2019/10/31

「聖域なき防犯対策の大切さ」

 

 

 

【安全インストラクター武田信彦のコラム「「聖域なき防犯対策の大切さ」】(第36回)

 

 

 

 この秋も、全国で防犯関係の講演会が開かれています。講師として各地をめぐりながら最近とくに強調しているのは、「聖域なき防犯対策」の大切さです。すなわち、「ここは大丈夫」「ここは安心だね」を勝手に決めないこと。防犯の取り組みでは、このように安全・危険を決めつけてしまうことがときどき見受けられます。

 

 ・知らない人に気をつけよう     → 知っている人、面識がある人は大丈夫

 ・この道は危ないから歩かないように → ほかの道は安全だから大丈夫

 ・放課後の時間帯がとくに危ない   → 朝の登校時間は大丈夫

 ・外を歩くときは気をつけよう    → 集合住宅や自宅の前は大丈夫 など

 

 「ここは大丈夫」と決めつけるのはもちろんのこと、「ここは危ない」「ここは気をつけよう」と指摘することで、意図せずとも防犯上の聖域を設けてしまうこともあるのです。

 

 他人に対する意識の向け方にも注意が必要です。特定の社会的背景を持った人や、外見だけで「危ない人かもしれない」と決めつけることは、差別につながるだけでなく、雰囲気や外見で判断して「この人は大丈夫」といった安心意識を持つことにもつながります。

 

 街を防犯の視点で見るときにも、同じことが言えます。きれいな街、人通りが多い道、明るい商店街...だから安全だよね、と決めるつけることは防犯の聖域となってしまうのです。聖域を設けた瞬間から、「気をつけなくても大丈夫」といった心の隙が生まれやすくなります。

 

 学校安全の現場でも、ときどき気になることがあります。侵入者は正面玄関から入って来る想定、業者と思われる人は顔パス、正門は利便性のために少しだけ開けたまま...。「大丈夫だよね」「あり得ないよね」が、防犯上の聖域となり想定外の事態を生み出していくのです。

 

「犯罪はいつどこで起きるかわからない」という気持ちを忘れないこと。いつでも周囲に意識をむけて、「想定外だった...」が起きないよう、備えておきたいものです。

 

 

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うさぎママのパトロール教室主宰

安全インストラクター

 

 犯罪防止NPOの幹部などを経て、2006年より安全インストラクターとして活動を開始。 「一般市民としてできる安全のコツ」をテーマに全国で講演やセミナーなどを多数実施中。 子どもたちの安全力向上を目的とした「安全ワークショップ」も好評を得ている

 

サイト : うさぎママのパトロール教室 http://www.usagimama.com/


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