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難関国立・早慶 合格の流儀

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秋元講師

「2009年センター試験「現代文」【1】講評」

今回は急遽センター試験の講評に差し替えます。

全体的な講評は他でもわかるとおもうので現代文【1】

に特化して以下に紹介します。 センター試験で不本意な

点数を取ってしまった受験生はセンター利用を修正せざる

を得なくなり頭をかかえているに違いない。

だがそれ以上に僕が恐れているのは自分の実力に不信感

を抱いてしまい数週間後に迫る第一志望に立ち向かう心が

折れそうになっているのではないかということだ。

そういう君のことを考えながら今書いている。

まず結論から言っておくと、今年は確実に難化した。



「文章量の大幅増加」(昨年より600字増)

「馴染みのないテーマ」

「選択肢のきわどさ」

いずれも君に苦戦を強いただろう。だから点数が思わしく

なかった君はそんなに自分を責めないでほしい。

ただ最初の2点に関しては再三言ってきたように現代文の

本質ではない。

3点目を今から具体的に検証してみよう。・・

・・

以下の文章を読んで違和感がなければ現代文の土台は狂っ

ていないと思っていい。

大いに自分を励まして第一志望でリベンジできるはずだ。

人間万事塞翁馬。

この失敗がハッピーエンドにつながるように今一度奮起

してみるべきだ。

 まず全体の構造を確認から。

 ★「普通の隠れん坊」←→

   「複数オニ」「陣オニ」「高オニ」=「人生ゲーム」の

    対比が取れたか。両者の定義の相違は何か掴めたか。

 ★「普通の隠れん坊」→

  「人生の旅を凝縮して型取りした身体ゲーム」=「子ども

   たちが相互に(略)演習する経験」

 ★「複数オニ」「陣オニ」「高オニ」=「人生ゲーム」

  →「私生活主義と競争民主主義に主導された市民社会の

  模型としてのコスモロジー」=「産業社会型の管理社会の

 (略)コスモロジー」

 ★最後に「複数オニ」「陣オニ」「高オニ」=「人生ゲーム」

  ←→「かんけり」の対比が取れたか。

 ★ 「かんけり」→「市民社会」の否定=「管理社会のコスモロ

   ジー」の否定=「根源的な相互的共同性に充ちたコスモス」

   の定義を掴めたか。



文章の長さは難解さの本質ではないと言ったが、構造自体は以上

のようにベーシックである。

次に設問を解析してみる。

問2(難) ①②⑤はいずれもNGワード(「普通の隠れん坊」系)

が挿入されている。即消え。難しいのは③④の見極めだ。だから

まず③④まで即行絞ったならばまずは自分の力を信じていい。

③④の違いは「仲間」の否定か「自由」の否定だ。「複数オニ」系

は「私生活主義」であるが対比の「かんけり」は「相互的共同性」だ。

対比から「複数オニ」系の定義のエッセンスを握りしめることができ

たか。正解者の実力は本物だ。

問3(難) ①④は「他者」の肯定がNG。⑤はやや紛らわしいが

「他者」と「社会秩序」の組み合わせがNG。「社会秩序」は「私

的エゴイズム」と結びつく。ここまで自力で捌けたならば力は大い

にある。まずは自分を讃えていい。問題は②③の見極めだ。②「寂

しさ・孤独に対処」か③「社会的成功を利己的にめざす」か。「か

んけり」との対比から考えると②も容易に消えないところが難しい

のだ。だがこの設問は「人生ゲーム」との共通項を問うている。本

文中にある「現実の社会への適応訓練をおこない」から③がたしか

にズバリである。

問4(標準) さほどスリリングではない。注意力の問題だ。①「戸外

での遊び」と「(略)とは異なるコスモロジー」の組み合わせが×。

③「自省」「身体性」が×。「身体性」というワードは全てのグルー

プに共通だ。④「楽しめるようになっている」が×。「~場合がある。」

「~ときに思い出される。」ように無条件で別のコスモロジーに移行す

るわけではない。⑤「別のコスモロジー」に出会うことができれば再び

熱意がもてるのである。

問5(標準) 最初に確認した「かんけり」の定義をしっかり握りしめ

ていれば④の「仲間との連帯感」、「競争(略)社会」の否定、「共同

性」というワードがキラキラ光っている。逆に定義を確保してあらかじ

め答えを決めておかないとはまり続けるだろう。そういった意味でトレ

ーニングを積んだ受験生とそうでない者がくっきり差別化される良問と

いっていいし、君が正解していたならば誇っていい。

問6(標準) 紛らわしいのは⑤だけである。でももし君が⑤に引っかかっ

たとするなら同情はしない。学んで欲しい。⑤は「比喩」の関係が×。

どちらが言いたい「主張」でどちらが差し替え可能な「EX.」かの見極

めは現代文の基本中の基本だったはずだ。だから⑤が×であるのと

同じ理由から⑥こそが正解である。



以上のようにたしかに今年の現代文は難化した。

現代文の配点は他教科に比べ格段に高いから、あともう一歩の踏ん張りが

効かなかったがために思いの外点数が吹っ飛んだ受験生は多いだろう。

実力は紙一重なのに点数に大きな開きが出てしまったのではないか。

だが、今年もあえて「センター試験は君たちの力を精確に映し出す」という

決まり文句を言いたいし、君が満点を取ったならば絶賛するし、君がセンター

試験に負けたとしてもまだ受験は終わりではない。全てを糧にすればいい。

そういう思いで書いた。参考になれば幸甚です。

まずはお疲れ様でした!



KEY:[センター試験・現代文・講評・難化・現代文の配点・全体の構造] 



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2009年1月19日 | 入試傾向・分析