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中村講師

続・ヒューリスティクス型知性

前回の続きです。


前回、慶應法学部に合格する人の特徴の一つとして

ヒューリスティクス型の問題を得意とする知性をしている(らしい)

ということ(仮説)を書きました。

とはいえ、ヒューリスティクスとは人間にとっては普通の知性の営みで、

通常の発見や判断をする時に使われています。

(なお、ヒューリスティクスの語源はギリシア語の

「ヘウリスコー」(見つける)で、入浴中の発見の興奮のあまり

アルキメデスが「ヘウレーカ」(「ヘウリスコー」の完了形。

英語読みだと「ユリイカ」)と叫んで裸のまま風呂から通りに

飛び出したという逸話を皆さんはご存知でしょう。)


しかし、皆さんもお気づきのように、

ヒューリスティクスは、直観とか感情とか、見込みとか

様々な要素によって構成されるため、

常にバイアスがかかることも事実です。


友野典男著『行動経済学―経済は「感情」で動いている』(光文社新書)

の第3章にはその話が書いてありまして、

一般の人のみならず、専門家すらこのバイアスに惑わされる

ということも指摘されています

(なおこの本は慶應商学部論文テストB方式で出題されたこともあります)。


しかも、人間には、それを分析・修正する知性も備わっている

とのことですが、それは必ずしも強いものではないとも指摘されています。


このことを踏まえると、

慶應法学部の英語で高得点を取れる人は、

単にヒューリスティクス型問題が得意というだけではなくて、

ヒューリスティクスによる判断を修正する力も高い(らしい)

ということも、仮説として言えそうです。


そして、小論文とはきわめてヒューリスティクス的な科目だと言えます。

数学のように厳格に答えが決まっているわけではないですし、

英語よりもさらに解答に幅があるからです。


正直バイアスだらけとも言っても過言ではありません。

それでも採点できるのだから不思議です。


たとえば2013年の慶應法学部の小論文の問題は、

現在の内閣総理大臣のリーダーシップについて問う問題ですが、

これを「強化すべきだ」という意見ならば、

高校生でもヒューリスティクスを駆使して割と簡単に書けるでしょう。


しかし、その一方で

「いや、その意見においては、

首相の独断専行を許すという弊害が無視されている」


と指摘できれば、上記の意見にかかっている

バイアスを自覚できているとみなせますよね。


むろん、この指摘自体もヒューリスティクスによるものですから、

バイアスがかかっています。


だとすると、小論文とは、ヒューリスティクス的で、

バイアスだらけの科目だとしても、

そこにかかっているバイアスにいかに自覚的でありうるか

を試す科目だと言えると思います。


その意味では「ヒューリスティクスの極み」と言うべき科目かもしれません。



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2013年8月 6日 | 小論文