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中村講師

2012慶應文学部小論文分析(2)

前回の続きです。

前回の最後に、設問分析の第1段階として

電子書籍を利用した経験がある人はもちろん、

紙の本の読書経験しかない人でも、

電子書籍をいずれ利用するという前提に立って、

その利用のされ方を予想しなくてはならないでしょう

と書き、続く第2段階は、

設問中の言葉である「読書経験」をどのように理解し、

論述に活かすかだと書きました。


今回はその第2段階について書きたいのですが、理屈を並べるよりも

合格者の復元答案を挙げて分析した方が話が早いでしょう。


【Aさんの復元答案】

私は、将来本は電子化が進んでいくと思う。

なぜなら、電子化が進むことによって、さまざまな国や時代の書籍を

読みたいと思ったときに、すぐに読むことができるので、

需要が高まると思われるからだ。

たとえば、海外の書籍を紙の状態で買おうとすると手に入るまでに

時間がかかるし、国内の書籍でも絶版になっていると手に入らない場合もある。

しかし、書籍が電子化されれば海外の書籍でもデータをダウンロードする

時間しかかからないし、書籍のデータさえあれば絶版になるということもない。

たしかに書籍の電子化が進むにつれて、違法ダウンロードなどの

データに関する犯罪が深刻になるかもしれない。

しかし紙の本であってもそうした犯罪は起こりうるのだから、

それが書籍の電子化の進行の妨げになることはないだろう。

よって、将来書籍は電子化が進むと考えられる。


いかがでしょう。


第1段落後半に書かれていることがAさんの「読書経験」に相当しますが、

その「読書経験」とはいわば「電子化された書籍を読んだ経験」であって、

これは通常私たちが言う「読書経験」(たとえば「昔、漱石を読んだ」)とは

異なっていますね。

前回のブログからお読みの方はすでにお気づきでしょうが、

この問題では、たとえば「昔○○を読んだ」というような「読書経験」を

書き連ねても、設問が尋ねている肝心の「本の将来像」には

結びつかない可能性が高いと思います。

Aさんの答案は、「本の将来像」としては「電子化が進む」という

単純な答えですが、それに「電子書籍を読んだ経験」に基づく

具体的な中味を与えているところが評価に値します。


つまり、この問題の焦点は「読書経験」という設問中の

何気ない言葉の捉え方にあって
、Aさんの答案例のように、

これを「本との接し方の経験」が問われていると捉えれば

構想を立てやすくなります。

たとえば、紙の本しか読んだ経験がない人でも、

「自分は読書苦手」という人でも、

かつて母親に本を読んでもらったという思い出ならあるはずで、

それは「読書経験」となり、ここから音声データ化された

朗読を聴くという「本の将来像」も可能になるわけです。


このような意味で設問理解・分析の力が今年も問われていると考えれば、

Aさんの答案は十分な出来だと思います

(もちろん不十分なところもありますが、それはまた次回に)。

彼女は慶應文学部だけでなく、法学部にも合格し、早稲田も3学部制覇しましたが、

それも当然だと思わせるような理解・構成力ですね。

こうした力は、すぐに身に付くものではなく、

日ごろの英語・国語などの学習から育まれるものです。


私のこのブログを読んでいる人に高2生は少ないと思いますが、

もしその高2生の皆さんの中に「早慶に受かるような学習法」に

興味のある方がいるようでしたら、お茶ゼミでは

7月15日に無料イベント「早慶ミーティング」を開催しますので、

ぜひご参加ください。



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2012年6月28日 | 小論文