (2013年) アンリ・サラ(アルバニア/ フランス)
第11回 (2016年) パナパン・ヨドマニー(タイ)/ 福武總一郎特別賞 ズルキフリ・マハムード(シンガポール)
第12回 (2019年)アマンダ・ヘン(シンガポール)
*第1-10 回まではヴェネチア・ビエンナーレ(第46 回~第55 回)で実施(第2回のみ共催)
*第11 回よりシンガポール・ビエンナーレ(第5 回~)で実施(SAMと共催)
ベネッセアートサイト直島について
ベネッセアートサイト直島は、直島、豊島、犬島の三つの島を舞台に、株式会社ベネッセホールディングスと公益財団法人福武財団が展開しているアート活動の総称です。文化的、歴史的に豊かな美しい瀬戸内海の自然の中に現代アートや建築を置くことによって、どこにもない特別な場所を生み出していくことを目指しています。アート作品や自然、瀬戸内の風景や地域の人々との触れ合いを通して、訪れてくださる方々がベネッセの企業理念である「ベネッセ=よく生きる」とは何かについて考えるきっかけとなることを願い、地域とともに成長し社会に貢献するために活動しています。
詳細はウェブサイトをご覧ください。http://benesse-artsite.jp/
ベネッセホールディングスについて
ベネッセホールディングス(ベネッセ)は「Benesse=よく生きる」という企業理念のもと、教育、語学、生活、介護の分野でお客様一人ひとりの意欲向上と課題解決を一生涯にわたって支援する企業グループです。幼児から高校生を対象にした日本最大の通信教育サービス「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」や、学校教育支援事業を行う
「株式会社ベネッセコーポレーション」、高齢者向けホーム運営の「株式会社ベネッセスタイルケア」、社会人向けのオンライン学習プラットフォーム「Udemy(ユーデミー)」などを有します。
ベネッセは福武財団とともに展開する「ベネッセアートサイト直島」において、30年以上にわたり、アートを活かした地域づくりに取り組んでいます。ベネッセアートサイト直島の活動およびベネッセ賞は、ベネッセグループのサステナビリティビジョンと一致する活動であり、持続可能な未来を創ることに寄与するものです。
詳細はウェブサイトをご覧ください。https://www.benesse-hd.co.jp/
シンガポール・ビエンナーレ2022 について
https://www.singaporebiennale.org/
シンガポール美術館について
シンガポール美術館は、文化地区に位置するシンガポール初の美術館として1996年に開館しました。SAMとして知られる美術館は、歴史的な港湾地区であるタンジョン・パガーにある新しい施設を含む複数の施設で、アーティストや美術愛好家、美術に関心のある人たちに、東南アジア視点からの現代アートを紹介しています。
本美術館は、東南アジアの現代アートを集めた世界で最も重要なパブリックコレクションのひとつを構築しており、展覧会やプログラムを通じて、アートとアーティストを一般の人々や将来の世代につなげることを目的としています。SAMは、そのプロセスにおいて責任ある実践を約束することで、人間的で持続可能な未来に向けて取り組んでいます。