女性が教える ママと子どもの健康BLOG

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ステロイド薬を知ろう!

2013年11月20日(水曜日) 00時00分 長尾 公美子

こんにちは。

 

前回の積田先生のお話にあった熱性けいれんと、気管支炎を週末子供が患いました。Yell


自分の子供のこととなると慌てますね。


寒くなり子供が体調を崩しやすくなりますが、頑張りましょう!

 


今回は皮膚科でよく使われるステロイド外用薬についてお話します。

 

日頃「ステロイドは怖い薬」「絶対に使わない」というお母様にお会いすることがあります。

また医師からのしっかりとした指導もなく何年もほぼ毎日ステロイド薬を使い続けている、といった誤った使い方を聞くこともあり、心底驚きます。


正しい知識を持って使用すると大変効果的ですがこのように誤解があることも多いのがステロイド外用薬だと思います。

 


効くのは分かるけれど恐いし、実際のところはどんなお薬かよく知らない、そんな方が多いのではないでしょうか。

肌のバリア機能が弱いお子様に皮膚科医からステロイドが処方される経験は皆様お持ちだと思いますが、

お母様方の中でも、

ステロイドは怖い、

ステロイドでは治らない、

ステロイドで黒くなる、

ステロイドの副作用は強く子供に塗るのはよくない、


など使用に不安がある方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?

 

ステロイドが治療の基本となる子供の皮膚疾患はたくさんあります。


正しい知識を身につければステロイド外用薬は子供の皮膚炎の強い味方になります。


なかなか治らない皮膚炎もコントロールができるよう、ステロイドに関する知識を持ちましょう。

 

<1、ステロイドの正しい塗り方を知る!(量と期間)>

正しいステロイドの塗り方とは、適した強さのステロイドを適量、必要期間使用することです。

ステロイドは強さにより5ランクに分けられます。

通常皮膚科医が症状や年齢に合った強さのお薬を処方しています。

お子様には弱めのステロイドを、またお顔には体より弱めのステロイドを用います。


塗ったけど効かなかった、アトピー性皮膚炎はステロイドでは治らなかったという場合、塗布量が少ないとか、お母様の判断で外用をやめたといったことはなかったでしょうか?

 

ステロイド外用薬は塗り始めて数日で赤みが消えると治ったように見えますが、すぐに塗布をやめてしまうと悪化する場合もあります。

また、怖いからと少量しか使わないと効きません。

 

炎症をおさえるために適正量(*,1FTU)を1~2週間程度使う必要があります。

どのくらい使えばいいのか分からない場合はかかりつけの皮膚科医に量と期間をしっかり指導してもらいましょう。

 


(*)適正量:1FTU(finger-tip unit、フィンガーチップユニット)=0.5gを大人の手のひら2枚分に塗布します。

⇒クリームの場合チューブから大人の人差し指~第一関節分が1FTU。

⇒ローションの場合1円玉大が1FTUに相当します。

 

 

<2、ステロイド以外の薬も理解する>

アトピー性皮膚炎など、長期に渡り症状を繰り返す場合に、ステロイド外用薬を使ったりやめたりを繰り返して結局漫然とステロイドを使うことはお子様に限らず、大人にもよく見られることです。

ステロイドを続けるよう皮膚科医の指示がある場合は除きますが、症状を見ながら他のお薬を上手に併用してステロイドだけに頼らない治療法があります。

具体的な方法は皮膚科医により異なりますし、症状をよく観察しながらすすめるべきなので、自己判断せずに皮膚科医にアドバイスをもらいながら慎重に治療をすすめて下さい。

 

*ステロイドと併用もしくは軽快した場合に用いられる治療薬*

○タクロリムス(プロトピック)軟膏 (免疫抑制剤軟膏)

ステロイド外用薬で十分に炎症をおさえた後の維持療法として用いることが多いです。

ステロイド外用薬のような長期連用による副作用がありません。

ただし刺激感があります。

また2歳以下には使えません。


○抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬内服

かゆみを抑え、掻き傷を減らせます。

 

○保湿剤

ヒルドイド、ワセリン、セラミドなど。

乾燥を改善しバリア機能を高めて皮膚を健康な状態へ導きます。

ステロイドと併用し、乾燥状態を改善して皮膚炎を予防します。

ステロイドで症状が軽快したらステロイドと1日交代で保湿剤を塗ると

ステロイドを塗る日数を少しずつ減らせます。

 

 

いずれにしても赤みや強い炎症症状が再発した場合はステロイドによる治療が必要です。

お子様の症状をよく観察し、主治医に相談しながら根気よく治療を続けてください。

 

 

<3.ステロイドの副作用>

成長障害、糖尿病、骨粗しょう症、満月様顔ぼう(ムーンフェイス)などステロイドによる副作用は多数ありますが、これは注射や内服の場合の副作用で、外用剤では強いステロイドを大量に広範囲に用いたり、特別な塗り方をしなければ全身的な問題は起こりません。

皮膚から吸収されて血液内を巡る量はごくわずかだからです。

ただし薬を塗った部分には副作用が起こることがあります。


皮膚が薄くなる(皮膚の萎縮)や毛細血管拡張、にきび、多毛、酒さ様皮膚炎など、、

症状に適した強さと量を使うこと、漫然と長期間使わないことがこうした副作用を生じにくくします。


よくある誤解に「ステロイドを使うと皮膚が黒くなる」ことが挙げられますが、ステロイドの使用で皮膚が濃くなるわけではありません。

ステロイドを用いて皮膚炎が治まった後黒くなることが多いため誤解されることがありますが、これは炎症後色素沈着という皮膚に炎症を生じた後メラニン活性が高くなった現象で、ステロイドそのものの副作用ではありません。

 

 

長期のかゆみは子供の体力を消耗します。

ステロイドの副作用を怖がりすぎないで適量を適した期間塗って、

お子様の不快な皮膚炎を治療し、元気いっぱいの生活へ導いてあげて下さい。Smile

 

 

 

熱性けいれんであわてないために

2013年11月06日(水曜日) 00時00分 積田 綾子

すっかり秋ですね(^^)

連休中いつもよりたくさんの家族やグループが遊具のない公園にいました。

とくに何をするわけでもないけれど、季節の移ろいをのんびり感じることは、どの世代にとっても気持ちの良いことなんでしょうね(*^^*)

ぜひお子さんをつれて、はらっぱへ!

この時期は創造力が広がる気がします。



そろそろインフルエンザの患者さんも出てきましたが、去年ブログを書いたので参考にしてみてください。


インフルエンザから子どもも大人も守る

 

 

今回は熱性けいれんについてです。


経験されるかたが少なくないのをご存知ですか?


(1)熱性けいれんとは?

通常は38度以上の発熱にともなっておきます。

6か月から6歳くらいまでのお子さんの15人~20人に一人ぐらいが経験します。


※脳炎、脳症、髄膜炎などによるけいれんはのぞきます。

(熱性けいれん典型例では発熱24時間以内に、症状に左右差のないけいれんが数分おこり、意識の回復が良いものです。これから外れる状態や嘔吐や意識障害を伴う場合などは熱性けいれんではない可能性があります。)


*まれに6歳をこえてもおこることがあります。


*6か月より前の熱に伴うけいれんはドラベ症候群という違う疾患の可能性があります。


(2)おこさんがけいれんしたら

あわてる気持ちはわかりますが、あわててしてはいけないことを書いておきます。

よくやるのが、舌をかまないかと心配してスプーンや何かをかませるケース。

これは危ないです。スプーンがのどにささったり、吐物で窒息する危険があるので。

外傷でなく熱でけいれんしたようでしたら衣服をゆるめ吐物をのどに詰めないように横にむけても良いでしょう。

余裕があれば左右差はないか、けいれんは短いか、意識の戻りはよいか確認です。

続くようなら(初回けいれんなども)救急車を呼んでよいでしょう。


(3)解熱剤は有用か?

解熱剤がわるさをするという報告はないようです。

しかし、熱性けいれんを予防することもできないという結果が各研究ででています。

ということは、使用はケースバイケースですね(^^)/

あくまで対症療法なので無理に使うこともないし、絶対使ってはいけないわけでもない。


(4)抗痙攣の坐薬(ジアゼパム)は有用か?

これはいろんな病院でいろんなことを言われている可能性があります。

坐薬を使用しない病院もあります。以下を参考に主治医さんとプランを話してください。


①熱性けいれんを繰り返すお子さんは、繰り返し予防のためには発熱時に1回使用。

②8時間後にもう1回の計2回使用すると繰り返す確率が約半分になるとされています。


※最近の研究では熱性けいれんのお子さんに同じ発熱の間にジアゼパム坐薬を使用した場合としなかった場合では、ジアゼパム坐薬を使用しなかったほうが熱性けいれんを繰り返す確率が高かったのです。親御さんは心配されますよね。


応用編として熱性けいれんは大体は短時間なので、けいれん後意識が戻った(脳症などを疑うような意識障害がない)のを確認したうえでリスクを下げるために使用するのも手です。

というのは意識回復前の坐薬使用により意識が戻るのに時間がかかる場合があり、そうすると脳症なのか熱性けいれんでよいのかどうかわからなくなる場合があるからです。



いかがですか?

遭遇する機会が多いのでご参考になればうれしいです。


これからはインフルエンザの季節。


上記はあくまで基本です。


インフルエンザの時期のけいれんや長いけいれんはすぐ受診された方がよいでしょう。


それではまた来月(^^)

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