公開日:

「サステナブル・ブランド国際会議2020横浜」でベネッセが基調講演
〜「よく生きる」を社会へ 「よく生きる」を未来へ〜
(株式会社ベネッセホールディングス 代表取締役社長 安達保)

2020年2月19・20日、「サステナブル・ブランド国際会議2020横浜」が開催されました。 『Delivering the Good Life : "グッド・ライフ"の実現』をテーマに、国内外の企業・自治体・団体等の最新の取り組みや潮流が集まり、初日の基調講演では、株式会社ベネッセホールディングス代表取締役社長の安達保が登壇しました。



202003a.jpg

※「サステナブル・ブランド国際会議」とは

米サステナブル・ライフ・メディア社が展開する国際会議で、13カ国14都市で開催(2019年度予定)され、来場者数はグローバルで1.2万人を超える規模。1企業、1団体では達成困難なSDGsに対して、組織の枠、企業の垣根、国境を超えた交流の場となっている。

「よく生きる(well-being)」はSDGsの目指す方向と一致する

ベネッセが1990年から掲げる企業理念「Benesse(ベネッセ)」は、ラテン語のbene(よく)+esse(生きる)の2つの意味を持つ言葉から作られた造語で、「よく生きる」という意味を持っています。講演冒頭で安達は、「『よく生きる』とは、英語では "well-being" であり、SDGsが目指す方向とまさに一致しています」と、ベネッセのサステナビリティ活動の根底にある考え方を力強く示しました。

b202003c.jpg
「『よく生きる』を社会へ 『よく生きる』を未来へ」をテーマに基調講演するベネッセホールディングス・安達社長


b202003i.jpg
基調講演会場は、国内外からの参加者でほぼ満席となった。
左下写真(右):基調講演を熱心に聞き入るサステナブル・ブランドの創設者、コーアン・スカジニア氏

「超高齢社会」をSDGsの18番目の課題と捉える

ベネッセが企業理念「よく生きる」のもとで目指すのは、人生のあらゆるステージを事業を通して支援すること。創業来の教育分野はもとより、近年では超高齢社会を反映して介護事業がグループ売上の3割近くに伸びるなど、活発な動きを見せています。安達は、「介護は教育と並ぶ事業の2本柱。SDGs貢献においても、『教育』と『超高齢社会』を軸にコミットし、サステナブルな社会に向けた課題解決に取り組んでいきます」と語りました。

もっともSDGsで掲げる17の目標に、「超高齢社会」は含まれていません。安達は、「ベネッセではこれを『18番目の課題』として捉えています。日本は高齢化に関する課題先進国だからこそ、介護分野の知見を世界に広げ、世界の社会課題を解決していく役割を担っているのです」と、社会環境を踏まえた考え方であることを説明しました。

ベネッセのサステナビリティ活動の推進力は「社員・人」

ベネッセはサステナビリティ活動を推進するにあたり、社員が未来社会をどう描き、誰のために何をしたいのかを考え、発言するWebラーニングを実施しました。約3000人の社員の声を受け止めた安達は、「ベネッセを動かす最大の資産は社員・人であると実感した」と言います。ベネッセでは年1回の創業日に、経営トップとグループ全社員が事業ビジョンを共有する場も設けており、これからも「人」を最大の資産として活動していきたいと話しました。

「学歴ではなく、学習歴が重要となる社会」へ

講演では、ベネッセグループのサステナビリティ・ビジョンに基づく2つの活動も紹介されました。

最初の事例、「学び続ける人生を」でまず提示されたのは、ショッキングなレポート。日本の大人は、アジアで最も「勤務先以外での学習や自己研鑽をしていない(46.3%)」という内容に、会場には静かなどよめきが起こりました。

b202003j.gif
出典: パーソル総合研究所 「APACの就業実態・成長意識調査」2019より

サステナビリティ・ビジョンに「人生のすべてに学びを」を掲げるベネッセにとっては由々しき問題で、「この世界が変わっていく中で、新しい仕事にもチャレンジしていかなければならない時代が来ています。そういう中で、学ぶことができないというのは非常につらいことです」と、安達は指摘します。

そしてこの状況を変えるために強化したのが、社会人向けのオンライン動画学習プラットフォーム(注1)の提供であり、「学校を出ただけではなく、それから何を学んで行くのか。学歴ではなく、学習歴が重要になる社会にしていきたい」というビジョンを示しました。
(注1.オンライン教育プラットフォームを提供する米Udemy社と提携し、日本版Udemyを立ち上げた。) 

アートを媒介とした活動で、島の活性化に貢献し続ける

次に、サステナビリティ・ビジョン「地域との価値共創」の具体例としてあげたのは「ベネッセアートサイト直島」での活動です。

b202003g.jpg
「島の人や歴史・文化・暮らし、ベネッセがもたらしたアートや建築、そして瀬戸内海という自然。これらを融合させて、『よく生きる』について考えたり体感する場を提供する取り組みです」と説明した安達は、「一番重要なのは、その活動を続けることで島が活性化していること。地元のお年寄りも来島する方々との触れ合いで、本当に幸せそうに過ごしておられる。そんな場所が出来上がっているということです」と、企業理念に根差す活動への思いを伝えました。


b202003h.jpg
最後に、「教育と超高齢社会は、日本が直面する非常に重要な社会課題です。これまでは、お客さまや、社員の『よく生きる』を...という言い方をしていましたが、もっと社会に、そして未来に向けていこうじゃないかと話し合っているところです」と語り、「『よく生きる』を社会へ。『よく生きる』を未来へ。これが私たちのサステナビリティ活動のモットーです」という言葉で講演を締めくくりました。

ベネッセグループのサステナビリティ推進活動は、2019年のサステナビリティ・ビジョンの発信に続き、具体的な活動へと進んでいます。今後も様々な場で、進捗の発信を行ってまいります。


最終更新日:2021年02月19日