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中村講師

慶應論文入試2009



長らくブログを休んでいてすみませんでした。久しぶりに更新します。

このブログの共同担当者である西川先生も秋元先生も

早慶入試分析の結果を掲載している以上、

私も今年も2009年度慶應入試の論文について分析せざるを得ません。



まず2009慶應論文の総括をしますと、

2009年度はさらに

論文を対策しておけばトクする確率が高くなったな

といったところです。

もちろん、英語と歴史(or数学)の出来がより重要なのは当然ですが・・・。



そこで今回はそのサンプルとして法学部の設問を取り上げてみましょう。・・・



・・・





【法学部】

以下の文章を読み、「政治的空間としての〈公共空間〉」における

責任と自由に関する著者の主張を400字程度でまとめなさい。

そのうえで、「セキュリティー社会」についての著者の見解に対して、

その是非も含めて、あなたの考えを述べなさい。(全部で1000字)






課題文がありますから、設問だけ見て書けるわけありません。

でもこの設問がもたらしてくれるヒントは重大だと思います。



つまり、「課題文の読解を楽にしてくれ、しかもそれと同時に、

答案の構成を考える」指針を提供
してくれるのです。



たとえば、設問の中に複数のキーワードがありますね。

① 「政治的空間としての〈公共空間〉」

② (①における)「責任」

③ (①における)「自由」

④ 「セキュリティー社会」

これだけでも大変なヒントです。

まずはキーワード、特に①と④の中身を明らかにしようとして

課題文を読み始めるのと

漫然と課題文を読むのとでは、大違いです。



さらに、②と③の関係まで注意して読めば、さらに効率的になります。

その「関係」ですが、決してむずかしいものではありません。

課題文(詳しくは赤本などを見てください)を読むと、

②と③の関係はこうなります。



「①においては責任(②)なしの自由(③)はありえない。」

・・・(A)とおきます。

つまり、数学的に言えば「②は③の必要条件」関係にあるわけですね

(もちろん厳密な数学的用法ではないですよ)。

それがわかったうえで、さらに課題文を読むと、実は、

(A)が①「政治的空間としての〈公共空間〉」

の実質的内容になっていることがわかります。

ところが、現代社会について筆者はこうも言います。

「現代社会では、責任(②)なしの自由(③)が最大限に認められている。」

・・・(B)とおきます。

すなわち、(B)では、(A)が述べるような②と③の関係が

否定されているのです。



それを踏まえてさらに課題文を読むと、実は、

(B)が④「セキュリティー社会」の前提となっていることがわかります。

すなわち、④「セキュリティー社会」とは、(B)を前提とし、

そこから生じる他者への恐怖や不安を技術によって解決しようとする社会のことです。

この④に筆者は否定的評価をする一方、①を肯定的に評価しているのですから、

答案の基本的論理構成は以下のようになります。





(Ⅰ)筆者の言う「①における(A)」に対して肯定的に論じるなら、

「(B)を前提とする④」には否定的に論じなければならない。

(Ⅱ)筆者の言う「①における(A)」に対して否定的に論じるなら、

「(B)を前提とする④」には肯定的に論じなければならない.





あとはそれぞれに説得力ある根拠を与えるだけで、

答案の内容はほぼ固まったも同然ですね。

逆に言えば、上記の(Ⅰ)(Ⅱ)を外した答案は、

「構成力」で大幅な減点を覚悟しなければならないでしょう。



このように設問から読解と構成のヒントをつかむことが

慶應論文の勝利に直結している
のです。


KEY:[中村・論文・小論文・09入試・分析・慶應・慶応・法学部・対策・課題文]





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2009年05月21日 | 慶應