教育

「大学入学前学習」のため、進学する学部に合わせた教材を大学に販売

推薦・AO入試による早期大学合格者の「入学前学習」のため
進学する学部に合わせて、高校と、大学、社会をつなぐ教材を大学向けに販売
~看護・医療系、保育・児童系、食物・栄養系、理工系、社会科学系、
それぞれに必要な学習項目で教材構成~

株式会社ベネッセホールディングス (本社:岡山市南方、代表取締役社長:福島保、以下ベネッセ) の子会社である株式会社進研アド(本社:大阪市北区、代表取締役社長:川目 俊哉、以下 進研アド)は、推薦・AO入試により早期に合格が決定した生徒を対象とした「大学入学前教育教材」を新たな切り口で開発し、今秋、5種類のラインナップを揃えて、大学向けに販売します。
現在、私立大学入学者の約半数が一般入試を受験せずに早期に合格が決定し、合格決定後に学習習慣が無くなるという、高校・大学の共通課題が生じています。当教材はこの課題の解決のために企画されました。
教材ラインナップは、英語、数学など教科単位で高校までの復習をする従来型ではなく、 「看護・医療系」「理工系」「社会科学系」「保育・児童系」「食物・栄養系」といった、これから入学する学部系統別の学習内容に対応したものになっています。さらに、各学部卒業後の主な進路に合わせたテーマを題材に取り上げることで、高校と、大学、社会での学びのつながりを意識でき、大学生活への目的がより明確になります。また、教材の構成は、総合テキスト、提出課題、ワークからなり、提出課題については、ベネッセの通信教育教材「進研ゼミ」の赤ペン先生で培った活用促進の採点指導ノウハウを応用しています。これらの新たな手法の開発により、生徒がモチベーションを維持させながら学習に取り組めるようになります.。


【開発の背景】
当教材を開発した背景としては、四年制大学合格者の約半数が一般入試を受けず入学しているという環境があります。(文部科学省の「平成22年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況」によれば、2010年度私立四年制大学における入学者のうち、35.4%が推薦入試合格者。10.5%がAO入試合格者。)これにより、早い大学では9月に合格発表を開始し、年内には進学する大学が確定するため、合格者の学習モチベーションの低下による学習習慣の欠落が、高校・大学共通の問題意識になっています。(2007年度の文部科学省の「平成19年度AO・推薦入試の実施状況について」によれば、推薦・AO入試実施私立大学のうち、「合格者の入学までのモチベーションの維持が課題である」が、推薦67.1%、AO71.3%、「基礎学力の担保が課題である」が、推薦56.2%、AO61.6%、となっています。)
これらの問題意識を受けて、多くの大学が入学前教育を導入していますが、その内容は、「大学の専門書の購読」「高校教科書の復習」「教科科目の課題」が中心になっています。これに対し、進研アドでは、学力・学習習慣をつけるベースは「推薦・AO合格者の学びのモチベーション」にあると考え、新たな教材開発に着手しました。

【教材の特徴】
モチベーションアップのための「3つの切り口」を重視して開発しています。

1.教材は、「進学する学部系統別」でラインナップ構成されています。
看護・医療系、保育・児童系、食物・栄養系は国家試験を想定し、理工系はモノづくりの現場、社会科学系は現実社会との接点作りを念頭においています。いずれも、「自分の未来のための勉強」であることを教材内で明確に打ち出すことで、学習モチベーションをアップさせるよう構成されています。例えば、看護系では、「先輩看護師の体験談」など、すでに実社会で活躍している先輩の生の声を掲載しており、それにより、自分の進む学部と学習意義の関連性に気付けるよう配慮されています。

2.教材構成は、集中力が維持できる時間単位でユニットが組まれています。
課題1回につき30分~40分、テキスト1ユニット15分~20分と集中力が持続できる時間単位での構成になっています。テキスト、課題、ワークの3つを組み合わせることで、「理解する」「定着する」「自らやってみる」のサイクルを定着させていきます。

3.提出教材では、ベネッセグループ赤ペン指導のノウハウを活用しています。
2010年度には、「医療・看護系」をすでに刊行していますが、採用実績のある大学における提出率は約9割にのぼります。返却する提出用紙には、ベネッセの基幹商品「進研ゼミ」の赤ペン指導による活用促進のノウハウを活用。答案に赤ペンでコメントを記入、さらに提出状況に応じた励ましハガキの送付を実施しています。「コメントが提出の励みになった」と、2010年度採用大学アンケートで、87.5%の受講生が回答しています。

【教材の構成】
① 総合テキスト/入学後に必要な学習項目が学部に合わせて抽出してあり、書き込み式の学習を中心に基礎学力の定着をはかります。
② 提出課題/総合テキストの理解を採点指導の実施により確認、学習習慣の定着をはかります。
③ ワーク/学部学科に合わせたテーマで「調べる」「表現する」「コミュニケーションをはかる」を目的としています。例えば、看護系ワークテーマのひとつは「血圧を測ってみよう」というもので、まずは自校の保健の先生へ趣旨を説明するところから始め、次いで、検査器具を自分の手で扱ってみる、また高校生として正常な血圧値や血圧と病気の関係について調べるといった取り組みを行い、最終的に、以上のプロセスをレポートにまとめるところまで行います。

④ この他、受講生の在籍高校へは入学前教育開始レターと教材見本・解説を送付し、保護者へ課題のねらいと締切一覧チェックリストを同封し見守りの体制をフォローしています。
また、実施したアンケートによる受講生の学習時間の変化、満足度、学習の取り組み姿勢などの検証データを大学に報告します。学生個々の状況を把握することで、入学後の指導に役立てることができます。

  

【今後の展開】
2010年度に先行刊行した"看護・医療系"採用大学の学生からは、「進学する学部のイメージがついた」「入学が楽しみになった」「大学でさらに勉強したいと思った」などの声があがっています。
次年度以降に向けては、活用している大学、受講者からの意見をもとに、さらなる教材内容の充実、今回刊行の無い、「人文科学系」等のラインナップの充実をはかる予定です。また、携帯電話など新しいメディアの活用も検討しています。


詳しくは、入学前教育商品 をご参照ください。進研アドのホームページに移動致します。 

最終更新日:2018年03月29日