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中村講師

2012慶應文学部小論文分析(1)

今年も入試が終わり、早慶についてはほぼ結果が出揃いつつあります。

お茶ゼミ生の慶應合格者は昨年を上回る勢いで、私も安堵する一方、

合格できそうでできなかった人もいましたので、

こういう人をどのようにしたら合格まで導けるのか、

新年度に向けてまた考えていかねばなりません。



……と毎年思ってはいるのですけど……

ところで、今年の慶應論文入試の傾向については、

お茶ゼミの分析コラム内にすでに書きましたので、

ここではその続きを書きたいと思います。



上記のコラムでは、

慶應文学部小論文の設問Ⅰについて焦点を当てましたので、

以下では設問Ⅱについて書きます。



その設問は

「あなた自身のこれまでの読書経験を踏まえた上で、

 本の将来像について400字以内で述べなさい。」

というものでした。



まず、この設問を課題文の内容抜きに分析してみます。

尋ねられているのは、もちろん「本の将来像」です。

その題意をそのまま解釈すれば、「本は将来どうなるか」ですから、

本についての未来の予測が問われていることになります。

しかし、その「未来の予測」は、「占い」ではなくて、

「現在までの動向に根拠のある推測」でなくてはなりません

(そうでないと、「何でもあり」になって、採点不可能なはずです)。

ゆえに、設問冒頭にある「あなた自身のこれまでの読書経験」は、

この「現在までの動向」とリンクしていなければならないだろう

という推論もできてしまいます。

そこで改めて課題文を見てみますと、2つの課題文は共通して、

書籍の電子化がもらたすメリットを肯定していますから、

この電子化とまったく関係のない「本の将来像」を書いてしまうのは、

(よほど独創的で説得力ある内容でないかぎり)設問の題意に反する

ということで低評価になる可能性が高いと思います。



以上を踏まえ、書籍の電子化を踏まえてはいるが、

評価の低い解答の方向性を挙げてみますと、

・「本の電子化は進むだろうが、私が読んできた紙の本も捨てがたい」

(↑それは本の将来像ではない)

・「私は紙の本が好きだから、本の電子化はとまるだろう」

(↑「自分の読書経験」と「現在の動向」にリンクがない)

・「私は電子書籍と紙の書籍を両方とも読んでいるから、

   両者は両立するだろう」

(↑結局「現在の動向」として考えられる

   二つの選択肢を二つとも肯定しているだけ)

・・・・・・となります。



勘のよい人ならお分かりかと思いますが、

「書籍の電子化が進む」のはもはや不可避の現実として受け入れて、

これを前提として書かないと、

「現在の動向」に根拠のない「将来像」を書くことになりかねません。

たとえば、「紙の書籍が再び主流になる」といった将来像は、

課題文の内容から見ても「現在の動向」から見ても、

現実的には考えにくいため、説得力はあまりないでしょう。

したがって、書籍の電子化を前提として、

それはどのように利用されることになるのか

を構想するのがオーソドックスな方向で、

電子書籍を利用した経験がある人はもちろん、

紙の本の読書経験しかない人でも、

電子書籍をいずれ利用するという前提に立って、

その利用のされ方を予想しなくてはならないでしょう。

ここまで、設問分析の第1段階です。



続く第2段階は、

設問中の言葉である「読書経験」をどのように理解し、

論述に活かすかということになると思いますが、

それはまた次回ということにいたしましょう。



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2012年3月 8日 | 入試傾向・分析