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中村講師

「のび太」という生き方

最近ネット上でひそかに(?)話題になっている一通の読書感想文があります。

題して・・・

「のび太」という生き方



これは、同名の本

(某国立大学の先生が書いた、きわめてまじめな本です)についての

読書感想文なのですが、

とりあえずは↓を読んでみてください。

http://www.zushi-kaisei.ac.jp/activity/study/inconnu2005/nobita.html

中3生が書いたということを考慮すれば、かなりよく書かれたものだと思います。



まず第1段落は、この本のどこに目をつけたかを明示することで、

感想文全体が何に基づき、どの方向に

向かおうとしているのかを読者にわかりやすく伝えています。



第2段落は、この感想文のヤマ場というべきところで、

感想文を書いたⅠ君のいわゆる「自己分析」が明快になされています。

Ⅰ君は自分をいったん突き放して冷静に描いているのですが、

そこで有効に機能しているのが、「のび太」との対比ですね。

つまり「のび太」の生き方を視点にとって、自分を描き、分析しているわけです。

自分について語っているにもかかわらず、

文全体に見られる落ち着いた語り口と冷静な文体が、

自己分析について真実に近いと思わせてしまいます。



第3段落はいわば結論部で、第2段落の内容から言えることに加えて

ドラえもんが「希望そのもの」であるという解釈まで提示しています。



この感想文についてはネット上でもさまざまな意見があるようで、

必ずしも皆が褒めているわけではありません。

私もすべてを手放しで絶賛というわけではありません。

書き方の観点から見ると、たとえば、

途中「また」がいくつか入ることで、論の流れが分断されてしまっている

ことなど、惜しいところです。



しかし、日頃、小論文の答案や推薦AO入試の志望理由書を読み、

高3生が書いたのにもかかわらず

一文一文の形式からなってなかったり、

文章全体の構成が破綻しているような文章に

毎週触れている身からすれば、

「中3でもこんな文を(しかも約2000字)書けるんだからな!」

と叱咤激励したくなります。

そんな感想文なのです。



ところで、私が一つ空想するのは、

Ⅰ君が書いた最初の草稿はあったのかなあ、

ということです。

それは、公開されているものに比べれば、

書き方の上では相当荒削りだったかもしれませんが、

中学生のときにしか持てない瑞々しい感性がそのまま現れていたかもしれません。

それを見たかったなと思うことしきりです。



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2010年6月 5日 | 小論文