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難関国立・早慶 合格の流儀

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秋元講師

不思議なこと

この仕事をしていて、常々不思議に思うことがあって、それは何かというと、

ある特定の名前の生徒が同じクラスに集まってくるという現象。

例えば、「川藤(仮名)」。「川」も「藤」の字も珍しくないが、

「川藤(仮名)」という名字の人が必ずクラスに一人はいるかというと、

そこまではメジャーではない、

学年に一人いるかいないかというレベルの名字の生徒が、

続々と一つの教室に集結してくるのである。

だからといって、「川藤(仮名)」という名字の生徒が

キーパーソンになるわけでもないのだ。

また、その名字の効力は一年限りで、それ以降はまず出会うことがない。

次年度は、例えば「松木(仮名)」という名字の子がやたら増殖する。

何故、こんなことが起こるのか。この現象は一体何を意味するのか。

僕だけに起こっていることなのか。

この謎がもう10年以上も気になるのだ。

ともあれ、今では僕は干支のように捉えていて、

今年は「矢田(仮名)」の年だなあ、とか、

「石島(仮名)」イヤーだったなあ、と思ったりするのである。


【今月の早稲田】

次の文は「うつほ物語」俊蔭巻の一部分で、往年の俊蔭を知る帝が、

俊蔭の娘の夫である大将に語っている場面である。

「…かの朝臣(俊蔭)、唐土より帰りわたりて、

嵯峨の院の御時、『この手(琴演奏の技術)少し伝へよ』とおほせられければ、

『ただいま大臣の位をたまふとも、え伝へたてまつらじ』と奏しきりて、

まかでにしより参らで、中納言なるべかりし身を沈めてし人なり。

さるは、いみじき有職なり。ただむすめ一人ありける。

年七歳より習はしけるに、父の手にいとおほくまさりてひきければ、

父、『この子は、わがおもて起こしつべき子なり。

これが手より誰も誰もならひとれ』となん言ひけると聞きしかば、

俊蔭がありし時に消息などして、亡くなりてのち、

たづね問ひしかど、亡くなりにたりしと聞きしは、

そこ(大将)に隠されたるにこそありけれ。…」


 ここに語られていることから、俊蔭はどのような経歴の人であるとわかるか。

次の中からもっとも適当なものを選べ。



イ 唐土に渡って帰国した後、宮仕えして治部卿にまでなったが、

自ら職を退いて、一人娘に身につけた技術を伝えて亡くなる。

ロ 上達部になり、治部卿になったところで唐土に渡り、帰国後、中納言に昇進して、

娘一人を養育して亡くなる。

ハ 唐土に留学し帰国した後、治部卿・中納言・大臣を歴任したあと、有職になり、

娘一人に期待をかけて亡くなる。

ニ 上達部になり、唐土に渡った後帰国して、嵯峨院に仕え、治部卿に昇進したあと、

有職となって、娘に身につけた技術を伝えて亡くなる。

ホ 殿上人になり、唐土に留学したあと帰国して、中納言にまで昇進し、

職を退いて一人娘を教育したあと亡くなる。


【先月の東大】

(平家打倒の陰謀が発覚し、首謀者の一人、藤原成親が平清盛の邸に連行されてきた。

以下は、その成親に対して清盛が発した言葉である。)

「そもそも御辺は平治にもすでに誅せらるべかりしを、

内府(平重盛)が身を代へて申しなだめ、

首を接ぎ奉つしはいかに。何の遺恨をもって、この一門滅ぼすべきよし、

御結構は候ひけるやらん。恩を知るを人とはいふぞ。恩を知らぬをば畜生とこそいへ。

しかれども当家の運命尽きぬによつて、迎へ奉つたり。

日ごろ御結構の次第、ぢきに承らん。」

とぞのたまひける。


 傍線部を、具体的に内容がわかるように、現代語に訳せ。


解説

ポイントは2つあります。

1つは「運命尽きぬ」と聞くと、「命運が尽きる」という慣用表現から

「尽きぬ」の「ぬ」の意味が「完了」と思い込んでしまった

受験生がいるのではないでしょうか。

前回アドバイスしたように、

現代語訳する時には必ず品詞分解から始めて

「文法」に則って直訳を押さえてください


結論をいうと、「尽きぬ(コト)によつて」→「ぬ」は連体形

→「ぬ」の意味は「打消」だと確定できます。

やはり「文法」はマスターすべきだし、

東大は基本に忠実な問題をきっちり課してくることがわかります。

2つ目のポイントは、「迎へ」というと、

例えば「歓迎」などの熟語のイメージから

プラスイメージがありますよね。

そこから安易に「プラスな何か」を「迎えた」と

やってしまったら思う壷です。

素人にありがちな妄想答案として

「藤原家の運命が尽きたので、平家は喜びの日を迎え申し上げたのだ」

なんていうのが予想されます。

図星の人、いましたか。いたら嬉しいな。

この問題を紹介した甲斐があります。

この場合は、「成親」を邸に「連行」したことを

「迎へ」と表現しています。正解は、

「わが平家の運命が尽きないので、成親をこの邸に迎え申し上げた」。


以上のように、東大入試攻略の要諦は「基本」と「論理」に尽きます。

つまりはごく真っ当な「正攻法」の徹底です。

でも考えてみれば、「基本」を踏まえて

粛々と「論理」を追うことができる「力」こそ「知性」というのですね。

さて、「古文」の「基本」である「古典文法」は、夏が来る前、

ぜひとも一学期中に修了しておいてください。

一学期はもう終わっちゃうって? 大丈夫。

2週間もあれば暗記できます。ぼくは3日で終わらしたよ。

バックナンバーを参照してみてください↓↓↓

http://blog.benesse.ne.jp/ochazemi/blog/goukaku/2008/09/post-38.html


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2013年7月13日 | 古文