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「サステナブル・ブランド国際会議2021横浜」に安達CEOが登壇

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株式会社ベネッセホールディングス 代表取締役社長 CEOの安達 保は、2月25日に開催された「サステナブル・ブランド国際会議2021横浜」のパネルディスカッション【サステナビリティを中心にした経営】に登壇し、企業理念「Benesse」のもと、社員の視点を広く社会に向け、事業を通したサステナビリティ活動を本格化させた経営の取り組みを語りました。

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セッションテーマ【サステナビリティを中心にした経営】

サステナビリティを経営のコアに置く企業の経営者がその理由とともに、実際にどう実現し、推進しているのかをパネルディスカッションで共有した。本記事はベネッセ・安達の発言をもとにレポートしたもの

■ファシリテーター:サステナブル・ブランド国際会議 サステナビリティ・プロデューサー 足立 直樹氏

■パネリスト:日本ロレアル株式会社 代表取締役社長ジェローム・ブリュア氏、株式会社大和証券グループ本社 取締役 兼 執行役副社長 田代 桂子氏、株式会社ベネッセホールディングス 代表取締役社長 CEO安達 保氏 

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セッションレポート

「Benesse(よく生きる well-being)」はSDGsの目指す方向と一致する

ベネッセグループ(以下、ベネッセ)は、1990年に発信した企業理念「Benesse(よく生きる)」のもと、人の成長や、自分らしい人生を生きることを支援する事業を展開しています。「よく生きる」は英語にすると「well-being」となり、まさにSDGsの方向性と一致します。30年前から、SDGsの達成に向けた実践を続けてきたともいえます。そしてその根底には、社員一人ひとりの思いに目を向けるボトムアップの活動があります。

セッションのはじめにファシリテーターから「サステナビリティに真剣に取り組まなければと思ったきっかけは?」と問われた安達は、次のように答えました。

「私が社長としてベネッセに入った2016年は、情報漏えい事故後で会社が非常に厳しい状況で、もう一度社員が前向きになるには新しい何か、社員みんなが納得できる目標をシェアする必要があると感じました。

ちょうどその頃、世界はサステナビリティを掲げ、企業が目指す方向を考え始めた時期でした。目の前のお客さまや社員の『よく生きる』だけに視点が行きがちだった社内に、ベネッセはもうひとつステップを進めて、これまで以上に社会の『よく生きる』を考えていこうじゃないかと発信したのです。」

さらに、その推進のためにどのような社内浸透を行っているかという問いに、

「まずはグループ全社員にアンケートで問いかけてみました。少子化・超高齢化が進むなか、教育と介護を本業にするベネッセは社会課題の解決にどう取り組むのかと。すると約3,000名の社員からさまざまな気づきや、言葉が寄せられました。そこで、その思いを丁寧に集約してサステナビリティビジョンを練り上げていこうということに。社員の思いを活かしたことが、一人ひとりの腹落ち感を醸成し、意識の浸透を促していると思います。

ここ数年の創業日朝礼では社員が、自分の考える『よく生きる』やサステナビリティについて発表しています。その積み重ねで、サステナビリティ活動とは『実はBenesseと同じ方向であり、自分たちの事業そのものなんだ』と理解され、『社会の課題解決に貢献できることは何か?』という意識が強くなってきたと感じます。」

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【ベネッセは、教育を通してSDGsすべてに貢献できる人材の育成をめざすこと、超高齢社会を<18番目のSDG>と捉え介護への取り組みで貢献することを柱としている】

ベネッセのパートナーシップは人・地域との価値共創

一方、サステナビリティ活動を推進するには社内の力だけでは難しいものがあります。「どのようにパートナーシップを構築しているか?」の質問に、安達は、"人"を軸に考え活動するベネッセならではの事例を2つ紹介しました。

「教育では、学校の先生との関係が非常に大事です。先生方と一緒に、子どもたちをどうやって育てていくのかを考えます。常に先生と歩調を合わせ、どのような支援をすれば教育がもっと良くなるかを考えているわけです。その意味においては、先生は私たちの大切なパートナーです。」

もう一つの事例は1989年から展開する「ベネッセアートサイト直島」。ベネッセは瀬戸内海の直島に、自然と建築と現代アートを通して「よく生きる well-being」とは何なのかを考える場をつくっています。

「多くの課題を抱えていた島に現代アートをもたらすことで、町は大きく活気づきました。たとえば、海外のお客さまもたくさん来られますが、町の皆さんがベネッセと一緒になってお迎えしてくださる。地域に点在するアート作品を、楽しんで案内してくださっています。若い人だけでなく、お年寄りもです。そうしたコミュニケーションのなかで皆さんがとても元気になり、笑顔が生まれている。これはまさに、地域の皆さんとのパートナーシップのかたちだと思います。」

この話を受け、隣席のブリュア氏(日本ロレアル)からもコメントを頂きました。

" I wanted to say thank you to Benesse, because I confirm Naoshima is a beautiful island, beautiful initiatives where visitors really feel this "well-being" through art, and I'm happy to hear now that also the residents feel the same. So it is a beautiful experience. Thank you so much." 

(直島は美しい島であり、訪問者がアートを通して心から「well-being」を感じられるよう、素晴らしい取り組みがされています。そして今、直島の住民の方々も同じように<「well-being」を>感じられていると伺い、うれしく思いました。直島での体験は、とても素晴らしいものだと思います。)

直島の活動がグローバルな共感に広がっていることを、あらためて感じる場面でした。

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若い世代が社会貢献できるためのサポートを、社会みんなで

会場には高校生の姿も複数見られ、本セッションの質問タイムでは高校1年生からベネッセの社会人教育事業に対し、「そもそもやる気を持たない大人たちにやる気を出させるためには、どのようなことをすればよいと思いますか?」との鋭い問いかけが。安達は社会環境の説明を交えつつ、

「ひとつは、世の中そんなに甘くないということ、終身雇用が崩壊するなかで自分自身が新たな人生をどうやっていくのかを、ちゃんと理解してもらうことです。また、AI社会のなかで人間が最後にやるべきことは何か。人の価値とは何かを教育の中でも問うて、ともに考えていくことが大切ではないでしょうか。」と答え、学校でもSDGsに関する活動が活発になるなか、若い世代が社会に貢献していけるようにみんながサポートできる社会になっていければと、真摯に向き合うメッセージをおくりました。

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ベネッセでは、新中期経営計画(FY2021~2025)の骨格のひとつにサステナビリティを据えています。豊かな社会をめざした課題解決に向け、さらなる活動に取り組んで参ります。

※「サステナブル・ブランド国際会議2021横浜」

https://www.sustainablebrands.jp/event/sb2021/

米カリフォルニア州で2006年に誕生したコミュニティ「サステナブル・ブランド国際会議」は、学びと共創の場として世界10カ国以上で行われている。2021年2月24日・25日、日本開催5回目の今年のテーマは、サステナビリティの一歩先を見据えた「Regeneration(再生)」。パシフィコ横浜の会場とインターネットでのライブ配信のハイブリッド開催で、延べ参加登録数は過去最高の約4,100人となった。

最終更新日:2021年03月22日