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秋元講師

早大×東大②(漢文編)

今年の夏期講習もようやく終わろうとしています。

この夏は沖縄県庁の教育委員会に招かれて、

あちらの先生方と交流する機会が与えられました。

沖縄の高校の教室にも夏は流れ、

東京の予備校の教室にも夏が訪れ過ぎ去っていくなかで、

それぞれ目の前の生徒を希望の大学に送ろうとして

たくさんの先生方が奮闘していているんだなあと

思いながらの夏期講習でした。

このブログも見てくださっているのだろうか、

またお会いしたいなあと願いつつも、

僕も僕の目の前の生徒を受験に立ち向かえるよう

しっかり鍛え抜いていこうとの思いを新たにしています。



前回からの続きです。

「然不敢不飲。」に返り点をつけよ(送り仮名はつけないこと)。



「宜畏(おそレテ)悪(にくム)之(ヲ)。然不敢不一レ飲。」

これを平易な現代語に訳せ。



どちらが東大でどちらが早大?



結論からいいますと、Aが早大、Bが東大でした。



Aは、基本句型

不(ず)副詞不(ずンバアラ)一レ動詞

の知識のみで解けます。

この句型は「書き下し文(読み)」や「訳」が問われることが多いのですが、

今回早大からは「返り点」のみの要求でいたって容易です。



対して、東大の方は早大が受験生に問うた返り点の情報を

あっさり開示してしまい、「訳」を訊いてきてます。

基本句型を問わずして、東大は何を受験生に求めているのでしょう。

この文のポイントは基本句型の他に何があるのでしょう。



合否を分ける境目はずばり「然」の解釈にありました。

「然」は「しかラバ・しかレバ・しかレドモ」等と読めるように

「順接・逆接」両方表します。

というか、精確にいうと漢文には「接続」という概念はあっても、

文の前後の関係を示す「順接」「逆接」を区別する発想がそもそもないのです。

ですから「然」の解釈は「文脈判断」(文の前後関係から内容を類推すること)

するしかありません。

「之(これ)を憎む。」

→「然」

→「決して飲まないというわけにはいかなかった。

(どうしても飲まなければならなかった。)」

さてこの場合の「然」は順接・逆接どちらでしょう。

それを確定するには「之(これ)」の指示内容を押さえる必要があります。

「之(これ)」の正体はというと「盃に映った蛇」。

もう「然」の意味がわかりましたね。

解答例は「宣は盃に映った蛇を恐れ嫌がった。

しかしながら飲まないわけにはいかなかった。」

といったところでしょうか。



この、たった一問でも東大が受験生に求める力が何なのかが見えてきます。

漢文の基礎知識は特に問わないし

(基本単語の「悪」にさえ「にくム」とフリガナが当てられています。)、

そもそも基礎知識は「センター試験」で担保されているはずなので

あえて二次試験で問う必要もない。

それよりも論理的な思考力を要請してくる。

漢文を通して「頭の良い」受験生を洗い出そうとしている狙いを感じます。

ちなみに東大は漢文に限らず「指示語」の内容を問う問題が大好きです。

「指示語内容を的確に押さえられる」=「頭良い」

というメッセージを東大は発しているのだと僕は思うのですが、

どうでしょうか。



さて、この対比だと

早大が頭を使わなくても受かるような印象を与えてしまいますが、

そうではありません。

一問一答形式で処理できるような問題ばかりなら

早大に魅力を感じるわけがありません。

ただ、以前にも書きましたが(※)、

こと漢文に関しては素直に点数を与えてくれる問題を

早大は近年とみに出してくれているのも事実です。

ですから、早大は漢文を出すという理由だけで

受験を控えるのは本当にもったいないのです。


(※)

http://blog.benesse.ne.jp/ochazemi/blog/goukaku/2009/08/post-76.html



さてさて、今回の入試問題から

皆さんに伝えたかった一番大事な話がまだできていません。

僕が2浪してやっと痛感したことです。次回。



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2014年8月25日 | 漢文