(本文中の)傍線部①~④の「はべり」のうち、文中の話題の中には全く登場
してこない人物に対して敬意が払われている用例が一つある。それを選べ。(早
稲田・政経・00年)
さて、どうでしょう。
「登場してこない人物」??
あることに気づけば急に簡単な問題になるのが早稲田の魅力でした。
あることに気づくには、既習の知識を総動員して、論理的に絞っていけばいい
のです。
今回必要な知識は2つ。
1つめ。
☆「はべり(丁寧)」の敬意の対象
ⅰ 「地の文」→「読者」に対して
ⅱ 「会話文」→「話している人」に対して
さて、「登場してこない人物」は、ⅰ「読者」 ⅱ「話している人」、どちらで
しょうか。
もちろんⅰ「読者」ですよね。
ということは傍線部①~④の「はべり」のうち、「地の文」の「はべり」を指摘
すればいいだけ。
本文を紹介します。
…かの普賢品には「当生忉利天上」とこそ①はべるを、これは「たうし」と聞
こえ②はべりつるは、いかに心得べきにかと問ひ③はべりしかば、「たうし」と
④はべりつらむは、いたるといふ文字にこそと答ふるに、…
では、「地の文」を明らかにするための2つめのマニュアル。
☆「……。」と/とて/など
「と/とて/など」の直前はカギ括弧閉じ、なのです。
逆にいえば「と/とて/など」の直後は必然的に「地の文」ですよね。
さっそく「と/とて/など」を洗ってみると、、、あったー!
いかに心得べきにか」と問ひ③はべりしかば、
急に古文が立体化しましたね。
ということは、
答えは③に決定です。爽快。
結局、設問文を「『地の文』の『はべり』を探せ」と翻訳する作業ができれば
急にあっけない問題に変わったのです。そのためには「論理力」が必要だった
のです。早稲田が「論理力を要する」といわれる所以です。
次回は、いよいよ「論理力」そのもの、早稲田の真髄の「現代文」を覗いて
みようと思います。お楽しみに。
田尻先生プロフィール:
神戸、島根の公立中学校英語教員として26年勤務。
2001年には英語教育の実績が認められ、日本英語教育界の最高の栄誉である
パーマー賞を受賞。
2007年~ 関西大学 外国語教育研究機構教授に就任。現在に至る。著書は
・『自己表現お助けブック』 (2004年、教育出版)
・『楽しいフォニックス』 (2006年、教育出版)
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