助産師の部屋

助産師がお産について知っておいてほしいこと、
ママと赤ちゃんの助けとなる情報を更新中!

「 2013年12月」のアーカイブ

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出産中の過ごし方

2013年12月27日(金曜日) 日本看護協会

みなさま、こんにちは。

 

 今回は、出産中の過ごし方についてお話をします。

 

 妊娠37週以降になると、自宅から病院までの距離や

移動手段、赤ちゃんの大きさやお母さんの体型、

子宮口の状態によって、助産師から入院の時期に

ついて説明があります。お母さんは、いつでも入院が

できるように荷物の準備や自宅の片づけを心がけ

ながら過ごしましょう。

 

 前回に、陣痛間隔が10分以内、1時間に6回以上に

なると「陣痛発来」として判断すると説明しました。

陣痛は、繰り返される子宮の筋肉が収縮する波で、

その波に押されながら赤ちゃんは産道を進んできます。

 

 出産が進むにつれて、陣痛間隔は短くなり、子宮収縮も

強くなります。赤ちゃんは狭い産道を進むため、お母さんの

痛みも腰からお尻の方へと痛みの部位が変化してきます。

いわゆる産痛です。

 人間は、痛みに対して呼吸を止め痛い部分をさすったり

押さえたり、たたいたりします。それが産痛時の対処法と

なりますが、前回にもお伝えした通り、陣痛時は、一時的に

赤ちゃんへの血流が減少するため、赤ちゃんにとっても少し

苦しい状態になりますので、お母さんは「息をとめない」よう

息を吐くことに集中しましょう。

 

 また、身体を強張らせ緊張した状態で痛みを逃そうと

すると、産道もぎゅっとしまり、赤ちゃんの進行を妨げ

ます。全身に力を入れて緊張する状態を繰り返すことで

お母さんの体力も奪われていきます。その結果、子宮の

筋肉も疲れてしまい、赤ちゃんを押し出す力が弱まって

しまいます。

 

 このような状況の中、お母さんはどのように過ごせば

いいのでしょうか。まず、体力を維持するためにこまめに

エネルギーを補充しましょう。陣痛の合間に摂取できる

よう、食べ物はゼリーや一口大のおにぎりや果物、あっさり

したジュースなどの飲料を準備しておくとよいでしょう。

 

 次に、身体の力を抜いてリラックスして過ごせるよう、

ご家族や助産師が陣痛時に腰や背中をマッサージする

などして産痛緩和のお手伝いをします。また、同じ姿勢で

過ごさずに椅子に座る、人に寄りかかる、前かがみに

なるなどお母さんが少しでも楽!と思う姿勢を探しましょう。

 

 ほかにも、、陣痛の合間に歩く、階段の上り下り等は、

重力も相俟って赤ちゃんがぐっと進むこともあります。

さらに、お母さんがリラックスできる環境づくりとして、

室内の温度・音・照明・香りを工夫するなどの支援を

します。この他、温浴・トイレにこもるなど、お母さんと

赤ちゃんの状況に合わせて助産師がさまざまな

アドバイスをさせていただきます。

 

 誰しも、安全に、安楽に、安心して子どもを産みたい

と考えます。だからこそ、助産師は専門的な知識と

熟練した技術を用いて、妊娠期からお母さんとご家族に

常に寄り添い、ともに考え、意思決定を促しながら、

安全・安心な出産を支援しています。

 

 ここに、助産師が出産に立ち会う意義があると考えて

います。

 

 お母さんが安全、安心で満足できるお産ができるよう、

助産師は出産中、ずっと伴走させていただきます。

 

 

「出産」のおはなし

2013年12月17日(火曜日) 日本看護協会

みなさま、こんにちは。

 

 今回は、出産についてお話をします。

 

「出産」とは、胎児およびその付属物(胎盤、羊水など)が

産婦の身体から産み出す(娩出する)ことを言います。

 

 妊婦健診で伝えられる出産予定日は、妊娠40週0日の

ことを指しています。一般的に、胎内で育つ赤ちゃんが

生まれてきても大丈夫とされている「正期産」の時期は

妊娠37週から42週頃とされています。必ずしも妊娠

40週0日に出産となるわけではありません。妊娠の経過を

追っていくための「指標」となる日にちです。お母さんと

赤ちゃんの状態を表す重要な情報ですので、ご自身が

妊娠何週であるかを医療者に伝えていただくと、現在の

母子の状態を把握するのにとても役立ちます。

 

 出産が近くなると、妊婦健診で「子宮口が少し開いてきた」

「やわらかくなってきた」と医師に言われることがあります。

これは、お母さんの「産道」が出産に向けて、準備している

兆候です。出産予定日に向かって、お母さんの身体は

赤ちゃんを産む準備をしていきます。

 

 「出産」は陣痛ではじまります(時に破水から始まる人も

いますがその時はあわてず、清潔なパットをあてて病院に

連絡しましょう)。陣痛とは、周期的におこる子宮の収縮の

ことで、赤ちゃんが外に出ようと決めたときにおこる身体の

反応です。妊娠期間中から時々軽い子宮の収縮を経験して

いる方もいますが、陣痛の間隔が10分以内、1時間に6回

以上の頻度になることを「陣痛発来」といい、出産が開始した

と判断されます。

 

 陣痛の力によって赤ちゃんは外へ、外へとむかって進み

ます。赤ちゃんが外へと進むと、子宮口が開いていきます。

赤ちゃんの身体で一番大きな頭は、子宮口が約10cm

開くと通るとされています。赤ちゃんは陣痛の力を受けて、

子宮口を開き、せまい産道の中を、身体を上手に回旋させ

ながら、自分のペースで少しずつ進んでいきます。

お母さんは赤ちゃんを信じて、無理にいきんで赤ちゃんを

押し出そうとせず、陣痛の力に任せて過ごしましょう。

 

 赤ちゃんが外の世界に生まれ出るとき、お母さんに軽く

いきんで助けてもらうことがあります。赤ちゃんが生まれた

後、しばらく間をおいてから胎盤が出てきます。胎盤が出

たら、「出産」は終わりです!(母子健康手帳に記載されて

いる分娩時間は、陣痛発来から赤ちゃんが生まれるまで

です)

 

 日本産科婦人科学会は、出産にかかる時間を初産婦

12?16時間、経産婦5?8時間としています。これは、

あくまでも目安であり、個々人で違うので、参考程度に

考えてください。

 

 「出産」というと、お母さんにとって陣痛が痛い、大変、

というイメージですが、実は赤ちゃんも「出産」中は大変な

思いをしています。子宮が収縮すると、一時的に赤ちゃん

への血流が減少するため、赤ちゃんにとっても少し苦しい

状態になります。陣痛は長くても1分程度なので、必要

以上に赤ちゃんが苦しいことはありませんが、助産師が

陣痛中のお母さんに、「息をとめない」ように伝えるのは、

少しでも多くの酸素を赤ちゃんに届けるためなのです。

赤ちゃんはママとパパに会うために、がんばって進んで

いるのです。

 

 「産む」「産まれる」過程はよくマラソンにたとえられます。

走るために、飲んで、食べて、時々休み、周りに応援される

長い道のりですが、必ずゴールがあります。お母さんと

赤ちゃんが安全に「出産」を乗り切れるよう、わたしたち

助産師は支援させていただいています。

出産のときにわたしたちが出来ること、やってほしくないこと

などを妊娠中から相談してください。

お母さんが満足できる出産を一緒に考え、支援していきます。

 

妊娠をきっかけにわかった、「妊娠糖尿病」と「HTLV-1」

2013年12月09日(月曜日) 日本看護協会

みなさま、こんにちは。

 

今回は、「妊娠糖尿病」と「HTLV-1」についてお話しします。

 

 妊娠糖尿病とは、「妊娠中に発症した、糖尿病に至ってい

ない糖代謝異常」のことをいいます。

 妊娠すると、子宮の中でつくられる胎盤からさまざまな

ホルモンが分泌されます。このホルモンが増えると、食事後

など体内の血糖が上がったとき、血糖を下げる働きをする

インスリンの作用が鈍くなります。インスリンの作用が鈍く

なると、食後に上がった血糖が下がりづらくなります。

 なぜこのようなことが起こるのかというと、妊婦さんの

血糖を高くすることで、赤ちゃんにたくさんのブドウ糖を送り、

成長を促すからです。そして出産とともに胎盤は身体の外に

出ると、母体の血糖は下がります。

 

 妊娠すると、いつも以上にインスリンを多く分泌し、血糖を

一定値に保つようになりますが、妊娠糖尿病の方は十分な

インスリン分泌が保てず、血糖が高い状態が続きます。

妊娠糖尿病では、赤ちゃんが高血糖にさらされることで

大きく成長しすぎる、生まれた後はブドウ糖を送ってくれた

母親から離れるため急激に低血糖になるなど、さまざまな

影響が出ますが、食事療法やインスリン投与など、血糖を

コントロールすることで予防できます。

 また、妊娠糖尿病だった方は、出産後や次の妊娠時に

糖尿病を発症するリスクが高いと言われています。

妊娠中に限らず、ご自身の身体に関心をもっていただき、

予防することが大切です。生活習慣や食事の工夫など、

ぜひご相談ください。

 

 次に、「HTLV-1」についてです。

「HTLV-1」とは、「ヒト細胞白血病ウィルス1型」という

ウィルスのことで、「成人T細胞白血病」の原因とされて

います。ウィルスを保有しているだけでは特に症状はないの

ですが、1000人に1人の割合で「成人T細胞白血病」を

発症するとされています。

 なぜ、わざわざ妊婦健診の検査項目に、「HTLV-1」という

項目があるのかというと、お母さんがHTLV-1を保有して

いる場合、母乳を通して赤ちゃんに移ることがわかって

います。しかし、長期にわたり母乳を与えていた場合でも

感染する確率は15?20%、また母乳を一切与えていなく

ても約3%感染する確率がある、とされています。さらに、

母乳を一度マイナス20度で凍結してから赤ちゃんに与える

という方法も提案されていますが、現段階では確実な予防策

とは言い切れません。

 

 お母さんがHTLV-1を保有していると検査でわかった場合、

わたしたちは赤ちゃんへの栄養方法をどうするのか、お母さん

と一緒に考えさせていただきます。

 迷いがあるときは、いつでも身近な助産師にご相談ください。

  私たちは、お母さんが決めた栄養方法を応援させて

いただきます。

 

 妊娠糖尿病と、HTLV-1詳しく知りたい方は、下記URLを

ご参照ください。

 

■日本糖尿病・妊娠学会

糖尿病と妊娠に関するQ&A↓

http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/

 

■HTLV-1 母子感染予防研究班ウェブサイト↓

http://htlv-1mc.org/

 

■厚生労働省のHP↓

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou29/wakaru.html

 

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