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早慶・難関国立 合格の流儀

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秋元講師

「ボーナス・トラック」

前回のブログにたくさんのメッセージ本当にありがとうございます。

大いに力を貰いました。これからもよろしくお願いします。



というわけで反響の大きさに調子に乗って今回もう少し現代文について

補記してみます。古文は次回に是非。

前回挙げたマニュアルの「内容二の次、構造ありき」はしばしば誤解されます。

「内容を理解するのが現代文なのではないか、内容はどうでもいいとは

どういうことだ」と。

いえ、そうではなく「全体の構造が掴めないとそもそも内容が精確にわからな

いし設問も解けない」のです。

それを痛感する出来事が僕自身にもありました。

1浪の時です。・・



当時僕は中沢新一にはまっていました。

東大からチベットに留学というあやしい経歴からして素敵だし(あ、ここで

チベットがつながるのか…前々回のブログ「試み」を参照してみてください)、

知識人でスター性があって憧れの存在だったのですが、何よりも僕は中沢新一

の文体に虜でした。彼独特の修辞、比喩、リズム全てが上質な音楽を聴いてい

るように脳を癒すのです。中でも「雪片曲線論」がお気に入りで何度も何度も

読み返しました。特に眠れない時に読むと比喩ではなく脳が指圧されている

心地良さを覚え健やかに就寝できるのです。読むセラピーですね。

あまりにも繰り返し読んでぼろぼろになり買いなおしたのはこの本だけです。



さて1浪の早稲田・教育学部の試験前日の時も妙に高ぶって眠れないのでいつ

ものように「雪片曲線論」を手に取りました。適当に開いた頁は「ゴジラ」を

扱ったものでした。

相変わらずキラキラ輝いている美しさにうっとりして眠りに就きその翌朝、

試験会場で「国語」の問題を捲って僕は絶叫しそうになりました。数時間前

舐めるように読んでいた文章がそのまんま載っているのです。

こんな偶然ってあるでしょうか。

僕は神の存在を確信しました。もう合格しちゃった、俺と思いました。

そんなに神は俺を早稲田に呼びたいのかと。

広い試験会場で僕にだけスポットライトが当たっている気がしました。

設問を見ると「並べ替え問題」や「空欄補充問題」があって文章を知っている

僕はめちゃくちゃ有利です。

何万人受験生がいようが本文を「あらかじめ知っている」特権を持っているの

は僕だけでしょう。

そう思ったらもうダメです。いつもの自分ではありません。

「構造」を整理しようとしないのです。頭の中は「思い出せコール」でいっぱ

いです。いつものように淡々と整理しようとはせず、ただただ

「思い出せ!思い出せ!思い出せ!」

というコールが脳内に響き渡るばかりです。

「思い出したらウ・カ・ル!思い出したらウ・カ・ル!ウ・カ・ル!…」

結果はご存知のように2浪決定。

後で我に返って解き直してみたら、「近代」と「現代」の単純な対比構造の

良問でした。みなさんも是非解いてみてください。1990年の入試です。

あの時僕に起こった奇跡は、実は恐るべき災難だったのです。

あらかじめ「内容」を「知っている」ということが「現代文」を解く際には

いかに危険なことか。むしろ神様は「お前は2浪して修行を積むべし」と

言っていたんだな、と今となっては思えます。たしかにこれ以外にも2浪へ

導かれていたかのような奇妙な出来事はあったのです。(つづく?)



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2008年07月22日 | 早稲田