BBM障がい者雇用 TAMATEBAKO ~障がい者雇用の未来をそだてるために~

2022.03.04 BBMの取り組み(全般)

BOX3 ベネッセビジネスメイトの歩み②

(文責: 櫻田 満志)

 BOX2で設立からの10年間を振り返ってきましたが、BOX3では2016年から現在に至るまでの経過を見ていきます。2016年以降も常に新たな業務領域の拡大やいろいろな新しい取り組みを続けてきましたが、2020年からの新型コロナウィルス感染拡大により想定外の大きな環境変化が起こりました。その他の環境変化を踏まえ、これからの障がい者雇用の展望を考えていければと思います。 





③「ひとり立ち~成長へ」のとき(2016~2019)  



 2016年以降、それぞれの部署、社員一人ひとりの努力により、親会社から依頼された業務を安定的に遂行できるようになりました。

 その結果、業務への信頼度も上がってさらに追加の依頼が来るという良い流れができ、グループ会社からの依頼も増えてきました。

 ベネッセグループにおいて、「障がい者雇用の会社」だけではなく、「事業を支援するシェアードサービス、バックオフィス業務の受託会社」として期待されるようになってきました。

 その一方で、期待度とともに依頼される業務の難易度も高くなり、新たな課題も見えてきました。複雑な業務に対応できる人材の確保や組織作り、業務をできるだけシンプルにする業務設計、仕事と人のマッチングの精度アップが必要になってきました。

 また、この時期、知的障がい、身体障がいに加え、精神障がいの社員の採用が増え、多様な特性を持つ社員が増えてきました。「一人ひとりの特性に合わせて能力を引き出し、長く働き続けるために支援していく」ことが求められるようになりました。 


■新しい業務領域の拡大


 2015年頃からOAセンターのコピー業務を中心に本体事業部からの受託業務が大幅に増加し、2016年には本体のアルバイトセンター(各事業部からのアルバイト依頼の統括窓口)の業務を全面受託しました。同時に当時働いていたアルバイト70人も受け入れ、「アシスタントサービス課」を新設しました。

 この部門がその後のBBMの新しい業務受託のメイン窓口となりました。そして、順調に業務も増え、2017年には売上が10億円を超えました。また、業務の効率化を積極的に進めたこともあり、BBM全体でも利益を確保できるようになりました。 

 既存業務でもサービス範囲を拡大し、岡山でもマッサージルームを開設し、都心拠点の総務系サービス業務窓口を受託しました。そして多摩オフィスのカフェサービスなど新しい業務も次々と拡大していきました。





■さまざまな業務に対応できる体制作りへ


 2019年から親会社の業務の効率化や自動化のサポートを行う「RPA相談窓口」を受託しました。ITやシステムに強い障がい者を採用し、チームでRPAやマクロなどを活用した業務自動化に取り組んでいます。このチームはBBM自社内の業務効率化にも大いに貢献してくれています。

 そして、2020年からはアシスタントサービス課とOAセンターを統合して「ジョブサポートセンター」を新設することで、業務受託の総合窓口の役割がさらに強化されました。

「困っていることは何でも引き受けます!」という方針を掲げ、様々な業務を積極的に受託することで、新型コロナ感染拡大の中でも顧客の要望に応え、業務を増やし続けることができました。

 受託した業務については、工程を再設計しながら、障がいのあるメンバーにもその特性に合わせて割り振る形をとっています。




■難易度の高い業務の対応へ

 さまざまな業務を受託する中で、従来の作業系業務ではなく事務系の難易度の高い業務が増加し、それに対応できる障がい者の配置に苦労するようになりました。

 難易度が高い仕事への対応には、以下のことが重要なポイントになります。

「仕事そのものをシンプルに変えることで対応できる社員の層を広げること」

「個々の社員がスキルアップしてできる仕事を増やすこと」


 「仕事そのものをシンプルにする」というやり方は、これまで取り組んできた「楽ジョブ」そのものであり、この考え方はかなり定着してきています。

 また、「障がい者ができる仕事を増やす」ためには「個人の特性と仕事とのマッチング」が重要な視点になりますが、難易度が高い業務が増えるほどマッチングの精度が求められます。個人の特性をしっかりアセスメントなどで把握し、その強みを生かせる仕事を割り振っていくことが大切になります。



主な受託業務

・2016年 アルバイトセンター業務移管→2017年アシスタントサービス課設立、

・2020年 東京アシスタントサービス課、OAセンターを統合→ジョブサポートセンター設立

・2016年 ベネッセソシアス設立・・・ベネッセスタイルケア運営の介護施設の洗濯を請け負うセンター運営

・2016年 岡山拠点間デリバリー業務受託、2019年~岡山マッサージ室開設など

・2017年 都心オフィス総務サービス窓口受託=初台2017年~、

     神保町2018年~(2021年収束)

・2018年 ベネッセスタイルケアのメール室業務の受託

・2019年 RPA相談窓口、多摩エントランスカフェサービスを受託

・その他 東京メール室:編集業務デリバリー(校正紙など)受託拡大

     クリーンサービス課:定期清掃拡大、オフィスチェア清掃、

     老人ホーム清掃(岡山)など



■グループ会社の事業領域拡大へ=ベネッセソシアス設立へ


 この時期、ベネッセグループでは、特例子会社のBBMと介護事業を行うベネッセスタイルケアが中心となって障がい者雇用を進めていました。

 しかし、「もっと障がい者の業務領域を拡大したい」、「もっと幅広い層の障がい者が働ける場を作りたい」と考え、介護事業の周辺の業務を切り出せないかと検討を始めました。

 そして、2016年にベネッセスタイルケアと共同出資した福祉事業会社ベネッセソシアス(BSO)を設立し、介護施設入居者の衣類の洗濯を請け負う稲城センター(就労継続支援A型事業所)を開設しました。

 衣類の洗濯~たたみを一括して行う洗濯センターをA型事業所として立ち上げたことで、より幅広い層の障がい者が働く場所を創りだすことができ、グループの障がい者雇用も大幅に拡大できました。

 また、この洗濯センターができたことで、介護施設の従業員がより介護に集中できる環境ができ、施設にとってもなくてはならない存在になりました。

 2018年には同じくA型事業所の板橋センターを開設、さらに2021年にはA型ではなく一般事業所となる大田センターを開設しました。

 大田センターは「東京都ソーシャルファーム」の認定を受け、障がい者だけでなく引きこもりやシングルマザーなどの就労困難者の就労にも取り組んでいます。





ベネッセソシアス (benesse-socius.co.jp)

ベネッセブランドサイト「サステナブルな社会へ」でソシアスの記事が紹介されました。詳しくはこちら



■自社の取り組みを積極的に発信


 設立時からの制度や組織・体制などの会社基盤についても少しずつ見直しを進めました。人事制度や処遇の改善とともに、支援機関と連携した支援体制の整備、メール相談室・臨床心理士面談などの相談機能の強化などに取り組みました。試行錯誤もありましたが、これらの取り組みが現在の障がい者支援体制やしくみにつながっています。

 そして、このような活動が少しずつ社会にも認められるようになり、2017年には「障害者活躍企業」の認証を受け、2019年には「東京都障害者雇用エクセレントカンパニー」として表彰されました。

 また、健康管理・安全衛生活動にも力を入れていたこともあり、2019年度からBBM単独で「健康経営優良法人」(中小企業部門)の認定を取得し、2022年には上位500位となる「ブライト500」の認定を受けました。このような認証や会社が表彰されることは、社員にとっても誇りとなっています

 BBMの取り組みを外部に発信する機会も少しずつ増えてきました。会社見学者も2018年には1,000人を超え、外部のセミナーなどでの講演依頼も増えました。これまでの活動を知ってもらうことは社会にも貢献できることであり、積極的に取り組んでいます。今後は障がいのある社員がセミナーに参加して話をする機会なども増やしていきたいと考えています。