トップ > 早慶・難関国立 合格の流儀> 慶応小論文の極意!?
このブログの小論文を担当する中村です。はじめまして。
「天は人の上に人を造らず…」と言えば、言わずと知れた
慶応義塾の創設者福澤諭吉の言葉ですが、東京三田にある
慶応の建物の入り口にはそのラテン語訳が彫られています。
それを直訳すると「人は人の上にも下にも造られていない」という受動態に
なります。つまり「天」にピッタリ対応する西欧語はないのですね。
まさか「神」を意味する単語は使えませんしね。
それで人を主語にして受動態に変えて訳したというわけです。
なんでこんな話を書くかというと、こんな状況判断が慶応は結構上手で…
…実は入試においてもそうなんだ、と言いたかったのです。
そこで、次の設問を読んで
「出題者は、この設問で、いくつの仕事を受験生に要求していますか?」
と問われたら皆さんはどう答えますか?
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以下の文章を読んで、①著者の論旨を要約して論評し、その上で、著者の
見解を参考にしつつ、
②あなた自身が人に聞きにいくときに大切だと考える点を、作法やマナーなど
と呼ばれるものも含めて、二点以上挙げてその理由を説明しなさい、挙げる
点は問題文に言及されているものに限らない。また、
③あなたが何か学術的な聞き取り調査に行くと想定して、どういう調査で、
どういう人に、どんな質問を用意していくかを自由に書きなさい。
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この問題は2006年慶応義塾大学法学部の小論文(正式名は「論述力」)の
設問です。
さあ、みなさん、上記の設問を「1分で読み取ってね」と言われたらどうしますか?
ただ眺めていただけの人! 「若い」!!
少なくとも私の教えた3年生はそうではありません。
すぐに鉛筆を持って設問に印をつけたり、
線を引いたりするはずです。これが経験の差というものでしょう。
たとえばこんな風に一発で分析できる人もいます。
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①著者の論旨を要約して → a
論評し → b
その上で、著者の見解を参考にしつつ、
②あなた自身が人に聞きにいくときに大切だと考える点を、・・・
二点以上挙げて → c d
その理由を説明しなさい → c’ d’
③あなたが何か学術的な聞き取り調査に行くと想定して、
どういう調査で → e
どういう人に → f
どんな質問を用意していくか → g
を自由に書きなさい。
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その上で一言(脳内で)こうつぶやきます。
「要はa~gの9個を書きゃいいんだな」
これで十分です。皆さんは「そんなの簡単じゃん!」と思うかもしれませんが、
実際の試験場では人は舞い上がってしまうもの。
どれか1つを書き忘れてしまうということも十分に考えられます。
まったくもったいない!
極論を言えば、この問題は課題文の要約と論評(「筆者の言うことは正しい(正しくない)。
その理由は・・・」)さえしてしまえば、あとは課題文をそれほど意識しなくても、
設問の指示にきちんと従うだけでそれなりの答案が書ける問題なんです。
ですから、今回この問題を通して皆さんに訴えたいことはただ1つ、
「慶応小論文は、設問を分析することからすべてが始まる」
ということです。
慶応法学部は小論文入試のいわばパイオニアで、すでに20年以上も
この入試を続けています。
問題の難易度は年によって変動しますが、総じて受験生の
「論文力」を測ることができる良問が出題されていると思います。
その「論文力」の基礎にあるのは、「設問分析力」ですね。
・・・・・・でも、ここまで読んでもなお「そんなの当然」と思っている人はいるでしょうね。
そこで、次回は慶応文学部の問題を使って
さらに高度な「設問分析」をしてみたいと思います。
お楽しみに。
2008年02月19日 | 小論文